最後の禁煙
- 2015/05/10
- 00:00
僕が3回目の禁煙をしたのは、IT系の会社に転職してからのことだ。
当時は、まだオフィスの中でも、会議室でも、応接室でも、どこでも喫煙ができた。
唯一喫煙ができなかったのは、マシンルームのなかくらいだ。
マシンルームでは、大型計算機が設置され、空調も強力にきいていた。
空調機の音で普通の声で話をすることができなかったくらいだ。
今でもマシンルームというのはあるが、空調機の音は、当時のようにうるさくはない。
すこし頑張れば、会話ができる。
マシンルームでの喫煙は、映画館と同様に、火災防止条例とかで禁止されていたのかもしれない。
当時は、お客様が参加するセミナー室でも、喫煙席と禁煙席をわける簡易的な分煙をするくらいだった。
喫煙者には優しい環境だった。
マシンルームではないが、端末室というのがあり、そこでは、大型計算機に接続されたモニター装置が設置されていた。
お客様のデモ用に用意された部屋である。
端末機が何台も置いてあり、それぞれがパーティションで仕切られている。
昼間はお客様が来るが、定時以降は、社員だけということが多い。
翌日の準備のために、その端末室で作業をするのだ。
あまり体調がよくないときに、その準備作業をすることがあった。
どうしても、明日までに完了して、完成したデータを翌日は、お客様のところに持って行かないといけない。
まだ喫煙をしていた頃なので、モニター装置の横には灰皿を持ってきて、作業を始める。
キーボードを操作しながら、たばこに火をつける。
灰皿には、吸い殻が溜まっていく。
たばこを吸う間隔がだんだんと短くなっていく。
吸いたいから、たばこに火をつけるのではない。
気分を落ち着かせるために吸っているのである。
仕事が思うようにはかどらない。
イライラしてくる。
たばこに火をつける。
2,3回吸った状態に灰皿にたばこを置く。
喉が弱っているので、喉が痛くなってくる。
そういう状態で仕事を続け、ようやく2時頃に仕事が終わる。
灰皿には山盛りに吸い殻が溜まっている。
端末室で仕事をする機会が、何回か続いた。
仕事はかたづけているが、咳が止まらなくなる。
これは本当に、たばこをやめなければと思った。
初めての禁煙のときに、いつでも禁煙はできると思っていたので、そのときもたばこを止めることは簡単にできた。
止めたすぐ後は、食後にどうしても一服したくなるという気持ちになったが、そこだけを我慢すれば、乗りきることができる。
食事以外では、飲み会での喫煙を我慢することがひとつの壁である。
お酒が入ると、どうしても、たばこに手を伸ばしたくなる。
これもたばこを吸いたいというよりも、習慣から来ているところが大きい。
我慢できないことではない。
1週間、2週間、、、、と禁煙が続く。
1ヶ月も経つと、かなり慣れてくる。
こうなると、今までどうでもなかったことがひどく気になってくる。
隣でたばこを吸われることが我慢できなくなるのだ。
たばこのにおいに異常に敏感になってしまう。
たばこに対する嫌悪感が、いままで吸っていない人以上に強くなる。
こうして、僕の禁煙は、完成した。
あれから随分時間が経過した。
生涯での喫煙時間に比べ、禁煙後の時間のほうが、はるかに長くなっている。
いまでは、隣でたばこを吸われることも、ほとんどの場所が禁煙なので、間接喫煙ということも、ほとんどない。
禁煙者に優しい環境になっている。
分煙されている喫茶店とかで、打ち合わせをすることがある。
お客様を訪問した帰りに、最寄り駅で電車に乗る前ということが多い。
そのときに、グループの中のトップが喫煙者の場合が、一番困る。
僕だけが、そこに入らないというわけにはいかない。
禁煙者にたばこの煙がこないように、その場所は完全に密閉された空間である。
喫煙スペースとして隔離された場所に入ることは、禁煙者にとっては、耐えがたい苦痛である。
昔は、こういう場所に自分も平気でいたのかと思うと、あらためて信じられない思いがする。
最近は、喫煙者は冷遇されている環境であるが、そういう中でも、喫煙を続ける人は、やはり意志が強いのだろう。
どんなことがあっても、吸い続けるということは、意志が強くなければできない。
でも、寿命が10年は短くなるということを考えると、いいところはないはずだ。
昔、学生のころに、先生が話していた。
精神的にこころを和ませることだけが、喫煙の効果だと。
百歩譲って、そういう効果を認めるとしても、マイナス点が多すぎる。
