阪急電車 15分の奇跡(2)
- 2015/11/18
- 00:00
この映画を見ていると、僕の知っている景色がたくさん出てくる。
それは通学のときに電車の中から見ていた景色だったり、最近今津線に乗ったときに見た、比較的新しい街の姿だ。
通学の時に見ていた景色は、40年以上前のものである。
それくらい前から変わっていない景色というと、線路の下を流れている川や、線路の周りの土手というものになる。
ただ、映画の中にでてくる中年女性のグループ、あれはどう見ても、阪急電車今津線に乗っていない人たちだ。
僕が見て驚いたのは、“空飛ぶカバン”による席取りだ。
これは大阪の電車の中の情景だと思っていた。
映画の筋を面白くするための登場人物だと思うが、阪急電車今津線を利用している人達には、“あんな奴はおらんで“とは言わないだろうが、そのようなことをする人は、この線には乗っていませんと全員が言うに違いない。
さてK君である。
ついにK君を見つけた。
場所は小林の駅だ。
これは“おばやし”と読む。
普通に読めば“こばやし”だが、阪急電鉄の設立者が小林一三さんで、車掌が駅名を呼ぶときに“次はこばやし、こばやし”と社長の名前を呼び捨てにするのはまずいということで、呼び方を、“おばやし”に変えたという話を聞いた。
真偽の程は分からない。
映画の中では、中谷美紀さんが、自分を振った元カレの結婚式に白いドレスを着て出席し、その後、傷心のこころを、電車のなかで宮本信子さんの話で癒やされて、降りる駅が小林だ。
阪急電車今津線には、宝塚から西宮北口まで8つの駅があるが、この映画のなかでは一番の主役の駅となっている。
小林の駅前は僕が知っている小林駅よりは随分おしゃれになっていた。
僕が毎日乗っていた時代の小林駅は、今津線のなかでも一番寂しい駅だった。
僕の同級生K君は、西宮北口行きのプラットフォームで電車を待っている客の一人としてカメラの中に写っていた。
カバンを肩からかけて、水色のセーターを着ている。
主役の中谷美紀さんの後ろにいた。
その後、中谷美紀さんは反対側のプラットフォームに行き、級友から仲間はずれにされ、いじめをうけている女子中学生とベンチに座って話をする。
ベンチの後ろには、反対側のプラットフォームにつながる階段がある。
二人が話をしていると、どうしたことだろう。
先ほど、西宮北口行きのプラットフォームにいたK君が階段を下りてくるではないか。
電車を間違えたのか。
反対方向である宝塚行きのプラットフォームに来たのだ。
階段を下りきったK君は、ふたりが話をしているベンチから離れたところに立って、悠然と電車を待っている。
なぜ西宮北口行きのプラットフォームから宝塚行きのプラットフォームに移動したのか。
理由は分からない。
当初予定していたエキストラの数が足りなかったのか。
あるいはK君の演技力が気に入られて、もう一役お願いされたのか。
でも、まさかこんな細かいところまで気がつく、映画の観客がいたとは、監督も驚いているだろうね。
いやいや、エキストラのことまで、監督は気にしていないのかもしれない。
まぁ、無事K君が見つかってよかった。
映画の最後は、それぞれの人達が前を見て歩いて行くという、いわゆるハッピィエンドとなるのだが、例のこんな中年女性のグループは乗っていないという人達は、宮本信子さん演じるおばあさんを怒らせてしまい、電車のなかでこんこんと説教を受け、終点の宝塚に着くや、逃げるように電車を降りていく。
見ている観客にとっても溜飲を下げるシーンであり、そのためにあれほどひどい中年女性グループを登場させたのだろう。
でも逆瀬川を出てから宝塚南口を過ぎて、終点の宝塚までの間、他の乗客の前で説教を受け続けるというのも、すごいね。
受けるほうも大変だけど、説教をそれだけの時間やるというのも、大変な体力だ。
でもその2駅は時刻表を見ると、わずか4分だった。
