道が動かないからね
- 2015/10/04
- 00:00
どうも言葉尻をとらえるようなことがある。
細かい話になるが、日本語としてすぅーと入っていかず、それは違うやろ、と言ってしまうことがある。
会社の同期の友人と車で移動中のことだ。
A君は、入社が同期で、年は僕のほうが1歳上だったと思う。
入社したときから気があった。
そのときも、二人で出張先から車で関西に向かっていた。
定時に車を出発させたが、もうすっかり日も沈んでいた。
仕事のことやら、野球の話やら、話題がつきることはない。
A君は、当時は非常に弱かった横浜DeNAベイスターズのファンだった。
まだ横浜大洋ホエールズという名前だった。
シーズンも終わりに近づいていた。
我が阪神タイガースは、暗黒時代に入る前で、その年はAクラスにいた。
「大洋の最下位だけは決まったね。いの一番に」と僕がA君をからかう。
野球はファン同士の張り合う気持が、野球をやっている選手同士よりもずっと大きいのだ。
敵の選手が憎たらしいこともあるが、場合によっては、敵のチームのファンのほうがもっと気にくわないことのほうが多い。
もちろん、この場合は、A君が憎たらしくて言っているのではない。
A君は、僕の言葉を聞き流す。
今年は黙って聞いておいてやる、という一種の居直りみたいなものだ。
話題を変えようとする。
BTWだ。
「まだこのあたりはすいすいと流れているね。ここから先の国道に入ると、道が全然動かないからね」
僕の耳に入った言葉が、どこかひっかかる。
道が動かない?
こういうときは、すぐに指摘しないといけない。
タイミングが大事だ。
「そりや、道は動かないだろう。道が勝手に動いたら大変やで。道が勝手に動いたら、動く歩道になってしまう」と厳しく問いただす。
A君は、苦笑いしながら、返す言葉もなく、誤りを認める。
A君も技術者だ。
「それはそうだね。道は動かない。道が混んでいて、車が動かないと、言わんとあかんかったね」
A君は、そう言いながら、笑い飛ばす。
そんなことはどうでもいいやないかという感じだ。
そこをまっすぐに受け止めるようなタイプであれば、僕もつっこんだりはしない。
きっと、この話も次には、お笑いネタとして、自分から他の親しい連中に話すに違いない。
これは、こだま・ひびきのこだまのつっこみに似ている。
もちろんそのときは、まだこだま・ひびきはブレイクしていないので、僕のほうが早いのである。
この話は、いまから30年以上も前の話だ。
それを思い出したのには、理由がある。
僕の中学・高校同期の集まり、N会の件で、次回の幹事役のI君からメールが来た。
そのなかに“Y君は、孫さんの出産予定のため参加未定ですが、「自分が産むわけじゃないから・・・」とおっしゃっており”という一文があった。
初めは、なにも考えずに読んでいた。
Y君の娘さんが、出産予定である。
Y君の孫が生まれるのである。
そういう意味だが、“孫さんの出産予定”と書くと、それは孫が出産するということではないだろうか。
するとY君の孫ではなく、曾孫(ひまご)が生まれるということになり、意味が変わってくる。
もちろんY君は、曾孫が生まれる年ではない。
意味が分かればいいというものだが、やはりこういう細かいところが段々と気になるものだ。
年を重ねたせいかもしれないが、もともとそういうことが気になるタイプだったのか、自分でもそこのところは分からない
いずれにしても、次のN会ではI君におかしいと言っておこう。

細かい話になるが、日本語としてすぅーと入っていかず、それは違うやろ、と言ってしまうことがある。
会社の同期の友人と車で移動中のことだ。
A君は、入社が同期で、年は僕のほうが1歳上だったと思う。
入社したときから気があった。
そのときも、二人で出張先から車で関西に向かっていた。
定時に車を出発させたが、もうすっかり日も沈んでいた。
仕事のことやら、野球の話やら、話題がつきることはない。
A君は、当時は非常に弱かった横浜DeNAベイスターズのファンだった。
まだ横浜大洋ホエールズという名前だった。
シーズンも終わりに近づいていた。
我が阪神タイガースは、暗黒時代に入る前で、その年はAクラスにいた。
「大洋の最下位だけは決まったね。いの一番に」と僕がA君をからかう。
野球はファン同士の張り合う気持が、野球をやっている選手同士よりもずっと大きいのだ。
敵の選手が憎たらしいこともあるが、場合によっては、敵のチームのファンのほうがもっと気にくわないことのほうが多い。
もちろん、この場合は、A君が憎たらしくて言っているのではない。
A君は、僕の言葉を聞き流す。
今年は黙って聞いておいてやる、という一種の居直りみたいなものだ。
話題を変えようとする。
BTWだ。
「まだこのあたりはすいすいと流れているね。ここから先の国道に入ると、道が全然動かないからね」
僕の耳に入った言葉が、どこかひっかかる。
道が動かない?
こういうときは、すぐに指摘しないといけない。
タイミングが大事だ。
「そりや、道は動かないだろう。道が勝手に動いたら大変やで。道が勝手に動いたら、動く歩道になってしまう」と厳しく問いただす。
A君は、苦笑いしながら、返す言葉もなく、誤りを認める。
A君も技術者だ。
「それはそうだね。道は動かない。道が混んでいて、車が動かないと、言わんとあかんかったね」
A君は、そう言いながら、笑い飛ばす。
そんなことはどうでもいいやないかという感じだ。
そこをまっすぐに受け止めるようなタイプであれば、僕もつっこんだりはしない。
きっと、この話も次には、お笑いネタとして、自分から他の親しい連中に話すに違いない。
これは、こだま・ひびきのこだまのつっこみに似ている。
もちろんそのときは、まだこだま・ひびきはブレイクしていないので、僕のほうが早いのである。
この話は、いまから30年以上も前の話だ。
それを思い出したのには、理由がある。
僕の中学・高校同期の集まり、N会の件で、次回の幹事役のI君からメールが来た。
そのなかに“Y君は、孫さんの出産予定のため参加未定ですが、「自分が産むわけじゃないから・・・」とおっしゃっており”という一文があった。
初めは、なにも考えずに読んでいた。
Y君の娘さんが、出産予定である。
Y君の孫が生まれるのである。
そういう意味だが、“孫さんの出産予定”と書くと、それは孫が出産するということではないだろうか。
するとY君の孫ではなく、曾孫(ひまご)が生まれるということになり、意味が変わってくる。
もちろんY君は、曾孫が生まれる年ではない。
意味が分かればいいというものだが、やはりこういう細かいところが段々と気になるものだ。
年を重ねたせいかもしれないが、もともとそういうことが気になるタイプだったのか、自分でもそこのところは分からない
いずれにしても、次のN会ではI君におかしいと言っておこう。
