すべらない話
- 2015/05/25
- 00:00
懇親会でのことだ。
毎度夕方から始まる会議がある。
2ヶ月に1回くらいの頻度だ。
参加者は、下は30代前半から上は60代の人まで広範囲である。
所属するところも様々である。
企業から大学の先生まで。
企業も製造業の人が多いが、IT系の会社の人もいる。
こういう集まりでは、ことがスムーズに運ぶには、いくつかの要素がある。
まず、リーダーは必要になる。
参加者が業務で参加している人もいるが、なかばボランティア的な色合いが濃い。
要するに上下関係はない。
命令指示系統もない。
そういうなかで、企画をし、担当者を決めて、実行に移す。
やっていることは、一つの企業のなかと変わらない。
それが可能になるのはなぜか。
みんなが認めるリーダーがいるのだ。
いろいろな議論があっても、あの人が言うのだったら、そうしようとみんなが言う。
そういうリーダーが必要になる。
リーダーには、意見が分かれた場合には、全体をまとめる技量が必要だ。
リーダーは、経験もあり、ある程度年齢も重ねているほうがよい。
ただ、それだけではだめである。
何がリーダーに必要か。
それは、若い人や、経験の少ない人に対しても、同じ目線で話しができるということだ。
上から目線ではいけない。
それだと若い人がついてこない。
会合の後には、必ず懇親会をする。
通常の時間より早い開始時刻である。
懇親会の席は、会合の続きでもあり、お酒の勢いもあり、いろいろな新しいアイデアが出てくる。
突拍子もないもの、常識はずれなものでも構わない。
そういう考えかたを古い考え方で、否定していては、新しいものは生まれない。
これは意外と簡単なようで、年を重ねていくと、なかなかできない場合がある。
野球の試合で、劣勢だとする。
経験のあるベテラン選手は、先を読んでしまって、今日はだめだと力がはいらなくなる。
経験のある分だけ、可能性が少ないことを、まずありえないとして否定するのだ。
これは野球だけではない。
仕事にも言えることだ。
そんなビジネスにチャレンジしても、成功する可能性は少ないということが分かっている案件がある。
経験のある人ほど、それが見えている。
経験の少ない人は、怖いもの知らずということもあって、チャレンジをする。
そのような行動を否定するようではいけないのだが、注意しないと、自分でもそういう行動を取るときがある。
懇親会が始まる。
前半は、会合の話の続きのような会話が多い。
お酒が入り、段々盛り上がってくる。
今日の参加者は、比較的堅い人が多い。
もともとそういう真面目な人たちの集団なのだが、もっと場を盛り上げたいと、僕は思った。
参加者の中で一番若い後輩に言った。
「T君!すべらない話をしろ」
もともと僕自身が、おもろい話が好きなので、普段から自分でもそういうネタを集めていて、友人と飲みに言っても、必ずチェックしている。
「すべらない話ですか」
といつもは元気のいいT君は、やや口ごもりながら言う。
T君は、やる気と元気で、知的な部分を補って行動する営業である。
お客さんからも評価され始めている。
「そうや、すべらない話や。なんでもいいから。なんかあるやろう」
ようやくT君が、話し始める。
学生時代の友達と一緒に遊んでいる時の話だ。
友達の一人は、なかなかのイケメンで、他の友達も一目置くような存在だったらしい。
彼をみんながいじるような流れになった。
「おまえ、彼女はおるんか」
「いや、おらん」
「なにやっとんねん。XXはおまえのこと、ええって言っとったで。なにしとんねん。行ったらええんや」
もじもじする、イケメンの彼。
友達は追求の手を緩めない。
ついにイケメン君は、白状する。
「実は俺、自信がないねん」と。
それは男性にとっては、特に若い男性には気になると、非常に大変な問題である。
それを聞いた途端に、友達連中は、けしかけて、イケメン君をトイレに連れて行ったのだ。
その後の話は、まだまだ進むのだが、懇親会に参加されているシニアの人たちは、あきれ気味である。
続きをここで書くのは、どうかと思うので、続きは書かない。
T君に話をさせた僕としては、責任を感じざるを得ない。
T君の話はかなり進んでいたが、途中で遮った。
「もうええ。T!そんなのはすべらない話とちゃう。ただの下ネタやないか」
と言って、すべらない話しはこうやるんだという手本をするはめになった。
いままで、このブログに書いたお笑い系の話をしたのである。
