胃カメラを飲む(2)
- 2015/06/15
- 00:00
翌年も会社指定の医療センターで胃カメラ検診を受けようと思った。
カメラを飲むときの、あの違和感は決して気持ちのよいものではないが、あのくらいは,健康維持のために我慢せねばと思っていた。
ところが、あのこぎれいな医療センターは、人気があり、予約をなかなか入れることができない。
やむを得ず、会社の近くで、希望できる日程で受診できるところを捜してみた。
すると、会社からは徒歩10分足らずのところの診療所でも受診できることが分かった。
地図を見ると、いつもの通勤路とは違う方向であるが、確かに、近いところにある。
ただ僕の希望した日にちでみると、時間は朝一番の8時からの検査でないと予約をいれられない。
多少朝が早くても、検診を早く終えたかったので、その診療所に予約を入れた。
そのビルは、1階に診療所があり、上の階は、通常のオフィスである。
5階建ての小さなビルである。
ビルは比較的新しい。
8時15分くらい前にビルの入口に行くと、まだ開いていない。
しばらく待っていると、ようやく診療所の扉が開く。
受付に行って、検査の予約であることを伝える。
この時間帯では、通常の診察時間ではないので、僕の検査だけを、これからすることになるようだ。
奥の部屋に案内される。
案内するのは、結構年輩のご婦人である。
とうやらこの方が、看護師さんでもあるらしい。
ベッドの傍に行く。
着替えるのかと思っていると、年輩のおばちゃん看護師さんは、上着は脱いで、ベッドに横になってという。
スーツの上着だけを脱いで、ハンガーにかける。
ネクタイをはずすが、それだけである。
着替えることも、ズボンを脱ぐこともない。
そのまま、ベッドに横になる。
体に毛布のようなものをかけてくれる。
おばちゃんがてきぱきと仕事を進める。
検査装置一式は、ベッドの横にすでに設置済みだ。
ようやく、検査担当の先生が現れる。
おばちゃん看護師さんに負けることのない年だ。
相当年季が入っている風貌。
白衣を羽織っているのが、様になっている。
鼻から入れるタイプはありますか,と聞いてみる。
きっとそのほうが楽なはずだ。
ここは、口からだけです、とあっさりと拒絶される。
今回も昨年なみの、おえおえが続くのだろうと覚悟を決める。
年輩の先生は、始めますよ、と言って、麻酔薬を飲み込んだ僕に言う。
緊張する間もなく、管が僕の口のなかに入っていく。
おばちゃんが,いつの間にか、僕の横に寄り添って、体をさすってくれる。
管が妙にスムーズに入っていく。
去年とは随分違う。
のど元を管が通り過ぎるときに、多少違和感があり、おえっとするが、それも一瞬だ。
横にあるカメラの画像も、今回は見ることができる。
不思議な感じだ。
簡単に検査は終わった。
途中で老先生は、適度に説明を入れてくれる。
分かりやすい。
終わってからも、脱いだ上着を着て,ネクタイを手に持って部屋を出るだけである。
その後も、何度も胃カメラを飲んだが、このときが一番楽だったかもしれない。
同じ装置を使っても、使い手によって、これほどまでに差があるとは、一体どうなっているのだろう。
こういう外科的な検査については、きっと医師の腕の差がそのまま出てしまうのだろう。
部屋の環境が、新しいとか古いとかは、検査に伴う苦痛とは関係ないのである。
ただ、医師以外では、看護師さんが、苦しいときにさすってくれるというのは、僕の場合は、非常に有効だった。
それも、医師の腕が上手であれば、あまり関係ないかもしれない。
これからも毎年、胃カメラを飲むことになるだろうが、検査を受ける病院は選択できても、個人病院でなければ、検査をする医師までは、指名することはできない。
いい先生に巡り会う事を祈るばかりである。

カメラを飲むときの、あの違和感は決して気持ちのよいものではないが、あのくらいは,健康維持のために我慢せねばと思っていた。
ところが、あのこぎれいな医療センターは、人気があり、予約をなかなか入れることができない。
やむを得ず、会社の近くで、希望できる日程で受診できるところを捜してみた。
すると、会社からは徒歩10分足らずのところの診療所でも受診できることが分かった。
地図を見ると、いつもの通勤路とは違う方向であるが、確かに、近いところにある。
ただ僕の希望した日にちでみると、時間は朝一番の8時からの検査でないと予約をいれられない。
多少朝が早くても、検診を早く終えたかったので、その診療所に予約を入れた。
そのビルは、1階に診療所があり、上の階は、通常のオフィスである。
5階建ての小さなビルである。
ビルは比較的新しい。
8時15分くらい前にビルの入口に行くと、まだ開いていない。
しばらく待っていると、ようやく診療所の扉が開く。
受付に行って、検査の予約であることを伝える。
この時間帯では、通常の診察時間ではないので、僕の検査だけを、これからすることになるようだ。
奥の部屋に案内される。
案内するのは、結構年輩のご婦人である。
とうやらこの方が、看護師さんでもあるらしい。
ベッドの傍に行く。
着替えるのかと思っていると、年輩のおばちゃん看護師さんは、上着は脱いで、ベッドに横になってという。
スーツの上着だけを脱いで、ハンガーにかける。
ネクタイをはずすが、それだけである。
着替えることも、ズボンを脱ぐこともない。
そのまま、ベッドに横になる。
体に毛布のようなものをかけてくれる。
おばちゃんがてきぱきと仕事を進める。
検査装置一式は、ベッドの横にすでに設置済みだ。
ようやく、検査担当の先生が現れる。
おばちゃん看護師さんに負けることのない年だ。
相当年季が入っている風貌。
白衣を羽織っているのが、様になっている。
鼻から入れるタイプはありますか,と聞いてみる。
きっとそのほうが楽なはずだ。
ここは、口からだけです、とあっさりと拒絶される。
今回も昨年なみの、おえおえが続くのだろうと覚悟を決める。
年輩の先生は、始めますよ、と言って、麻酔薬を飲み込んだ僕に言う。
緊張する間もなく、管が僕の口のなかに入っていく。
おばちゃんが,いつの間にか、僕の横に寄り添って、体をさすってくれる。
管が妙にスムーズに入っていく。
去年とは随分違う。
のど元を管が通り過ぎるときに、多少違和感があり、おえっとするが、それも一瞬だ。
横にあるカメラの画像も、今回は見ることができる。
不思議な感じだ。
簡単に検査は終わった。
途中で老先生は、適度に説明を入れてくれる。
分かりやすい。
終わってからも、脱いだ上着を着て,ネクタイを手に持って部屋を出るだけである。
その後も、何度も胃カメラを飲んだが、このときが一番楽だったかもしれない。
同じ装置を使っても、使い手によって、これほどまでに差があるとは、一体どうなっているのだろう。
こういう外科的な検査については、きっと医師の腕の差がそのまま出てしまうのだろう。
部屋の環境が、新しいとか古いとかは、検査に伴う苦痛とは関係ないのである。
ただ、医師以外では、看護師さんが、苦しいときにさすってくれるというのは、僕の場合は、非常に有効だった。
それも、医師の腕が上手であれば、あまり関係ないかもしれない。
これからも毎年、胃カメラを飲むことになるだろうが、検査を受ける病院は選択できても、個人病院でなければ、検査をする医師までは、指名することはできない。
いい先生に巡り会う事を祈るばかりである。
