禁煙(2)
- 2015/04/17
- 00:00
僕が2回目の禁煙をしたのは、仕事を始めてから7年くらい経ってからだ。
1回目の禁煙からは10年くらい時間が過ぎている。
当時は今のように喫煙者の立場が弱いことはなく、ほとんどの場所で吸うことができた。
2回目の禁煙の理由は、実はよく覚えていない。
覚えているのは、2回目の禁煙をやめた理由、また吸い出した理由である。
ちょうどその頃、英語の合宿研修を受ける機会があった。
月曜日の朝から金曜日の夕方まで、独身寮のなかに缶詰になって、英語しか使ってはいけない研修だった。
会社の仕事として、1週間を過ごすことができたのであるから、非常に恵まれていたとも言える。
会社のお金で、仕事を休んで、研修を受けさせてくれるわけだ。
受講者は全社から集まってきたが、20名くらいいただろうか。
年齢もばらばら、所属する部門もまちまちだった。
受講者の英語のレベルは、それほど高くはない。
意欲だけはそれなりに持っている人が集まったと言える。
講師の先生は、イギリス人やアメリカ人、いわゆるネィテイブスピーカーという人たちだ。
月曜日の朝、集合すると、初めは緊張しているが、だんだんと打ち解けてくる。
先生は、リラックスしろという。
リラックスすれば、英語は話すことができるという。
それは全員得意である。
たまに、先生から、あなたはリラックスしすぎと注意される程になる。
当時、僕は禁煙を始めた頃だった。
ちょうど2週間目くらいの、これから本格的に続けるぞと意気込んでいた時である。
講師は欧米人。当然禁煙と思っていた。
それが、なんとほとんどの講師が喫煙するのだ。
僕の禁煙の目論見は、簡単に崩れ落ち、講師と同じハッカ入りのたばこ。
SomeTimeを吸うことになってしまった。
妙にすっきりするので、喉にいがらっぽくないのが、よけいにたちが悪い。
これなら体への影響もきっと少ないだろうと、勝手に決めてかかってしまう。
これが僕の2回目の禁煙をやめた理由である。
1回目は食費のほうが安いからという明確な理由があったが、2回目は、今考えても、単にネィティブスピーカーの講師に感化されただけである。
意志薄弱と言われてもしようがない。
ただ、禁煙を守れない、続けられない人は、意志薄弱ではなく、反対に意志が強いという人もいる。
確かに、どんなことをしてでも喫煙するというのは、意志が強くなければできないことであるので、そういういいかたにも一理がある。
この英語合宿研修は、僕が喫煙を再開する事になったという点では、決してよくなかったのであるが、別の意味では、いろいろ面白い体験ができた。
受講者は、同じ会社に属しているが、名前も顔も知らない人同士だ。
もし他の場所で、その人たちと初めて会ったとすると、当然日本語で挨拶をして、話し始めることになるが、日本語ならば、なかなか越えられない壁がある。
それは、遠慮だったり、年上の人に対する気配りである。
日本語を使うと、これは聞くのは失礼だろうかと考えたり、年上の人には、聞けないと質問をためらう事がある。
それが英語を使うと、なんでも簡単に聞けてしまうような気がした。
日本語だと、呼び方一つでも考えてしまう。
あなたはおかしいから、XXさんと名前を呼ぶことになるが、どこまで丁寧語を使えばいいのかとか、もっとくだけた言い方をしたほうがいいのではないか、いやいやそれはためぐちだから、年輩のかたにはまずいだろう、とか考えてしまう。
ところが英語だと、すべてYOUで話がすむ。
英語の研修というのも、聞きやすい理由かもしれない。
まるで英語の文例を話すように、なんでもずけずけと言っても許されるような環境にあるのだ。
そこで知り合った人の一人は、いまでも年賀状のやりとりをしているくらいで、随分親しくなった。
禁煙の話だが、僕が最終的に喫煙をやめるのは、この次の3回目の禁煙以降ということになる。
