室蘭にて(1)
- 2015/01/06
- 14:56
室蘭工業大学へ行くことになった。
講演会とその後の懇親会に出席するという予定だ。
北海道に行くのは、学生のときに数回、その後は、数年前に北見に行ったことがある。
それ以来だ。
合計して北海道の地を踏んだのは、3回だと思う。
今回が4回目だ。
室蘭には、神戸空港から千歳空港までスカイマークで飛ぶ。
当時、スカイマークがA330を導入し、CAのミニスカートが話題になっていた。
だが、神戸―千歳便には、A330は飛んでいないので、CAは通常の制服、というか、制服は上着だけで、下はパンツスタイルの人や、ロングスカートの人や様々だったように記憶している。
無事千歳空港に到着すると、JRで東室蘭まで行くことになる。
北海道の路線図が正確に頭に入っていないので、間違えないように、どの列車に乗ればいいのかを案内で確かめる。
札幌行きに乗れと言う。
札幌と室蘭は反対方向なので、間違っているのではと思って、路線図をよく見ると、札幌行きで南千歳まで行き、そこで乗り換えて、特急スーパー北斗に乗るということだ。
南千歳までは数分で到着。
その日は、生憎の悪天候。雨は上がりはじめていたが、冷たくて寒い。
関西に比べると、10°くらいは気温が低いのではないかと思う。
南千歳のプラットフォームで20分ほど、特急を待つ。
時間が短いが、寒いせいか、随分長い時間に思う。
スーパー北斗の中は、混んでいたが、座ることができたので、快適である。
50分くらいで東室蘭に到着。
東室蘭の駅舎は立派である。
ちょうど昼前に着く予定だったので、到着前には、駅ビルのようなところがあるだろう、そこで、昼飯を食べようと思っていた。
駅舎の改札は建物で言うと地上3階のレベルである。
改札を出て、右手のエスカレーターを降りる。
エスカレーターの右手の壁には、室蘭工業大学の大きな広告のようなものがある。
英語で言うと、MITである。
これはいい省略形になっている。
Massachusetts Insititute of Technologyではないが、Muroran Institute of Technologyだ。
エスカレータを降りると、目の前はロータリーである。
タクシーが何台も客待ちをしている。
どうやら駅ビルもないようだ。
食事を取るような場所もあまりない。
きっと反対側に降りたのだと思い、もう一度、今度はエレベーターで改札のレベルまであがり、改札の左手に進む。
そちら側に降りると、右手側よりも、もっと寂しい。
駅の方向を振り返ると左手に背の高いビルがある。今日予約しているホテルである。
時間があるので、ホテルまで行くことにする。
ホテルの中に食べるところがあるかもしれない。
キャリングケースをころころと引いていく。
キャリングケース、別名コロコロである。
ホテルは駅から徒歩2分程度だ。
ホテルのフロントに行く。
まだ12時過ぎなので、当然チェックインはできないと思いつつ、フロントで尋ねると、やはり15時からだと言う。
フロントの担当者は、若い女性である。
ホテルの中の食堂らしきところは、昼間は営業をしていない。
その女性に、食事をするところを聞く。
答えは、駅前に中華料理屋があるという。
そういえば、タクシーが待っているロータリーの横に、そういう店があったような記憶がある。
コロコロをフロントに預けて、鞄だけを持って、中華料理屋に向かう。
ちょうど昼時で結構混んでいる。
カウンターに座って注文する。
どこにでもある標準的な中華料理屋だ。
20分くらいで、食事を済ませる。
講演会の開始時刻は16時と遅い時間であるので、十分時間がある。
食後の散歩を兼ねて、駅の近くを歩く。
適当な喫茶店でもあれば、コーヒーでも飲もうという心づもりである。
駅からあまり遠くまで行っても戻るのが面倒である。
と言っても、店がありそうな区画は、駅の近くだけである。
喫茶店が数軒、ぱらぱらとある。固まってはいない。
その店も、なかなか入りづらい雰囲気である。
結局駅のまわりをぐるりと歩いて、駅舎まで戻ってきた。
改札の隣にあるコンビニは結構大きく、取り扱っている商品の数も多い。
暖かいコーヒーを買い、改札の近くにあるベンチに座ってパソコンを開いて、メールを確認しながら飲む。
ちょうど気になっていた、締切が迫っている原稿を書くことにする。
静かな駅なので、意外にはかどる。
ときどき改札の前の幅が広い通路を自転車が走っていく。
こういう場所で自転車を押すのではなく、乗ったまま走れるところが珍しい。
こういうところでPCを使うときに気になるのは、電源だ。
今使っているPCは持っても3時間程度であるので、どこかで電源に充電しながら仕事をしないといけない。
一段落付いたところで、再びホテルに移動する。
ホテルのロビーで電源を借りながら、PCを使うことにする。
ロビーは広くはないが、静かである。
こんな時間であるので、客が来る時間でもない。
と思っていると、二人組が入って来た。
どうやらこちらにしばらく滞在するようで車で来ている。
ロビーで打ち合わせを始めた。
いままで静かだった環境がとたんに最悪である。
大きな声で話をしている。
小声で話をするのもおかしい状況であるが、こちらにとっては、迷惑な話である。
折角締切が迫っている原稿を書き進めていて、順調なペースだったのに、腰を折られる。
会場までは車で15分あれば着くので、15時半に出れば十分間に合う。
ぎりぎりまでロビーにいるつもりだったが、二人組も時間があるのか、携帯で電話をしたりしながら、打ち合わせが続く。
長引きそうだ。
早めに切り上げて、タクシー乗り場に向かう。
並ぶこともなくすぐに乗ることができる。
地方に仕事に行くたびに、駅前のタクシー乗り場に行列を作っているタクシーをいつも見る。
駅に列車が着くときに、何人かの客がタクシーに乗るのだろうが、これでやっていけるのだろうかと、人ごとながら心配になる。
タクシーの運転手に聞くことにする。
「このあたりで昼飯を食べるとすると、どこがいいですかね。」
「そうですね。駅前に中華料理屋がありますね。」
。。。。そうですか。中華料理ですか。
どうやら、あの店は、地元の人が推薦する店らしい。
大学までの途中の道すがら、今夜食事をするところを教えてもらう。
「このあたりの繁華街はどのあたりですかね」
駅から5分ほど走ったあたりに大型スーパーがあり、その周囲がよいそうだ。
よし、今夜はそのあたりで食事をしようと決める。
10分くらいで大学に到着する。
(続く)
南千歳駅