若い人のパワーはすごい時があるが、猪突猛進だけでは駄目な場合もあるのだ。

毎度夕方から始まる会議がある。
2ヶ月に1回くらいの頻度だ。
参加者は、下は30代前半から上は60代の人まで広範囲である。
所属するところも様々である。
企業から大学の先生まで。
企業も製造業の人が多いが、IT系の会社の人もいる。
こういう集まりでは、ことがスムーズに運ぶには、いくつかの要素がある。
まず、リーダーは必要になる。
参加者が業務で参加している人もいるが、なかばボランティア的な色合いが濃い。
要するに上下関係はない。
命令指示系統もない。
そういうなかで、企画をし、担当者を決めて、実行に移す。
やっていることは、一つの企業のなかと変わらない。
それが可能になるのはなぜか。
みんなが認めるリーダーがいるのだ。
いろいろな議論があっても、あの人が言うのだったら、そうしようとみんなが言う。
そういうリーダーが必要になる。
リーダーには、意見が分かれた場合には、全体をまとめる技量が必要だ。
リーダーは、経験もあり、ある程度年齢も重ねているほうがよい。
ただ、それだけではだめである。
何がリーダーに必要か。
それは、若い人や、経験の少ない人に対しても、同じ目線で話しができるということだ。
上から目線ではいけない。
それだと若い人がついてこない。
会合の後には、必ず懇親会をする。
通常の時間より早い開始時刻である。
懇親会の席は、会合の続きでもあり、お酒の勢いもあり、いろいろな新しいアイデアが出てくる。
突拍子もないもの、常識はずれなものでも構わない。
そういう考えかたを古い考え方で、否定していては、新しいものは生まれない。
これは意外と簡単なようで、年を重ねていくと、なかなかできない場合がある。
野球の試合で、劣勢だとする。
経験のあるベテラン選手は、先を読んでしまって、今日はだめだと力がはいらなくなる。
経験のある分だけ、可能性が少ないことを、まずありえないとして否定するのだ。
これは野球だけではない。
仕事にも言えることだ。
そんなビジネスにチャレンジしても、成功する可能性は少ないということが分かっている案件がある。
経験のある人ほど、それが見えている。
経験の少ない人は、怖いもの知らずということもあって、チャレンジをする。
そのような行動を否定するようではいけないのだが、注意しないと、自分でもそういう行動を取るときがある。
懇親会が始まる。
前半は、会合の話の続きのような会話が多い。
お酒が入り、段々盛り上がってくる。
今日の参加者は、比較的堅い人が多い。
もともとそういう真面目な人たちの集団なのだが、もっと場を盛り上げたいと、僕は思った。
参加者の中で一番若い後輩に言った。
「T君!すべらない話をしろ」
もともと僕自身が、おもろい話が好きなので、普段から自分でもそういうネタを集めていて、友人と飲みに言っても、必ずチェックしている。
「すべらない話ですか」
といつもは元気のいいT君は、やや口ごもりながら言う。
T君は、やる気と元気で、知的な部分を補って行動する営業である。
お客さんからも評価され始めている。
「そうや、すべらない話や。なんでもいいから。なんかあるやろう」
ようやくT君が、話し始める。
学生時代の友達と一緒に遊んでいる時の話だ。
友達の一人は、なかなかのイケメンで、他の友達も一目置くような存在だったらしい。
彼をみんながいじるような流れになった。
「おまえ、彼女はおるんか」
「いや、おらん」
「なにやっとんねん。XXはおまえのこと、ええって言っとったで。なにしとんねん。行ったらええんや」
もじもじする、イケメンの彼。
友達は追求の手を緩めない。
ついにイケメン君は、白状する。
「実は俺、自信がないねん」と。
それは男性にとっては、特に若い男性には気になると、非常に大変な問題である。
それを聞いた途端に、友達連中は、けしかけて、イケメン君をトイレに連れて行ったのだ。
その後の話は、まだまだ進むのだが、懇親会に参加されているシニアの人たちは、あきれ気味である。
続きをここで書くのは、どうかと思うので、続きは書かない。
T君に話をさせた僕としては、責任を感じざるを得ない。
T君の話はかなり進んでいたが、途中で遮った。
「もうええ。T!そんなのはすべらない話とちゃう。ただの下ネタやないか」
と言って、すべらない話しはこうやるんだという手本をするはめになった。
いままで、このブログに書いたお笑い系の話をしたのである。
若い人のパワーはすごい時があるが、猪突猛進だけでは駄目な場合もあるのだ。
