今日の花たち(2)
- 2015/04/11
- 00:00
駅に行くまでの道に、花が植えられている。
聞くところによると、仕事を引退した方が趣味で、マンションの前の道に花壇を作って植えているという。
そういえば、ホースを引っ張ってきて、水をやったり、花の手入れをしているのを見た記憶がある。
その紳士は、それほどのお年ではなかった。
まだ会社をリタイアしてから、あまり時間が経っていないのだろう。
もちろん、ボランティアの活動であり、その仕事をパートタイムでやっているのではない。
いつもは、通勤の途中で、急ぎ足で通ることが多かった。
今日は、すこし時間があったので、立ち止まって、近くで眺めてみた。
これは菜の花。


花の名前にうとい僕は、この花の名前を教えてもらったのであるが、教えてもらう前から、多分、これは菜の花だろうと思っていた。
菜の花というと、思い浮かべるのは、司馬遼太郎の”菜の花の沖“である。
主人公は、江戸時代の終わりに、北前船で、北海道から遠く国後島、択捉島まで行った“高田屋嘉兵衛(たかだやかへい)”である。
司馬遼太郎は、多くの歴史小説を書いているが、自分が描いた主人公のなかで、もし会えるとしたら、誰に会ってみたいかという質問に対して、名前をあげたのが高田屋嘉兵衛だという。
高田屋嘉兵衛の生まれは、淡路島である。
“菜の花の沖”では、非常に貧しい家の出身で、長男と書かれている。
長年のすさまじい努力と、才能。不屈の精神で頭角を現す。
ついには、自分の船を持ち、商売で大きな財を成す。
黒船が日本に来た時代だ。
北からは、ロシアが貿易を求めて、日本に来る。
そのロシアに捕らえられるが、言葉も分からないのに、対等にロシア人と交渉をする。
いまでは、淡路島にある高田屋顕彰館には、ロシアからたびたび公的な訪問があるくらいに、ロシアでは、評価されている日本人になっている。
貧農の家に生まれ、教育というものをうけたわけでもなく、ロシアとの交渉にあたっては、一流の外交官でも難しい交渉事を成し遂げる。
いまどきの政治家にみならってもらいたいと思う程である。
司馬遼太郎が一番に会いたいというのが分かる。
高田屋嘉兵衛は、もっと取り上げてもよい歴史上の人物なのだけど、いままで、あまりテレビや映画にも出てきていない。
一度、竹中直人が演じたことがあるという。
竹中直人には、ぴったりはまりそうだ。
その菜の花以外にも、引退した紳士は、その時々の花を、植えている。
今は、季節柄、きれいに咲く花が多い時期なのだろうか。
僕が名前もよく知らない花たち。
お花の紳士は、菜の花の次はなにを植えるのだろう。






聞くところによると、仕事を引退した方が趣味で、マンションの前の道に花壇を作って植えているという。
そういえば、ホースを引っ張ってきて、水をやったり、花の手入れをしているのを見た記憶がある。
その紳士は、それほどのお年ではなかった。
まだ会社をリタイアしてから、あまり時間が経っていないのだろう。
もちろん、ボランティアの活動であり、その仕事をパートタイムでやっているのではない。
いつもは、通勤の途中で、急ぎ足で通ることが多かった。
今日は、すこし時間があったので、立ち止まって、近くで眺めてみた。
これは菜の花。


花の名前にうとい僕は、この花の名前を教えてもらったのであるが、教えてもらう前から、多分、これは菜の花だろうと思っていた。
菜の花というと、思い浮かべるのは、司馬遼太郎の”菜の花の沖“である。
主人公は、江戸時代の終わりに、北前船で、北海道から遠く国後島、択捉島まで行った“高田屋嘉兵衛(たかだやかへい)”である。
司馬遼太郎は、多くの歴史小説を書いているが、自分が描いた主人公のなかで、もし会えるとしたら、誰に会ってみたいかという質問に対して、名前をあげたのが高田屋嘉兵衛だという。
高田屋嘉兵衛の生まれは、淡路島である。
“菜の花の沖”では、非常に貧しい家の出身で、長男と書かれている。
長年のすさまじい努力と、才能。不屈の精神で頭角を現す。
ついには、自分の船を持ち、商売で大きな財を成す。
黒船が日本に来た時代だ。
北からは、ロシアが貿易を求めて、日本に来る。
そのロシアに捕らえられるが、言葉も分からないのに、対等にロシア人と交渉をする。
いまでは、淡路島にある高田屋顕彰館には、ロシアからたびたび公的な訪問があるくらいに、ロシアでは、評価されている日本人になっている。
貧農の家に生まれ、教育というものをうけたわけでもなく、ロシアとの交渉にあたっては、一流の外交官でも難しい交渉事を成し遂げる。
いまどきの政治家にみならってもらいたいと思う程である。
司馬遼太郎が一番に会いたいというのが分かる。
高田屋嘉兵衛は、もっと取り上げてもよい歴史上の人物なのだけど、いままで、あまりテレビや映画にも出てきていない。
一度、竹中直人が演じたことがあるという。
竹中直人には、ぴったりはまりそうだ。
その菜の花以外にも、引退した紳士は、その時々の花を、植えている。
今は、季節柄、きれいに咲く花が多い時期なのだろうか。
僕が名前もよく知らない花たち。
お花の紳士は、菜の花の次はなにを植えるのだろう。





