Rさんのこと(2)
- 2015/06/29
- 00:00
Rさんの手帳をたまたま見る機会があった。
それは、夜一緒に食事をしていたときだ。
食事が終わり、Rさんが手帳を取り出して見ている。
僕の視野に入る位置に手帳があった。
随分細かい字が並んでいる。
「几帳面な細かい字を書かれるのですね」と僕は、東京の人であるRさんに標準語のような話し方で聞いた。
いつもこのような字を書いていますと言われる。
仕事の帰りとか、電車のなかで細かい字でいろいろ書かれるそうだ。
「詩を書くような雰囲気の手帳ですね」と、何となくそう感じたので、言った。
すると、Rさんは詩も書くと言う。
えっ、そうなんだ、と僕は急にRさんがもっと近い存在に思えてきた。
昔、学生の頃、教室から外の景色を見ながら、ノートを取らずに、詩を書いていた事を思い出した。
初夏のころ、天気がいい日だった。
教室の開け放たれた窓から、気持ちの良い風が入ってきていた。
「楽器とかもされるのですか」とさらに聞いてみる。
ええ、キーボードを弾きますと言われる。
僕は、下手なりに学生時代には、ギターを弾いていたこともあって、僕は、Rさんのことをもっと聞きたくなってきた。
いろいろ話していくと、なんとRさんは、ヤマハのポップコンに出たこともあるという。
これは僕より断然上である。
あの"待つわ”を歌ったあみんがグランプリを穫った年に出たという。
いいところまで行ったらしい。
人にはいろいろな面があるものだと、改めて思った。
一見体育会系の頑丈な体型からは、想像できないRさんの裏の姿だ。
その後、Rさんとは、僕がやっていたソフトウェアを僕の勤めていた会社がやらなくなったこともあり、疎遠になってしまった。
Rさんは、同じ業界で会社をいくつか転職されているが、あの熱い思いは変わっていないようだ。
最近、Rさんが書いた本を手にする機会があった。
その本は、Rさんが長年携わって来た分野の本である。
技術書になるが、難解な内容を平易に書いてあり、その分野では、好評で重版を重ねている。
その本を読んでいると、実習室で講義をしていたRさんの声が聞こえて来そうである。
ひとつのことに思いをかたむけ、継続して取り組んでいる仲間を見るのは、気持ちがいいものだ。

それは、夜一緒に食事をしていたときだ。
食事が終わり、Rさんが手帳を取り出して見ている。
僕の視野に入る位置に手帳があった。
随分細かい字が並んでいる。
「几帳面な細かい字を書かれるのですね」と僕は、東京の人であるRさんに標準語のような話し方で聞いた。
いつもこのような字を書いていますと言われる。
仕事の帰りとか、電車のなかで細かい字でいろいろ書かれるそうだ。
「詩を書くような雰囲気の手帳ですね」と、何となくそう感じたので、言った。
すると、Rさんは詩も書くと言う。
えっ、そうなんだ、と僕は急にRさんがもっと近い存在に思えてきた。
昔、学生の頃、教室から外の景色を見ながら、ノートを取らずに、詩を書いていた事を思い出した。
初夏のころ、天気がいい日だった。
教室の開け放たれた窓から、気持ちの良い風が入ってきていた。
「楽器とかもされるのですか」とさらに聞いてみる。
ええ、キーボードを弾きますと言われる。
僕は、下手なりに学生時代には、ギターを弾いていたこともあって、僕は、Rさんのことをもっと聞きたくなってきた。
いろいろ話していくと、なんとRさんは、ヤマハのポップコンに出たこともあるという。
これは僕より断然上である。
あの"待つわ”を歌ったあみんがグランプリを穫った年に出たという。
いいところまで行ったらしい。
人にはいろいろな面があるものだと、改めて思った。
一見体育会系の頑丈な体型からは、想像できないRさんの裏の姿だ。
その後、Rさんとは、僕がやっていたソフトウェアを僕の勤めていた会社がやらなくなったこともあり、疎遠になってしまった。
Rさんは、同じ業界で会社をいくつか転職されているが、あの熱い思いは変わっていないようだ。
最近、Rさんが書いた本を手にする機会があった。
その本は、Rさんが長年携わって来た分野の本である。
技術書になるが、難解な内容を平易に書いてあり、その分野では、好評で重版を重ねている。
その本を読んでいると、実習室で講義をしていたRさんの声が聞こえて来そうである。
ひとつのことに思いをかたむけ、継続して取り組んでいる仲間を見るのは、気持ちがいいものだ。
