骨を折る(3)
- 2015/10/13
- 00:00
足をがちがちに固めたギブス生活が始まる。
痛みは全くない。
足の動きが緩慢になっているだけだ。
いままで毎日量っていた体重計測ができなくなる。
体重計に乗ることができても、正確な体重が分からないので、量らなかった。
後で考えると、同じように量るべきだった。
ギブスの分、体重が増えるだろうが、それでも、日々の増減の傾向は分かるわけだ。
そこまで気が回らなかったので、僕の体重計のエクセルには、空白が生まれた。
移動と体重計測がそれまでの生活との大きな差異だった。
もちろん一番大きいのは、移動のときの違いだ。
以前なら多少ぎりぎりの移動時間を設定しても、対応できたのが、ギブスをつけている状態では、それは無理である。
時間に余裕を持って、スケジュールを決めるようになる。
電車での移動もあるが、どうしても車での移動の日が多くなる。
車での移動が多くなると、歩くことが少なくなり、体には良くなかったのだろう。
体重を量っていれば、きっと体重が増加していたことを認識できたはずだ。
この年の暮れには、血糖値が異常に高くなり、入院することになるのだが、今思うと、このときの骨折も、血糖値上昇の遠因だったのかもしれない。
ギブスをつけられたときに心配していた入浴は、避けることはできない。
まさか風呂無しで1ヶ月も過ごすことなんて出来るわけがない。
入浴時には、ギブスの箇所を大きなビニール袋で包み、袋の上の部分をテープで留めて、完全防水の状態を作った。
こうすれば、患部にお湯が入ることはない。
骨折した箇所をギブスで固めているだけなので、この部分にお湯が入っても、症状が悪くなるわけではない。
単に、ギブスが濡れるのがまずいというだけだ。
このギブスは、2週間後に通院して,患部を診てもらうまではずすことはないので、交換はできない。
できるだけ濡れないようにするのがよいとうわけだ。
2週間が過ぎた。
外科の担当の先生の診察を受ける。
順調だそうだ。
ギブスを変えましょうと言われる。
今つけているギブスは、膝までの長靴くらいある大きなものである。
それを足首の上くらいまでのショートブーツくらいに変えるのである。
ギブスの交換は、外すと言うよりも、カッターで外側を切るのである。
カッターと言っても大型の電動カッターだ。
僕は、ベッドにうつぶせに寝ている。
先生が足元にまわって、電動カッターでギブスを切断する。
久しぶりに自分の足を見る。
日に当たってないせいか、こころなしか色白になったような気がする。
小さなギブスをつけてもらう。
手慣れた作業で簡単に終わる。
次は2週間後に来なさいと言われる。
やはり、当初の予想とおり、ギブスは1ヶ月ということになる。
先生の見立てはあたっている。
(つづく)

痛みは全くない。
足の動きが緩慢になっているだけだ。
いままで毎日量っていた体重計測ができなくなる。
体重計に乗ることができても、正確な体重が分からないので、量らなかった。
後で考えると、同じように量るべきだった。
ギブスの分、体重が増えるだろうが、それでも、日々の増減の傾向は分かるわけだ。
そこまで気が回らなかったので、僕の体重計のエクセルには、空白が生まれた。
移動と体重計測がそれまでの生活との大きな差異だった。
もちろん一番大きいのは、移動のときの違いだ。
以前なら多少ぎりぎりの移動時間を設定しても、対応できたのが、ギブスをつけている状態では、それは無理である。
時間に余裕を持って、スケジュールを決めるようになる。
電車での移動もあるが、どうしても車での移動の日が多くなる。
車での移動が多くなると、歩くことが少なくなり、体には良くなかったのだろう。
体重を量っていれば、きっと体重が増加していたことを認識できたはずだ。
この年の暮れには、血糖値が異常に高くなり、入院することになるのだが、今思うと、このときの骨折も、血糖値上昇の遠因だったのかもしれない。
ギブスをつけられたときに心配していた入浴は、避けることはできない。
まさか風呂無しで1ヶ月も過ごすことなんて出来るわけがない。
入浴時には、ギブスの箇所を大きなビニール袋で包み、袋の上の部分をテープで留めて、完全防水の状態を作った。
こうすれば、患部にお湯が入ることはない。
骨折した箇所をギブスで固めているだけなので、この部分にお湯が入っても、症状が悪くなるわけではない。
単に、ギブスが濡れるのがまずいというだけだ。
このギブスは、2週間後に通院して,患部を診てもらうまではずすことはないので、交換はできない。
できるだけ濡れないようにするのがよいとうわけだ。
2週間が過ぎた。
外科の担当の先生の診察を受ける。
順調だそうだ。
ギブスを変えましょうと言われる。
今つけているギブスは、膝までの長靴くらいある大きなものである。
それを足首の上くらいまでのショートブーツくらいに変えるのである。
ギブスの交換は、外すと言うよりも、カッターで外側を切るのである。
カッターと言っても大型の電動カッターだ。
僕は、ベッドにうつぶせに寝ている。
先生が足元にまわって、電動カッターでギブスを切断する。
久しぶりに自分の足を見る。
日に当たってないせいか、こころなしか色白になったような気がする。
小さなギブスをつけてもらう。
手慣れた作業で簡単に終わる。
次は2週間後に来なさいと言われる。
やはり、当初の予想とおり、ギブスは1ヶ月ということになる。
先生の見立てはあたっている。
(つづく)
