株式会社ブランク
- 2015/04/22
- 00:00
食事が終わってから、居酒屋のレジに行く。
支払を済ませて、領収書を書いてもらう。
「宛名はどうしますか」と若い、バイトの女の子が尋ねる。
僕は、ブランクでいいですよと、答える。
すると彼女は、前株ですか、後株ですかと、さらに聞いてくる。
彼女の質問は、株式会社ブランクですか、それともブランク株式会社ですかという意味だ。
確かに、そういう会社名もあるかもしれない。
僕の答えは、そこは空白でいいよ、何も書かなくていいよ、という意味なのだが、真面目な彼女は、ブランクを会社名と考えたのである。
ブランクが空白という意味であることを知らなければ、このような誤解も起こるわけだ。
彼女を責めるわけにはいかない。
若い人たちには、ちゃんと説明しなければいけないのだ。
夏の暑い日に、こんなことがあった。
昼間である。
電車に乗ろうとして、駅の改札を入り、プラットフォームを歩いて行った。
まだ電車が来るまでには、時間があるので、プラットフォームの中央にある、クーラーのある待合室に行こうと思った。
そこはせいぜい5人くらいしか座れない、狭い小部屋である。
窓ガラス越しに中が見える。
若い女の子が二人、先に入っている。
ドアをあけると、中の冷たい空気が気持ちいい。
と思ったときだ。
なんと、たばこのにおいが、鼻を襲う。
この狭い小部屋で、しかもクーラーの入っている空間で、喫煙をしているのだ。
年のころは、高校を出たばかりの大学生くらいである。
「ここは、たばこは吸ってはだめだよ」と注意する。
若い子が逆切れするかもしれないと思い、僕自身が少し身構えている。
だが、意外な言葉が返ってきた。
「あっ、そうなんですか。吸ってはいけないのですか」
そのくらい考えれば分かりそうなことであるが、言われなければ、分からないのだ。
きっと昔は、近所には、うるさいお年寄りがいて、いろいろ注意することも多かったのだろう。いまはそういう、嫌われ者だけど、教えてくれる人がいなくなっているのだ。
若い子は、言われれば、素直に言うことをきく場合も多いのだ。
誰もが注意しないから、注意されることに慣れていないので、時として逆切れしてしまう。
年を重ねた者が、ときには嫌がられても、言わないといけないのだろうね。

支払を済ませて、領収書を書いてもらう。
「宛名はどうしますか」と若い、バイトの女の子が尋ねる。
僕は、ブランクでいいですよと、答える。
すると彼女は、前株ですか、後株ですかと、さらに聞いてくる。
彼女の質問は、株式会社ブランクですか、それともブランク株式会社ですかという意味だ。
確かに、そういう会社名もあるかもしれない。
僕の答えは、そこは空白でいいよ、何も書かなくていいよ、という意味なのだが、真面目な彼女は、ブランクを会社名と考えたのである。
ブランクが空白という意味であることを知らなければ、このような誤解も起こるわけだ。
彼女を責めるわけにはいかない。
若い人たちには、ちゃんと説明しなければいけないのだ。
夏の暑い日に、こんなことがあった。
昼間である。
電車に乗ろうとして、駅の改札を入り、プラットフォームを歩いて行った。
まだ電車が来るまでには、時間があるので、プラットフォームの中央にある、クーラーのある待合室に行こうと思った。
そこはせいぜい5人くらいしか座れない、狭い小部屋である。
窓ガラス越しに中が見える。
若い女の子が二人、先に入っている。
ドアをあけると、中の冷たい空気が気持ちいい。
と思ったときだ。
なんと、たばこのにおいが、鼻を襲う。
この狭い小部屋で、しかもクーラーの入っている空間で、喫煙をしているのだ。
年のころは、高校を出たばかりの大学生くらいである。
「ここは、たばこは吸ってはだめだよ」と注意する。
若い子が逆切れするかもしれないと思い、僕自身が少し身構えている。
だが、意外な言葉が返ってきた。
「あっ、そうなんですか。吸ってはいけないのですか」
そのくらい考えれば分かりそうなことであるが、言われなければ、分からないのだ。
きっと昔は、近所には、うるさいお年寄りがいて、いろいろ注意することも多かったのだろう。いまはそういう、嫌われ者だけど、教えてくれる人がいなくなっているのだ。
若い子は、言われれば、素直に言うことをきく場合も多いのだ。
誰もが注意しないから、注意されることに慣れていないので、時として逆切れしてしまう。
年を重ねた者が、ときには嫌がられても、言わないといけないのだろうね。