でも、、これはロジカルに話をしても通じないことなのだろうね。

当時は、まだオフィスの中でも、会議室でも、応接室でも、どこでも喫煙ができた。
唯一喫煙ができなかったのは、マシンルームのなかくらいだ。
マシンルームでは、大型計算機が設置され、空調も強力にきいていた。
空調機の音で普通の声で話をすることができなかったくらいだ。
今でもマシンルームというのはあるが、空調機の音は、当時のようにうるさくはない。
すこし頑張れば、会話ができる。
マシンルームでの喫煙は、映画館と同様に、火災防止条例とかで禁止されていたのかもしれない。
当時は、お客様が参加するセミナー室でも、喫煙席と禁煙席をわける簡易的な分煙をするくらいだった。
喫煙者には優しい環境だった。
マシンルームではないが、端末室というのがあり、そこでは、大型計算機に接続されたモニター装置が設置されていた。
お客様のデモ用に用意された部屋である。
端末機が何台も置いてあり、それぞれがパーティションで仕切られている。
昼間はお客様が来るが、定時以降は、社員だけということが多い。
翌日の準備のために、その端末室で作業をするのだ。
あまり体調がよくないときに、その準備作業をすることがあった。
どうしても、明日までに完了して、完成したデータを翌日は、お客様のところに持って行かないといけない。
まだ喫煙をしていた頃なので、モニター装置の横には灰皿を持ってきて、作業を始める。
キーボードを操作しながら、たばこに火をつける。
灰皿には、吸い殻が溜まっていく。
たばこを吸う間隔がだんだんと短くなっていく。
吸いたいから、たばこに火をつけるのではない。
気分を落ち着かせるために吸っているのである。
仕事が思うようにはかどらない。
イライラしてくる。
たばこに火をつける。
2,3回吸った状態に灰皿にたばこを置く。
喉が弱っているので、喉が痛くなってくる。
そういう状態で仕事を続け、ようやく2時頃に仕事が終わる。
灰皿には山盛りに吸い殻が溜まっている。
端末室で仕事をする機会が、何回か続いた。
仕事はかたづけているが、咳が止まらなくなる。
これは本当に、たばこをやめなければと思った。
初めての禁煙のときに、いつでも禁煙はできると思っていたので、そのときもたばこを止めることは簡単にできた。
止めたすぐ後は、食後にどうしても一服したくなるという気持ちになったが、そこだけを我慢すれば、乗りきることができる。
食事以外では、飲み会での喫煙を我慢することがひとつの壁である。
お酒が入ると、どうしても、たばこに手を伸ばしたくなる。
これもたばこを吸いたいというよりも、習慣から来ているところが大きい。
我慢できないことではない。
1週間、2週間、、、、と禁煙が続く。
1ヶ月も経つと、かなり慣れてくる。
こうなると、今までどうでもなかったことがひどく気になってくる。
隣でたばこを吸われることが我慢できなくなるのだ。
たばこのにおいに異常に敏感になってしまう。
たばこに対する嫌悪感が、いままで吸っていない人以上に強くなる。
こうして、僕の禁煙は、完成した。
あれから随分時間が経過した。
生涯での喫煙時間に比べ、禁煙後の時間のほうが、はるかに長くなっている。
いまでは、隣でたばこを吸われることも、ほとんどの場所が禁煙なので、間接喫煙ということも、ほとんどない。
禁煙者に優しい環境になっている。
分煙されている喫茶店とかで、打ち合わせをすることがある。
お客様を訪問した帰りに、最寄り駅で電車に乗る前ということが多い。
そのときに、グループの中のトップが喫煙者の場合が、一番困る。
僕だけが、そこに入らないというわけにはいかない。
禁煙者にたばこの煙がこないように、その場所は完全に密閉された空間である。
喫煙スペースとして隔離された場所に入ることは、禁煙者にとっては、耐えがたい苦痛である。
昔は、こういう場所に自分も平気でいたのかと思うと、あらためて信じられない思いがする。
最近は、喫煙者は冷遇されている環境であるが、そういう中でも、喫煙を続ける人は、やはり意志が強いのだろう。
どんなことがあっても、吸い続けるということは、意志が強くなければできない。
でも、寿命が10年は短くなるということを考えると、いいところはないはずだ。
昔、学生のころに、先生が話していた。
精神的にこころを和ませることだけが、喫煙の効果だと。
百歩譲って、そういう効果を認めるとしても、マイナス点が多すぎる。
でも、、これはロジカルに話をしても通じないことなのだろうね。
