ラジオ君のこと
- 2015/07/05
- 09:05
久しぶりの同期会。
N会である。
中学時代からの同級生仲間なので、久しぶりに会っても、すぐに昔の感覚に戻ることができる。
久しぶりと言っても、3ヶ月振りなので、たいしたことではない。
今日はメンバー8人のうち7人が参加した。
欠席の一人は、たまたま腸の具合が悪くて、入院していた。
深刻な症状ではなかったので、欠席した友達の話題になっても、暗くはない。
話題のなかで、いじめの話しになった。
昔から辛口のことを言う奴がメンバーにいた。
見方をかえると、今ではいじめになったようなことかもしれないが、そのいじめは、それほどひどく突き進むことがなかったので、今では、いい思い出話しになっている。
メンバーの一人は、名前をふじおと言った。
彼は中学のときに、ノートにカタカナで自分の名前を書いていた。
フジオと書いたのである。
もちろん、戸籍上の名前は漢字だったが、簡単にさらさらとカタカナで書いたのだ。
そのノートに、ひとりの学友がいたずらをした。
フの上に、一本棒を引いたのである。
フジオがラジオになった。
それ以来、彼のあだ名はラジオになった。
彼は、スポーツもできて、勉強もよくできた。
特に化学の試験は抜群の成績だった。
中学から化学の授業があったが、本来は中学3年か、高校に入ってから習うことを授業でやっていた。
結構中学生には、理解しにくい分野だったと思う。
ラジオ君は、中学から化学部に入り、実験も早くからやっていたので、成績もよかったのだろう。
N会でラジオ君から、あだ名のエピソードには、まだまだ追加の話しがあることを聞いた。
初めて聞く話だ。
今では、笑い話しだ。
暗く考えるといじめのひとつかもしれないが、そのようなことをされても、それを浮けとめる力が、ラジオ君にあったのだろう。
フジオの名前の上に一本の棒を書かれて、ラジオになったのを見て、ラジオ君は、ラの上の棒の下の隙間を鉛筆で埋めたのである。
これで多少字のバランスは悪いが、彼の名前はフジオに戻った。
これに気づいた、いたずら小僧は、負けてはいない。
またラジオ君の隙を見て、太くなったフの上に、また一本の棒を書いたのである。
字のバランスは、さらに悪くなったが、これでフジオ君は、ラジオ君に戻ってしまった。
どこまでこれを繰り返したのかは分からないが、極端にバランスの悪くなったラジオ君のノートに、さすがに担任の先生も気づいたのである。
先生は、誰ですか、こんなことをしたのは、とラジオ君の回りのいたずらをしそうな連中をにらみつけた。
まだまだ当時の中学生である。
先生に見つかったら、いたずらはそこで終わりになった。
N会でのラジオ君は、楽しそうに、笑いながら昔話しをしてくれた。
きっと、いい時代だったのだね。

N会である。
中学時代からの同級生仲間なので、久しぶりに会っても、すぐに昔の感覚に戻ることができる。
久しぶりと言っても、3ヶ月振りなので、たいしたことではない。
今日はメンバー8人のうち7人が参加した。
欠席の一人は、たまたま腸の具合が悪くて、入院していた。
深刻な症状ではなかったので、欠席した友達の話題になっても、暗くはない。
話題のなかで、いじめの話しになった。
昔から辛口のことを言う奴がメンバーにいた。
見方をかえると、今ではいじめになったようなことかもしれないが、そのいじめは、それほどひどく突き進むことがなかったので、今では、いい思い出話しになっている。
メンバーの一人は、名前をふじおと言った。
彼は中学のときに、ノートにカタカナで自分の名前を書いていた。
フジオと書いたのである。
もちろん、戸籍上の名前は漢字だったが、簡単にさらさらとカタカナで書いたのだ。
そのノートに、ひとりの学友がいたずらをした。
フの上に、一本棒を引いたのである。
フジオがラジオになった。
それ以来、彼のあだ名はラジオになった。
彼は、スポーツもできて、勉強もよくできた。
特に化学の試験は抜群の成績だった。
中学から化学の授業があったが、本来は中学3年か、高校に入ってから習うことを授業でやっていた。
結構中学生には、理解しにくい分野だったと思う。
ラジオ君は、中学から化学部に入り、実験も早くからやっていたので、成績もよかったのだろう。
N会でラジオ君から、あだ名のエピソードには、まだまだ追加の話しがあることを聞いた。
初めて聞く話だ。
今では、笑い話しだ。
暗く考えるといじめのひとつかもしれないが、そのようなことをされても、それを浮けとめる力が、ラジオ君にあったのだろう。
フジオの名前の上に一本の棒を書かれて、ラジオになったのを見て、ラジオ君は、ラの上の棒の下の隙間を鉛筆で埋めたのである。
これで多少字のバランスは悪いが、彼の名前はフジオに戻った。
これに気づいた、いたずら小僧は、負けてはいない。
またラジオ君の隙を見て、太くなったフの上に、また一本の棒を書いたのである。
字のバランスは、さらに悪くなったが、これでフジオ君は、ラジオ君に戻ってしまった。
どこまでこれを繰り返したのかは分からないが、極端にバランスの悪くなったラジオ君のノートに、さすがに担任の先生も気づいたのである。
先生は、誰ですか、こんなことをしたのは、とラジオ君の回りのいたずらをしそうな連中をにらみつけた。
まだまだ当時の中学生である。
先生に見つかったら、いたずらはそこで終わりになった。
N会でのラジオ君は、楽しそうに、笑いながら昔話しをしてくれた。
きっと、いい時代だったのだね。