東室蘭駅。新しい。デザイン的にも面白い。

室蘭工業大学(MIT)

駅前のタクシー乗り場

改札を出たところは随分広い通路になっている。

講演会とその後の懇親会に出席するという予定だ。
北海道に行くのは、学生のときに数回、その後は、数年前に北見に行ったことがある。
それ以来だ。
合計して北海道の地を踏んだのは、3回だと思う。
今回が4回目だ。
室蘭には、神戸空港から千歳空港までスカイマークで飛ぶ。
当時、スカイマークがA330を導入し、CAのミニスカートが話題になっていた。
だが、神戸―千歳便には、A330は飛んでいないので、CAは通常の制服、というか、制服は上着だけで、下はパンツスタイルの人や、ロングスカートの人や様々だったように記憶している。
無事千歳空港に到着すると、JRで東室蘭まで行くことになる。
北海道の路線図が正確に頭に入っていないので、間違えないように、どの列車に乗ればいいのかを案内で確かめる。
札幌行きに乗れと言う。
札幌と室蘭は反対方向なので、間違っているのではと思って、路線図をよく見ると、札幌行きで南千歳まで行き、そこで乗り換えて、特急スーパー北斗に乗るということだ。
南千歳までは数分で到着。
その日は、生憎の悪天候。雨は上がりはじめていたが、冷たくて寒い。
関西に比べると、10°くらいは気温が低いのではないかと思う。
南千歳のプラットフォームで20分ほど、特急を待つ。
時間が短いが、寒いせいか、随分長い時間に思う。
スーパー北斗の中は、混んでいたが、座ることができたので、快適である。
50分くらいで東室蘭に到着。
東室蘭の駅舎は立派である。
ちょうど昼前に着く予定だったので、到着前には、駅ビルのようなところがあるだろう、そこで、昼飯を食べようと思っていた。
駅舎の改札は建物で言うと地上3階のレベルである。
改札を出て、右手のエスカレーターを降りる。
エスカレーターの右手の壁には、室蘭工業大学の大きな広告のようなものがある。
英語で言うと、MITである。
これはいい省略形になっている。
Massachusetts Insititute of Technologyではないが、Muroran Institute of Technologyだ。
エスカレータを降りると、目の前はロータリーである。
タクシーが何台も客待ちをしている。
どうやら駅ビルもないようだ。
食事を取るような場所もあまりない。
きっと反対側に降りたのだと思い、もう一度、今度はエレベーターで改札のレベルまであがり、改札の左手に進む。
そちら側に降りると、右手側よりも、もっと寂しい。
駅の方向を振り返ると左手に背の高いビルがある。今日予約しているホテルである。
時間があるので、ホテルまで行くことにする。
ホテルの中に食べるところがあるかもしれない。
キャリングケースをころころと引いていく。
キャリングケース、別名コロコロである。
ホテルは駅から徒歩2分程度だ。
ホテルのフロントに行く。
まだ12時過ぎなので、当然チェックインはできないと思いつつ、フロントで尋ねると、やはり15時からだと言う。
フロントの担当者は、若い女性である。
ホテルの中の食堂らしきところは、昼間は営業をしていない。
その女性に、食事をするところを聞く。
答えは、駅前に中華料理屋があるという。
そういえば、タクシーが待っているロータリーの横に、そういう店があったような記憶がある。
