身銭を切る
- 2015/06/26
- 00:00
人の話を聞くと、それなりにいいことを言っていることが多い。
ちょうど転職した後、僕の仕事の環境は大いに変わり、終日机に向かっての設計業務から、オフィスの外に行く機会もドンドン増えていった。
そのなかで、いろんな人の話を聞く機会が増えた。
そういうときに、どうせ意味のない話しを聞かされていると思うのか、どうせ聞くならば、なにか一言でも、いい言葉を聞いて帰ろうとするのかでは、その違いは大きい。
聞いていても気の持ちようが随分と変わってくる。
いくつか今でも、覚えていることがある。
そういう時に聞いた一言は、手帳に書いておく。
あるとき聞いた話は、お客様の大先輩と呼べる人の話しだった。
その方が言うには、自分に投資しろ、身銭を切れ、というような意味だった。
初めは、抽象的な意味で、お金を使うということかと思って聞いていた。
だが、その方が言うのは、本当に自分の財布からお金を出して、自分で払えということだった。
確かに、会社の金とか、他人に頼って、お金を出してもらうということではなく、自分の財布から出して使えば、真剣さが変わってくるだろう。
そして、そういう投資は、後で戻ってくるというのだ。
それが本当だったかどうかは、その話を聞いてから随分時間が経ったが、まだ答えははっきりとは分からない。
以前書いた、”こころは少年、財布は大人“ということにも相通じるようなところもある。
このような話しを聞いてから、10年以上経ったときのことだ。
ある大きなビジネスのチャンスがやってきた。
そのビジネスが思った通りに動けば、数年先までのビジネス目標を達成することが可能になるような規模だった。
そのためには、キーマンのお客様と、関連のパートナーさんを完全に味方につけないといけない。
そういう場合には、営業の基本としては、いわゆるロジカルセリングということで、理詰めでやっていくことを、先ず考え、実行に移すのだ。
ただ、それでは限界があるので、接待的な事を考える必要がでてくる。
ちょうどその時期にアメリカにお客様が行きたいイベントがあり、そのイベントに行き、その後に、アメリカの研究所にお連れすれば、相当な効果が見込めそうだった。
10年前に聞いた話を思い出した。
ここは身銭を切ってでも、お客様をアメリカに連れて行こうと思ったわけだ。
うまくいけば、それはこれからのビジネスで返ってくると考えたわけだ。
その話を、直接仕事では関係のない別の部門の先輩に話しをした。
僕より数年上のかたであったが、その方は、初めからそのIT会社に勤務していたので、社歴は、僕よりも相当長かった。
すると、その方は、そんなことを自費でやるのは、公私混同だと、僕の考えを一刀両断に切り捨てた。
確かに、そう言われてみれば、その通りだ。
仕事のための投資であるので、先々僕自身に返ってくるとしても、ここは正面から行くべきであると、思い直した。
部門の予算を握っている担当のかたに、上司と一緒に掛け合うことになった。
そのための資料を作り、まさにロジカルに提案したわけである。
その結果、予算は簡単についたのである。
やる気があれば、通るものだ。
そして、お客様とパート-ナーさんの合計3人のかたをお連れした、アメリカ出張に行くことになったのである。

ちょうど転職した後、僕の仕事の環境は大いに変わり、終日机に向かっての設計業務から、オフィスの外に行く機会もドンドン増えていった。
そのなかで、いろんな人の話を聞く機会が増えた。
そういうときに、どうせ意味のない話しを聞かされていると思うのか、どうせ聞くならば、なにか一言でも、いい言葉を聞いて帰ろうとするのかでは、その違いは大きい。
聞いていても気の持ちようが随分と変わってくる。
いくつか今でも、覚えていることがある。
そういう時に聞いた一言は、手帳に書いておく。
あるとき聞いた話は、お客様の大先輩と呼べる人の話しだった。
その方が言うには、自分に投資しろ、身銭を切れ、というような意味だった。
初めは、抽象的な意味で、お金を使うということかと思って聞いていた。
だが、その方が言うのは、本当に自分の財布からお金を出して、自分で払えということだった。
確かに、会社の金とか、他人に頼って、お金を出してもらうということではなく、自分の財布から出して使えば、真剣さが変わってくるだろう。
そして、そういう投資は、後で戻ってくるというのだ。
それが本当だったかどうかは、その話を聞いてから随分時間が経ったが、まだ答えははっきりとは分からない。
以前書いた、”こころは少年、財布は大人“ということにも相通じるようなところもある。
このような話しを聞いてから、10年以上経ったときのことだ。
ある大きなビジネスのチャンスがやってきた。
そのビジネスが思った通りに動けば、数年先までのビジネス目標を達成することが可能になるような規模だった。
そのためには、キーマンのお客様と、関連のパートナーさんを完全に味方につけないといけない。
そういう場合には、営業の基本としては、いわゆるロジカルセリングということで、理詰めでやっていくことを、先ず考え、実行に移すのだ。
ただ、それでは限界があるので、接待的な事を考える必要がでてくる。
ちょうどその時期にアメリカにお客様が行きたいイベントがあり、そのイベントに行き、その後に、アメリカの研究所にお連れすれば、相当な効果が見込めそうだった。
10年前に聞いた話を思い出した。
ここは身銭を切ってでも、お客様をアメリカに連れて行こうと思ったわけだ。
うまくいけば、それはこれからのビジネスで返ってくると考えたわけだ。
その話を、直接仕事では関係のない別の部門の先輩に話しをした。
僕より数年上のかたであったが、その方は、初めからそのIT会社に勤務していたので、社歴は、僕よりも相当長かった。
すると、その方は、そんなことを自費でやるのは、公私混同だと、僕の考えを一刀両断に切り捨てた。
確かに、そう言われてみれば、その通りだ。
仕事のための投資であるので、先々僕自身に返ってくるとしても、ここは正面から行くべきであると、思い直した。
部門の予算を握っている担当のかたに、上司と一緒に掛け合うことになった。
そのための資料を作り、まさにロジカルに提案したわけである。
その結果、予算は簡単についたのである。
やる気があれば、通るものだ。
そして、お客様とパート-ナーさんの合計3人のかたをお連れした、アメリカ出張に行くことになったのである。
