蝉のこと
- 2015/08/08
- 00:00
酷暑だ。
朝、マンションを出るとき、蝉の声が集団でシャーと耳の中に入ってくる。
これはクマゼミの声だ。
その数は、とても多い。
数十匹のクマゼミが鳴いている。
シャーシャーと、羽根と同じような透き通るような、太い声だ。
小学生の頃、できるだけ竿を長くして、その先に網をつけて、蝉採りにでかけた。
7月の初め頃は、ニイニイゼミがほとんどだった。
ニイニイゼミは、体も小さく、見栄えがよくない。
採れてもうれしくない蝉だ。
7月の後半になると、アブラゼミが多くなる。
夏休みが始まると、すっかりアブラゼミの天下だ。
1日10匹採ると8匹くらいがアブラゼミになる。
いつも蝉は高い木の枝に止まっていた。
竿をいっぱいに伸ばしても届かないことが多かった。
たまにクマゼミが採れた。
クマゼミはアブラゼミよりも、体は少し大きい。
羽根がきれいに透き通っている。
お腹には、褐色の部位がある。
クマゼミは、アブラゼミより、きれいだ。
めったに採ることはできなかった。
ニイニイゼミは、簡単に採れたせいか、とても鈍感だったような気がする。
網をかぶせても、木から飛び立たないこともあった。
網をかぶせて、それに驚いて蝉が木から飛び立ってくれないと、蝉が網の中に入らない。
あまりに鈍感すぎるのも困るのだ。
アブラゼミは、ニイニイゼミよりは敏感だった。
人の気配を察して逃げていく。
クマゼミは、もっと敏感な蝉だ。
採るのは、難しい。
止まっている場所も、随分高いところだった。
そして、ツクツクボウシが出現するのは、夏も終わったころだった。
ほとんど遭遇することはなかった。
鳴き方がユニークで、名前のとおり、つくつくぼうしと鳴いていたので、鳴けばすぐに分かった。
採った記憶はほとんどない。
ツクツクボウシも、体は小さいが、羽根が透き通ってきれいな蝉だ。
あれから随分時間が経った。
今は、鳴き声を聞く限り、ほとんどがクマゼミである。
昔に比べ、止まっている場所も低いようだ。
これは、僕の背が、小学生のときより伸びたせいだけでもない。
蝉のことを研究している人のレポートがあった。
読んでみると、大阪では、温暖化でクマゼミが増えたことの説明はつくのだという。
だが、他の蝉の数が減ったことの理由は、まだ分かっていない。
蝉同士がお互いに戦っているわけではないので、周りの環境の変化が、それぞれの蝉の一生に与える影響が違ったのだろう。
その環境の変化が、クマゼミには、プラスに働き、アブラゼミやニイニイゼミには、マイナスに働いたのだろう。
少なくとも関西ではという地域限定での話だ。
他の地区ではどうなっているのだろうか。

朝、マンションを出るとき、蝉の声が集団でシャーと耳の中に入ってくる。
これはクマゼミの声だ。
その数は、とても多い。
数十匹のクマゼミが鳴いている。
シャーシャーと、羽根と同じような透き通るような、太い声だ。
小学生の頃、できるだけ竿を長くして、その先に網をつけて、蝉採りにでかけた。
7月の初め頃は、ニイニイゼミがほとんどだった。
ニイニイゼミは、体も小さく、見栄えがよくない。
採れてもうれしくない蝉だ。
7月の後半になると、アブラゼミが多くなる。
夏休みが始まると、すっかりアブラゼミの天下だ。
1日10匹採ると8匹くらいがアブラゼミになる。
いつも蝉は高い木の枝に止まっていた。
竿をいっぱいに伸ばしても届かないことが多かった。
たまにクマゼミが採れた。
クマゼミはアブラゼミよりも、体は少し大きい。
羽根がきれいに透き通っている。
お腹には、褐色の部位がある。
クマゼミは、アブラゼミより、きれいだ。
めったに採ることはできなかった。
ニイニイゼミは、簡単に採れたせいか、とても鈍感だったような気がする。
網をかぶせても、木から飛び立たないこともあった。
網をかぶせて、それに驚いて蝉が木から飛び立ってくれないと、蝉が網の中に入らない。
あまりに鈍感すぎるのも困るのだ。
アブラゼミは、ニイニイゼミよりは敏感だった。
人の気配を察して逃げていく。
クマゼミは、もっと敏感な蝉だ。
採るのは、難しい。
止まっている場所も、随分高いところだった。
そして、ツクツクボウシが出現するのは、夏も終わったころだった。
ほとんど遭遇することはなかった。
鳴き方がユニークで、名前のとおり、つくつくぼうしと鳴いていたので、鳴けばすぐに分かった。
採った記憶はほとんどない。
ツクツクボウシも、体は小さいが、羽根が透き通ってきれいな蝉だ。
あれから随分時間が経った。
今は、鳴き声を聞く限り、ほとんどがクマゼミである。
昔に比べ、止まっている場所も低いようだ。
これは、僕の背が、小学生のときより伸びたせいだけでもない。
蝉のことを研究している人のレポートがあった。
読んでみると、大阪では、温暖化でクマゼミが増えたことの説明はつくのだという。
だが、他の蝉の数が減ったことの理由は、まだ分かっていない。
蝉同士がお互いに戦っているわけではないので、周りの環境の変化が、それぞれの蝉の一生に与える影響が違ったのだろう。
その環境の変化が、クマゼミには、プラスに働き、アブラゼミやニイニイゼミには、マイナスに働いたのだろう。
少なくとも関西ではという地域限定での話だ。
他の地区ではどうなっているのだろうか。
