松尾芭蕉のこと(1)
- 2015/09/06
- 00:00
滋賀県の石山駅を降りると、駅の改札は地上ではなく、2階レベルだ。
以前は、駅舎の端に階段があって、そこを降りていくと、バス停につながっていた。
今は、2階レベルが道の上まで広がり、広場になり、広場の周りに、京阪電車の改札にそのまま行くことができる。
喫茶店もあり、いくつかの店が広場に面している。
地上に降りるには、広場が道路を越えたあたりにエレベータがある。
エレベータを降りると歩道の角になる。
便利になっているわけだ。
広場には、よく見ると、像が建っている。
喫茶店に入ったときに、ようやくそこに像が建っている事に気がついた。
遠目には、浦島太郎に見えた。
なぜ、そう見えたのかは、分からない。
竜宮城から戻ってきた浦島太郎かと。
でも、石山は、海沿いの街ではない。
おかしい。
喫茶店をでて、像の近くに行った。
像の横のエレベータにつながる通路は、何度も通っていたが、この像を間近に見るのは、初めてだ。
そこに書いてあったのは、松尾芭蕉の名前だった。
浦島太郎ではなく、松尾芭蕉の像だったのだ。
松尾芭蕉と言えば、日本では一番名前の知られている俳人だ。
日本だけではなく、海外でも名前は知られているという。
でも、なぜ松尾芭蕉が、滋賀県の石山なのだろう。
そのときは、そのような疑問を持ちながら、通り過ぎていった。
それから数週間、松尾芭蕉のことは、頭の中から消えていた。
ところが、また石山に行くことになった。
松尾芭蕉が、僕の記憶のひだの一番手前に戻ってきた。



以前は、駅舎の端に階段があって、そこを降りていくと、バス停につながっていた。
今は、2階レベルが道の上まで広がり、広場になり、広場の周りに、京阪電車の改札にそのまま行くことができる。
喫茶店もあり、いくつかの店が広場に面している。
地上に降りるには、広場が道路を越えたあたりにエレベータがある。
エレベータを降りると歩道の角になる。
便利になっているわけだ。
広場には、よく見ると、像が建っている。
喫茶店に入ったときに、ようやくそこに像が建っている事に気がついた。
遠目には、浦島太郎に見えた。
なぜ、そう見えたのかは、分からない。
竜宮城から戻ってきた浦島太郎かと。
でも、石山は、海沿いの街ではない。
おかしい。
喫茶店をでて、像の近くに行った。
像の横のエレベータにつながる通路は、何度も通っていたが、この像を間近に見るのは、初めてだ。
そこに書いてあったのは、松尾芭蕉の名前だった。
浦島太郎ではなく、松尾芭蕉の像だったのだ。
松尾芭蕉と言えば、日本では一番名前の知られている俳人だ。
日本だけではなく、海外でも名前は知られているという。
でも、なぜ松尾芭蕉が、滋賀県の石山なのだろう。
そのときは、そのような疑問を持ちながら、通り過ぎていった。
それから数週間、松尾芭蕉のことは、頭の中から消えていた。
ところが、また石山に行くことになった。
松尾芭蕉が、僕の記憶のひだの一番手前に戻ってきた。