たしかに全線でも15分の奇跡の今津線だ。
時刻表では、14分だけどね。

それは通学のときに電車の中から見ていた景色だったり、最近今津線に乗ったときに見た、比較的新しい街の姿だ。
通学の時に見ていた景色は、40年以上前のものである。
それくらい前から変わっていない景色というと、線路の下を流れている川や、線路の周りの土手というものになる。
ただ、映画の中にでてくる中年女性のグループ、あれはどう見ても、阪急電車今津線に乗っていない人たちだ。
僕が見て驚いたのは、“空飛ぶカバン”による席取りだ。
これは大阪の電車の中の情景だと思っていた。
映画の筋を面白くするための登場人物だと思うが、阪急電車今津線を利用している人達には、“あんな奴はおらんで“とは言わないだろうが、そのようなことをする人は、この線には乗っていませんと全員が言うに違いない。
さてK君である。
ついにK君を見つけた。
場所は小林の駅だ。
これは“おばやし”と読む。
普通に読めば“こばやし”だが、阪急電鉄の設立者が小林一三さんで、車掌が駅名を呼ぶときに“次はこばやし、こばやし”と社長の名前を呼び捨てにするのはまずいということで、呼び方を、“おばやし”に変えたという話を聞いた。
真偽の程は分からない。
映画の中では、中谷美紀さんが、自分を振った元カレの結婚式に白いドレスを着て出席し、その後、傷心のこころを、電車のなかで宮本信子さんの話で癒やされて、降りる駅が小林だ。
阪急電車今津線には、宝塚から西宮北口まで8つの駅があるが、この映画のなかでは一番の主役の駅となっている。
小林の駅前は僕が知っている小林駅よりは随分おしゃれになっていた。
僕が毎日乗っていた時代の小林駅は、今津線のなかでも一番寂しい駅だった。
僕の同級生K君は、西宮北口行きのプラットフォームで電車を待っている客の一人としてカメラの中に写っていた。
カバンを肩からかけて、水色のセーターを着ている。
主役の中谷美紀さんの後ろにいた。
その後、中谷美紀さんは反対側のプラットフォームに行き、級友から仲間はずれにされ、いじめをうけている女子中学生とベンチに座って話をする。
ベンチの後ろには、反対側のプラットフォームにつながる階段がある。
二人が話をしていると、どうしたことだろう。
先ほど、西宮北口行きのプラットフォームにいたK君が階段を下りてくるではないか。
電車を間違えたのか。
反対方向である宝塚行きのプラットフォームに来たのだ。
階段を下りきったK君は、ふたりが話をしているベンチから離れたところに立って、悠然と電車を待っている。
なぜ西宮北口行きのプラットフォームから宝塚行きのプラットフォームに移動したのか。
理由は分からない。
当初予定していたエキストラの数が足りなかったのか。
あるいはK君の演技力が気に入られて、もう一役お願いされたのか。
でも、まさかこんな細かいところまで気がつく、映画の観客がいたとは、監督も驚いているだろうね。
いやいや、エキストラのことまで、監督は気にしていないのかもしれない。
まぁ、無事K君が見つかってよかった。
映画の最後は、それぞれの人達が前を見て歩いて行くという、いわゆるハッピィエンドとなるのだが、例のこんな中年女性のグループは乗っていないという人達は、宮本信子さん演じるおばあさんを怒らせてしまい、電車のなかでこんこんと説教を受け、終点の宝塚に着くや、逃げるように電車を降りていく。
見ている観客にとっても溜飲を下げるシーンであり、そのためにあれほどひどい中年女性グループを登場させたのだろう。
でも逆瀬川を出てから宝塚南口を過ぎて、終点の宝塚までの間、他の乗客の前で説教を受け続けるというのも、すごいね。
受けるほうも大変だけど、説教をそれだけの時間やるというのも、大変な体力だ。
でもその2駅は時刻表を見ると、わずか4分だった。
たしかに全線でも15分の奇跡の今津線だ。
時刻表では、14分だけどね。
