いろいろなところに音楽がある
- 2015/08/20
- 00:00
映画のシーンで、ああ、これはあの歌から取ってきたのではないかと思うことがある。
それはメロディではなく、歌詞である。
寅さんの映画でもそれがある。
シリーズの最後7作は、満男が主人公になっている。
第43作の「寅次郎の休日」でのラストシーン。
満男とさくらが、旅に出る寅さんを葛飾柴又の駅に送っていく。
電車に一人で乗り込む寅さん。
ドアが閉まるまでの短い時に言う台詞。
「満男、困ったことがあったらな。
風に向かって俺の名前を呼べ。
おじさん、どこからでも飛んできてやるからな」
ドアは閉まり、電車が走り出す。
閉まったドアの向こうで、身振りをつけて、なにかを話す寅さん。
でもなにを言っているかは聞こえない。
このシーンの台詞を聞くたびに思い出すのが,キャロル・キングの「You’ve got a friend」だ。
When you’re down and troubled
And you need some love and care
And nothing , nothing is going right
Close your eyes and think of me
And soon I will be there
To brighten up even your darkest night
You just call out my name
And you know wherever I am
I’ll come running to see you again
Winter, spring , summer or fall
All you have to do is call
And I’ll be there
You’ve got a friend
君がつらくて、困っているとき、
そして、誰かにやさしく気に留めてもらいたいとき、
なにもうまくいかないとき、
目を閉じて、僕のことを考えればいいのだよ。
僕はすぐに君のところに来るからね。
君がどんなにつらいときでも、君のこころを明るくできるから。
君は、僕の名前を大きな声で呼ぶだけでいいのだよ。
僕がどこにいてもね。
すぐに走って君にまた会いにくるからね。
冬でも、春でも、夏でも、秋でも、いつでもだよ。
君は僕の名前を思い切り、呼べばいいのだよ。
僕は君のところに来るから。
そうさ、君には友達がいるのだよ。
寅さんと甥っ子の満との関係は、友達というのはあわないけれど、キャロル・キングの歌詞と、山田洋次監督の思いは、どこかで通じるところがある。
キャロル・キングのこの歌は、1971年に発表されていて、寅さんは、映画になったのは1969年だ。
寅さんの映画では、寅さんが出会ったマドンナたちに困ったことがあったら、東京は葛飾柴又の”とらや”へ行けという。
はじめから山田洋次監督がキャロル・キングを意識していたのではないだろう。
だって、寅さんのほうが、出てきたのが早いからね。
でも、寅さんの映画のなかの寅さんも、いつのまにか若い頃の喧嘩早い感情むき出しの寅さんが、だんだんに変わっていく。
いつしか、”You’ve gotta a friend” と同じ気持ちになっていく。
岩手の川に風が吹いている。

それはメロディではなく、歌詞である。
寅さんの映画でもそれがある。
シリーズの最後7作は、満男が主人公になっている。
第43作の「寅次郎の休日」でのラストシーン。
満男とさくらが、旅に出る寅さんを葛飾柴又の駅に送っていく。
電車に一人で乗り込む寅さん。
ドアが閉まるまでの短い時に言う台詞。
「満男、困ったことがあったらな。
風に向かって俺の名前を呼べ。
おじさん、どこからでも飛んできてやるからな」
ドアは閉まり、電車が走り出す。
閉まったドアの向こうで、身振りをつけて、なにかを話す寅さん。
でもなにを言っているかは聞こえない。
このシーンの台詞を聞くたびに思い出すのが,キャロル・キングの「You’ve got a friend」だ。
When you’re down and troubled
And you need some love and care
And nothing , nothing is going right
Close your eyes and think of me
And soon I will be there
To brighten up even your darkest night
You just call out my name
And you know wherever I am
I’ll come running to see you again
Winter, spring , summer or fall
All you have to do is call
And I’ll be there
You’ve got a friend
君がつらくて、困っているとき、
そして、誰かにやさしく気に留めてもらいたいとき、
なにもうまくいかないとき、
目を閉じて、僕のことを考えればいいのだよ。
僕はすぐに君のところに来るからね。
君がどんなにつらいときでも、君のこころを明るくできるから。
君は、僕の名前を大きな声で呼ぶだけでいいのだよ。
僕がどこにいてもね。
すぐに走って君にまた会いにくるからね。
冬でも、春でも、夏でも、秋でも、いつでもだよ。
君は僕の名前を思い切り、呼べばいいのだよ。
僕は君のところに来るから。
そうさ、君には友達がいるのだよ。
寅さんと甥っ子の満との関係は、友達というのはあわないけれど、キャロル・キングの歌詞と、山田洋次監督の思いは、どこかで通じるところがある。
キャロル・キングのこの歌は、1971年に発表されていて、寅さんは、映画になったのは1969年だ。
寅さんの映画では、寅さんが出会ったマドンナたちに困ったことがあったら、東京は葛飾柴又の”とらや”へ行けという。
はじめから山田洋次監督がキャロル・キングを意識していたのではないだろう。
だって、寅さんのほうが、出てきたのが早いからね。
でも、寅さんの映画のなかの寅さんも、いつのまにか若い頃の喧嘩早い感情むき出しの寅さんが、だんだんに変わっていく。
いつしか、”You’ve gotta a friend” と同じ気持ちになっていく。
岩手の川に風が吹いている。
