空港での出来事(1)
- 2015/05/14
- 00:00
海外出張中の事件は、いくつか経験している。
以前、このブログに書いた、キー閉じ込み事件も、忘れることができない事件のひとつだ。
そもそも海外出張に初めて行ったときから、事件はあった。
それは、製造業に勤めていたときのことだ。
めったに海外出張ということはなかったのであるが、たまたま僕に鞄持ちのような形で出張行きがまわってきた。
本来なら、僕より年上の先輩が行くはずだった。
すべてが年功序列の会社である。
課長を筆頭に、その次に係長、そしてもう一人は現地での打ち合わせのために、資料の作成や、計算をするために必要だろうということで、3人目は、主任である、僕の数年先輩がいくはずだった。ところが、そのとき先輩は、パスポートを持っていなかった。
出張が決まってから、手配しても間に合わないことがわかっていた。
そこで、パスポートを持っている、平社員の僕が3人目に指名されたのである。
僕は、当時としては、珍しく学生時代から海外へ行く機会があり、パスポートも持っていた。入社6年目だった。
若造である。
当時は、大阪空港(伊丹空港)から国際線が飛んでいた。
出発の前日までに、会社に出入りしている旅行社から航空券を始め、すべての書類を受け取っていた。
出発の日に、通路側の席を取りたかったので、僕はかなり早くから空港へ行き、搭乗手続で自分の席も確保した。
当時は、座席はカウンターで確保していた。
3人が同じ飛行機であることは分かっていたのだが、搭乗前に待ち合わせをして一緒に乗り込むという考えがなかった。
なにも聞いていなかったと言えば、そうなのだが、今にして思えば、若造の思い上がりというか、思慮不足である。
搭乗口で、二人が来るのを待ったが、いっこうに姿が見えない。
どうせ同じ飛行機だと考えて、搭乗前に、2人の上司に挨拶もせずに、もちろん顔も見ずに飛行機に乗り込んでしまった。
搭乗券もあるので、現地に到着してから会えるだろうという考えなのだ。
飛行機は予定とおり現地到着する。
そして、空港であらためて2人の上司に会うことになる。
係長からは、随分心配して、あちこちに連絡をしたということを聞いた。
僕を捜していたのだ。
僕の姿が空港にないので、僕が飛行機に乗らなかったと思っていたようだ。
お互いが出会う場所を事前に決めていなかったので、いくら時間をかけても、会えなかったのである。
謝るしかない。
君は海外に行くのに慣れているかもしれないけど、これは会社の出張なのだから、しっかりと考えて行動しないとだめだ。
いい社会人が、、、
と課長からは、叱責を受ける。
これから4日間の予定ではあるが、3人で缶詰になって行動するわけで、先が思いやられる。
このようにして、僕の初めての仕事での海外行きの日が始まったのである。
現地滞在中は、交渉の打ち合わせが毎日あり、その内容も厳しく、ホテルに戻ってからは、毎晩遅くまで仕事が続いた。
3人のグループというのはなかなか微妙な人間関係ができあがる。
同僚3人であれば、話は簡単であるが、3人の間に上下関係がきっちりとある。
仲良し3人組というわけにはいかない。
ときには、意見が食い違うことがある。
一番下の人である僕は、ただただ話を聞くだけになる。
空港での事件は、今思うと、それほど僕自身は気にしていなかったようだ。
これがあってから、10年以上経ったころだ。
IT系の会社に勤めているときに、親しくしている同僚に、この話をしている。
日本から出発する前に一緒に行く上司に声をかけなかったのは、問題ですかね、と聞いた。
すると、いつもは同じ考えであることが多い、その同僚は、はっきりと言った。
それは君が悪いね。
まぁ、それがあたり前の答えだろう。
やはり、一般常識から考えると、問題のある行動だったのである。

以前、このブログに書いた、キー閉じ込み事件も、忘れることができない事件のひとつだ。
そもそも海外出張に初めて行ったときから、事件はあった。
それは、製造業に勤めていたときのことだ。
めったに海外出張ということはなかったのであるが、たまたま僕に鞄持ちのような形で出張行きがまわってきた。
本来なら、僕より年上の先輩が行くはずだった。
すべてが年功序列の会社である。
課長を筆頭に、その次に係長、そしてもう一人は現地での打ち合わせのために、資料の作成や、計算をするために必要だろうということで、3人目は、主任である、僕の数年先輩がいくはずだった。ところが、そのとき先輩は、パスポートを持っていなかった。
出張が決まってから、手配しても間に合わないことがわかっていた。
そこで、パスポートを持っている、平社員の僕が3人目に指名されたのである。
僕は、当時としては、珍しく学生時代から海外へ行く機会があり、パスポートも持っていた。入社6年目だった。
若造である。
当時は、大阪空港(伊丹空港)から国際線が飛んでいた。
出発の前日までに、会社に出入りしている旅行社から航空券を始め、すべての書類を受け取っていた。
出発の日に、通路側の席を取りたかったので、僕はかなり早くから空港へ行き、搭乗手続で自分の席も確保した。
当時は、座席はカウンターで確保していた。
3人が同じ飛行機であることは分かっていたのだが、搭乗前に待ち合わせをして一緒に乗り込むという考えがなかった。
なにも聞いていなかったと言えば、そうなのだが、今にして思えば、若造の思い上がりというか、思慮不足である。
搭乗口で、二人が来るのを待ったが、いっこうに姿が見えない。
どうせ同じ飛行機だと考えて、搭乗前に、2人の上司に挨拶もせずに、もちろん顔も見ずに飛行機に乗り込んでしまった。
搭乗券もあるので、現地に到着してから会えるだろうという考えなのだ。
飛行機は予定とおり現地到着する。
そして、空港であらためて2人の上司に会うことになる。
係長からは、随分心配して、あちこちに連絡をしたということを聞いた。
僕を捜していたのだ。
僕の姿が空港にないので、僕が飛行機に乗らなかったと思っていたようだ。
お互いが出会う場所を事前に決めていなかったので、いくら時間をかけても、会えなかったのである。
謝るしかない。
君は海外に行くのに慣れているかもしれないけど、これは会社の出張なのだから、しっかりと考えて行動しないとだめだ。
いい社会人が、、、
と課長からは、叱責を受ける。
これから4日間の予定ではあるが、3人で缶詰になって行動するわけで、先が思いやられる。
このようにして、僕の初めての仕事での海外行きの日が始まったのである。
現地滞在中は、交渉の打ち合わせが毎日あり、その内容も厳しく、ホテルに戻ってからは、毎晩遅くまで仕事が続いた。
3人のグループというのはなかなか微妙な人間関係ができあがる。
同僚3人であれば、話は簡単であるが、3人の間に上下関係がきっちりとある。
仲良し3人組というわけにはいかない。
ときには、意見が食い違うことがある。
一番下の人である僕は、ただただ話を聞くだけになる。
空港での事件は、今思うと、それほど僕自身は気にしていなかったようだ。
これがあってから、10年以上経ったころだ。
IT系の会社に勤めているときに、親しくしている同僚に、この話をしている。
日本から出発する前に一緒に行く上司に声をかけなかったのは、問題ですかね、と聞いた。
すると、いつもは同じ考えであることが多い、その同僚は、はっきりと言った。
それは君が悪いね。
まぁ、それがあたり前の答えだろう。
やはり、一般常識から考えると、問題のある行動だったのである。
