The Longest Day (一番長い日) (1)
- 2015/11/19
- 00:00
僕には2つのLongest Day がある。
ひとつは、これが映画の原題でもあった“史上最大の作戦”だ。
第2次世界大戦における連合国軍のノルマンディー上陸作戦を描いたノンフィクション映画。ちょうど僕が中学に入った頃に封切られた映画だ。
当時の中学生というと真面目なもので、学生だけで映画を見に行くことはほとんどなくて、僕は父親と休みの日に梅田の映画館に見に行った。
父親と一緒であれば映画代も自分で払わなくていいということもあって、喜んで一緒に行った記憶がある。
当時の中学生や高校生にとって、映画というのは非常に魅力的な娯楽だった。趣味は映画鑑賞と書いている人が多い時代だ。他にたいした娯楽もないのである。
映画の筋は、連合国軍がドイツ軍に占領されているフランスに上陸し、フランスをドイツ軍から取り戻すために、イギリスからフランスのどこに上陸するかというところから話が進んでいく。
昔の映画の記憶は、ほとんど残っていないが、改めて筋を読んでみると、今見ても、面白そうだ。
ただ、ほとんど記憶がないなかで、覚えているのは、主題歌だ。
ポール・アンカが作曲したことは、後になって聞いたのだが、軽快で勇ましいメロディは一度聴くと、耳に残る。
あの頃の映画には、必ず映画主題歌があり、ヒット曲となってラジオから流れていた。
ちょうど”エデンの東“を見たのも、その頃だ。
一緒に見に行った父は、戦争を体験していた。
ドイツ軍が負けているシーンは、見ていて気持がいいものではない、と言っていたことが、僕の記憶のなかに消えずに残っている。
戦争中は、ドイツ軍は、日本軍の友軍であったわけで、やはり味方が負けるというのは、つらいところがあるのだろう。
戦争を知らずに気楽に戦争シーンを見ている、僕を含めて戦後派といえる者には、理解しにくい感情だが、単に敵と味方ということで考えれば、もっともなことだ。
父と映画を見に行った記憶は、それほど多くはない。
もう一つ印象に残っているのは、やはり“史上最大の作戦”の頃に封切られた“大脱走”だ。こちらも同じく戦争映画である。
ただ戦争映画と言っても、連合国軍の兵士たちが、ドイツ軍の捕虜収容所から集団脱走をする話だ。これも実話である。
当時の戦争映画は、反戦的な思想があるわけではなく、単に娯楽映画として作られていた。”大脱走“でも映画音楽は、主役のスティーブ・マックィーンがバイクで疾走するシーンにぴったりとはまるような軽快なメロディだった。
Longest Dayだが、実際にこの言葉を言ったのは、ドイツ軍の将軍、ロンメルだという。
アフリカ戦線で“砂漠の狐”とイギリス軍から恐れられたロンメル将軍だ。
ロンメルは、連合国軍が上陸を開始してから最初の24時間が非常に重要で、双方にとって一番長い日となるだろと言っている。
僕のなかの一番長い日は、中学生のときの映画だったが、2番目の“一番長い日”は、それから30年も後のことだ。
(つづく)
ひとつは、これが映画の原題でもあった“史上最大の作戦”だ。
第2次世界大戦における連合国軍のノルマンディー上陸作戦を描いたノンフィクション映画。ちょうど僕が中学に入った頃に封切られた映画だ。
当時の中学生というと真面目なもので、学生だけで映画を見に行くことはほとんどなくて、僕は父親と休みの日に梅田の映画館に見に行った。
父親と一緒であれば映画代も自分で払わなくていいということもあって、喜んで一緒に行った記憶がある。
当時の中学生や高校生にとって、映画というのは非常に魅力的な娯楽だった。趣味は映画鑑賞と書いている人が多い時代だ。他にたいした娯楽もないのである。
映画の筋は、連合国軍がドイツ軍に占領されているフランスに上陸し、フランスをドイツ軍から取り戻すために、イギリスからフランスのどこに上陸するかというところから話が進んでいく。
昔の映画の記憶は、ほとんど残っていないが、改めて筋を読んでみると、今見ても、面白そうだ。
ただ、ほとんど記憶がないなかで、覚えているのは、主題歌だ。
ポール・アンカが作曲したことは、後になって聞いたのだが、軽快で勇ましいメロディは一度聴くと、耳に残る。
あの頃の映画には、必ず映画主題歌があり、ヒット曲となってラジオから流れていた。
ちょうど”エデンの東“を見たのも、その頃だ。
一緒に見に行った父は、戦争を体験していた。
ドイツ軍が負けているシーンは、見ていて気持がいいものではない、と言っていたことが、僕の記憶のなかに消えずに残っている。
戦争中は、ドイツ軍は、日本軍の友軍であったわけで、やはり味方が負けるというのは、つらいところがあるのだろう。
戦争を知らずに気楽に戦争シーンを見ている、僕を含めて戦後派といえる者には、理解しにくい感情だが、単に敵と味方ということで考えれば、もっともなことだ。
父と映画を見に行った記憶は、それほど多くはない。
もう一つ印象に残っているのは、やはり“史上最大の作戦”の頃に封切られた“大脱走”だ。こちらも同じく戦争映画である。
ただ戦争映画と言っても、連合国軍の兵士たちが、ドイツ軍の捕虜収容所から集団脱走をする話だ。これも実話である。
当時の戦争映画は、反戦的な思想があるわけではなく、単に娯楽映画として作られていた。”大脱走“でも映画音楽は、主役のスティーブ・マックィーンがバイクで疾走するシーンにぴったりとはまるような軽快なメロディだった。
Longest Dayだが、実際にこの言葉を言ったのは、ドイツ軍の将軍、ロンメルだという。
アフリカ戦線で“砂漠の狐”とイギリス軍から恐れられたロンメル将軍だ。
ロンメルは、連合国軍が上陸を開始してから最初の24時間が非常に重要で、双方にとって一番長い日となるだろと言っている。
僕のなかの一番長い日は、中学生のときの映画だったが、2番目の“一番長い日”は、それから30年も後のことだ。
(つづく)