コロコロをフロントに預けて、鞄だけを持って、中華料理屋に向かう。
ちょうど昼時で結構混んでいる。
カウンターに座って注文する。
どこにでもある標準的な中華料理屋だ。
20分くらいで、食事を済ませる。
講演会の開始時刻は16時と遅い時間であるので、十分時間がある。
食後の散歩を兼ねて、駅の近くを歩く。
適当な喫茶店でもあれば、コーヒーでも飲もうという心づもりである。
駅からあまり遠くまで行っても戻るのが面倒である。
と言っても、店がありそうな区画は、駅の近くだけである。
喫茶店が数軒、ぱらぱらとある。固まってはいない。
その店も、なかなか入りづらい雰囲気である。
結局駅のまわりをぐるりと歩いて、駅舎まで戻ってきた。
改札の隣にあるコンビニは結構大きく、取り扱っている商品の数も多い。
暖かいコーヒーを買い、改札の近くにあるベンチに座ってパソコンを開いて、メールを確認しながら飲む。
ちょうど気になっていた、締切が迫っている原稿を書くことにする。
静かな駅なので、意外にはかどる。
ときどき改札の前の幅が広い通路を自転車が走っていく。
こういう場所で自転車を押すのではなく、乗ったまま走れるところが珍しい。
こういうところでPCを使うときに気になるのは、電源だ。
今使っているPCは持っても3時間程度であるので、どこかで電源に充電しながら仕事をしないといけない。
一段落付いたところで、再びホテルに移動する。
ホテルのロビーで電源を借りながら、PCを使うことにする。
ロビーは広くはないが、静かである。
こんな時間であるので、客が来る時間でもない。
と思っていると、二人組が入って来た。
どうやらこちらにしばらく滞在するようで車で来ている。
ロビーで打ち合わせを始めた。
いままで静かだった環境がとたんに最悪である。
大きな声で話をしている。
小声で話をするのもおかしい状況であるが、こちらにとっては、迷惑な話である。
折角締切が迫っている原稿を書き進めていて、順調なペースだったのに、腰を折られる。
会場までは車で15分あれば着くので、15時半に出れば十分間に合う。
ぎりぎりまでロビーにいるつもりだったが、二人組も時間があるのか、携帯で電話をしたりしながら、打ち合わせが続く。
長引きそうだ。
早めに切り上げて、タクシー乗り場に向かう。
並ぶこともなくすぐに乗ることができる。
地方に仕事に行くたびに、駅前のタクシー乗り場に行列を作っているタクシーをいつも見る。
駅に列車が着くときに、何人かの客がタクシーに乗るのだろうが、これでやっていけるのだろうかと、人ごとながら心配になる。
タクシーの運転手に聞くことにする。
「このあたりで昼飯を食べるとすると、どこがいいですかね。」
「そうですね。駅前に中華料理屋がありますね。」
。。。。そうですか。中華料理ですか。
どうやら、あの店は、地元の人が推薦する店らしい。
大学までの途中の道すがら、今夜食事をするところを教えてもらう。
「このあたりの繁華街はどのあたりですかね」
駅から5分ほど走ったあたりに大型スーパーがあり、その周囲がよいそうだ。
よし、今夜はそのあたりで食事をしようと決める。
10分くらいで大学に到着する。
(続く)
南千歳駅

東室蘭駅。新しい。デザイン的にも面白い。

室蘭工業大学(MIT)

駅前のタクシー乗り場

改札を出たところは随分広い通路になっている。
