はじめまして
- 2015/05/12
- 00:00
会誌の編集を年に2回やっている。
会誌の編集をやっていると、いろいろな人に巡り会う。
心の広い方から、随分身勝手な人までいろいろだ。
もらった原稿は、目を通すが添削することは、まずやらない。
書いた人に任せている。
もちろん、印刷会社からは、必ず校正用の原稿があがってくるので、それを執筆者に送って、最終チェックは、執筆者にやっていただく。
執筆者の中には、初めて記事を書く方がいる。
そういう方は、書き出しを話口調で、“はじめまして”と言う言葉を使うことがある。
僕のよく知っている人に原稿を依頼した。
初めて原稿を書く方である。
“始めまして”という書き出しである。
おもわず、それをみて、それは違うだろう、“初めまして”だろうと、ひとりでつっこんでしまった。
その方とは親しい間柄だったので、普段はやらない添削めいたことを書こうと思った。
ここは修正したほうがいいのではと、返信メールに書き始めた。
だが、念のために、本当に“はじめまして”は、”初めまして“と書くのが正しいのか、調べようと思った。
WEBで検索すると正解が出てくるはずだ。
やはりこの手の質問は、過去にも掲示版に出ている。
いろいろな説がある。
結論は、“始めまして“でも”初めまして“でも、どちらでもよいということだ。
ただ、言語学というのか、日本の言葉として、本来は、こう使っていたのが、いつのまにか、両方が使われるようになったのではないか、というような回答を、僕は期待していた。
しかしながら、まだそういう情報には巡り会っていない。
面白かったのは、三好万季さんが、1997年に調べた、“シめショめ問題にハマる”というレポートである。
このとき三好さんは中学2年生だったとのこと。18年前である。
三好さんは、書物を調べ、次に多くの人に手紙を送ったという。
送った相手は、新聞社や国語審議会委員、作家、研究者というから、中学生にして、この意欲、行動力は素晴らしい。
そのアンケート結果によると、年代により使い方が異なる傾向があるということだ。
20代では圧倒的に“初めまして”が優勢であるのが、年代とともに、その比率は減っていき、60代を越すとその傾向が逆転するという。
”始めまして”が高年齢になると、優位になる。
面白い結果である。
大学で言語学を研究している研究者の話を期待していたが、このような話は研究対象にはならないのだろうか。
ちなみに、三好万季さんは、和歌山毒入りカレー事件について、書いたレポートで、受賞されている。
“初めまして”と“始めまして”は、僕が初めに期待したような結論にはならなかった。
自分は、これが正しいと信じていたことが、一歩下がって、調べてみると、それだけが正解ではなく、他にも正解がある場合があることを、教えてもらった。
そのことのほうが、僕には貴重だったように思う。

会誌の編集をやっていると、いろいろな人に巡り会う。
心の広い方から、随分身勝手な人までいろいろだ。
もらった原稿は、目を通すが添削することは、まずやらない。
書いた人に任せている。
もちろん、印刷会社からは、必ず校正用の原稿があがってくるので、それを執筆者に送って、最終チェックは、執筆者にやっていただく。
執筆者の中には、初めて記事を書く方がいる。
そういう方は、書き出しを話口調で、“はじめまして”と言う言葉を使うことがある。
僕のよく知っている人に原稿を依頼した。
初めて原稿を書く方である。
“始めまして”という書き出しである。
おもわず、それをみて、それは違うだろう、“初めまして”だろうと、ひとりでつっこんでしまった。
その方とは親しい間柄だったので、普段はやらない添削めいたことを書こうと思った。
ここは修正したほうがいいのではと、返信メールに書き始めた。
だが、念のために、本当に“はじめまして”は、”初めまして“と書くのが正しいのか、調べようと思った。
WEBで検索すると正解が出てくるはずだ。
やはりこの手の質問は、過去にも掲示版に出ている。
いろいろな説がある。
結論は、“始めまして“でも”初めまして“でも、どちらでもよいということだ。
ただ、言語学というのか、日本の言葉として、本来は、こう使っていたのが、いつのまにか、両方が使われるようになったのではないか、というような回答を、僕は期待していた。
しかしながら、まだそういう情報には巡り会っていない。
面白かったのは、三好万季さんが、1997年に調べた、“シめショめ問題にハマる”というレポートである。
このとき三好さんは中学2年生だったとのこと。18年前である。
三好さんは、書物を調べ、次に多くの人に手紙を送ったという。
送った相手は、新聞社や国語審議会委員、作家、研究者というから、中学生にして、この意欲、行動力は素晴らしい。
そのアンケート結果によると、年代により使い方が異なる傾向があるということだ。
20代では圧倒的に“初めまして”が優勢であるのが、年代とともに、その比率は減っていき、60代を越すとその傾向が逆転するという。
”始めまして”が高年齢になると、優位になる。
面白い結果である。
大学で言語学を研究している研究者の話を期待していたが、このような話は研究対象にはならないのだろうか。
ちなみに、三好万季さんは、和歌山毒入りカレー事件について、書いたレポートで、受賞されている。
“初めまして”と“始めまして”は、僕が初めに期待したような結論にはならなかった。
自分は、これが正しいと信じていたことが、一歩下がって、調べてみると、それだけが正解ではなく、他にも正解がある場合があることを、教えてもらった。
そのことのほうが、僕には貴重だったように思う。