それには、まだ5年の時間が必要だった。

1回目の禁煙からは10年くらい時間が過ぎている。
当時は今のように喫煙者の立場が弱いことはなく、ほとんどの場所で吸うことができた。
2回目の禁煙の理由は、実はよく覚えていない。
覚えているのは、2回目の禁煙をやめた理由、また吸い出した理由である。
ちょうどその頃、英語の合宿研修を受ける機会があった。
月曜日の朝から金曜日の夕方まで、独身寮のなかに缶詰になって、英語しか使ってはいけない研修だった。
会社の仕事として、1週間を過ごすことができたのであるから、非常に恵まれていたとも言える。
会社のお金で、仕事を休んで、研修を受けさせてくれるわけだ。
受講者は全社から集まってきたが、20名くらいいただろうか。
年齢もばらばら、所属する部門もまちまちだった。
受講者の英語のレベルは、それほど高くはない。
意欲だけはそれなりに持っている人が集まったと言える。
講師の先生は、イギリス人やアメリカ人、いわゆるネィテイブスピーカーという人たちだ。
月曜日の朝、集合すると、初めは緊張しているが、だんだんと打ち解けてくる。
先生は、リラックスしろという。
リラックスすれば、英語は話すことができるという。
それは全員得意である。
たまに、先生から、あなたはリラックスしすぎと注意される程になる。
当時、僕は禁煙を始めた頃だった。
ちょうど2週間目くらいの、これから本格的に続けるぞと意気込んでいた時である。
講師は欧米人。当然禁煙と思っていた。
それが、なんとほとんどの講師が喫煙するのだ。
僕の禁煙の目論見は、簡単に崩れ落ち、講師と同じハッカ入りのたばこ。
SomeTimeを吸うことになってしまった。
妙にすっきりするので、喉にいがらっぽくないのが、よけいにたちが悪い。
これなら体への影響もきっと少ないだろうと、勝手に決めてかかってしまう。
これが僕の2回目の禁煙をやめた理由である。
1回目は食費のほうが安いからという明確な理由があったが、2回目は、今考えても、単にネィティブスピーカーの講師に感化されただけである。
意志薄弱と言われてもしようがない。
ただ、禁煙を守れない、続けられない人は、意志薄弱ではなく、反対に意志が強いという人もいる。
確かに、どんなことをしてでも喫煙するというのは、意志が強くなければできないことであるので、そういういいかたにも一理がある。
この英語合宿研修は、僕が喫煙を再開する事になったという点では、決してよくなかったのであるが、別の意味では、いろいろ面白い体験ができた。
受講者は、同じ会社に属しているが、名前も顔も知らない人同士だ。
もし他の場所で、その人たちと初めて会ったとすると、当然日本語で挨拶をして、話し始めることになるが、日本語ならば、なかなか越えられない壁がある。
それは、遠慮だったり、年上の人に対する気配りである。
日本語を使うと、これは聞くのは失礼だろうかと考えたり、年上の人には、聞けないと質問をためらう事がある。
それが英語を使うと、なんでも簡単に聞けてしまうような気がした。
日本語だと、呼び方一つでも考えてしまう。
あなたはおかしいから、XXさんと名前を呼ぶことになるが、どこまで丁寧語を使えばいいのかとか、もっとくだけた言い方をしたほうがいいのではないか、いやいやそれはためぐちだから、年輩のかたにはまずいだろう、とか考えてしまう。
ところが英語だと、すべてYOUで話がすむ。
英語の研修というのも、聞きやすい理由かもしれない。
まるで英語の文例を話すように、なんでもずけずけと言っても許されるような環境にあるのだ。
そこで知り合った人の一人は、いまでも年賀状のやりとりをしているくらいで、随分親しくなった。
禁煙の話だが、僕が最終的に喫煙をやめるのは、この次の3回目の禁煙以降ということになる。
それには、まだ5年の時間が必要だった。
