英語が分からん
- 2015/12/05
- 00:00
製造業に勤めていたときだ。
僕より7年くらい先輩の技術者Yさんがいた。
Yさんは、1年間海外に駐在していた。
当時は、技術部門から1年間交替で海外勤務をすることが慣習になっていた。
ちょうど僕が入社した年の春にYさんは海外から帰任したのだ。
Yさんはいろいろな土産話をしてくれた。
その中でも今でも忘れないことがある。
もう40年も前のことだ。
海外勤務をするので、英語はそれなりの技量を持っていることが前提となる。
Yさんも、それなりの英語力があり、しかもなかなか押しの強い人だった。
それでも着任した当初は、なかなか理解できないことが多かったという。
仕事のミーティングのなかで、現地のネイティブスピーカーが英語で話をする。
すぐに分からない場合がある。
そのときに、すぐに“どういうことですか”とか“もういちど話してください”とは言ってはいけない。
相手の言っていることが分からないときは、黙って相手の顔を見る。
しばらく何も言わずに、相手の顔を見つめる。
できれば、なにをアホなことを言っているんだという顔をして、見つめる。
すると、相手のほうが、おかしなことを言ったのでないかと思って、もう一度分かりやすく、ゆっくりと話してくれるという。
確かにそういう流れは、さもありそうだ。
日本人はややもすると、特に欧米人には、英語で話をされると、卑下してしまって、下手に出すぎることがある。
僕が、転職したIT系の会社では、外資系なので、海外の人がいるときは、電話会議を英語でやることがあった。
英語で話すという点で、一般的には、日本人は不利である。
ネイティブスピーカーは、英語を簡単に話すことができ、聞くことができるだけで圧倒的に優位になる。
話している内容は、どう考えてもたいしたことでないことが多いのだ。
僕の上司のマネジャーは、英語で電話会議をするときは、決して適当にYESと言ってはいけないといつも話していた。
当たり前の話ではあるが、電話会議のなかで、相づちのように言ってしまったYESのお陰で、後でとんでもないことをやらざるを得ないことになったことがあったのだ。
日本人がもっと英語に強くなれば済む話ではあるが、日本人にとっては日本語が公用語であり、英語のスキルをあげることには限界もある。
ある自動車メーカーのお客様を訪問したときのことだ。
こちらは日本人が数名とアメリカから来ている技術者数名で訪問した。
お客様も同程度の人数の日本人技術者が参加している。
ただし、お客様には同時通訳の女性がいる。
アメリカの技術者が話す英語は、その場で日本語に訳す。
お客様の技術者は英語も話すが、日本語も話す。日本語で話すときは、それを通訳がその場で英語にして話すのだ。
技術者にとっては、英語が必須とはいえ、本来の彼らの役割は、いい車を作ることだ。
英語を勉強する時間があったら、本来のスキルを向上させる時間に使うほうが、良い選択になるのだろう。
そのうち、自動通訳ロボットができて、少なくとも会議では、ロボットがすべて英語を日本語に、日本語を英語に翻訳して話してくれる時代が来るのだろう。
ロボットと言っても、それはソフトウェアなので、ノートPCのなかにそのソフトウェアが入っていれば済む話だけどね。

僕より7年くらい先輩の技術者Yさんがいた。
Yさんは、1年間海外に駐在していた。
当時は、技術部門から1年間交替で海外勤務をすることが慣習になっていた。
ちょうど僕が入社した年の春にYさんは海外から帰任したのだ。
Yさんはいろいろな土産話をしてくれた。
その中でも今でも忘れないことがある。
もう40年も前のことだ。
海外勤務をするので、英語はそれなりの技量を持っていることが前提となる。
Yさんも、それなりの英語力があり、しかもなかなか押しの強い人だった。
それでも着任した当初は、なかなか理解できないことが多かったという。
仕事のミーティングのなかで、現地のネイティブスピーカーが英語で話をする。
すぐに分からない場合がある。
そのときに、すぐに“どういうことですか”とか“もういちど話してください”とは言ってはいけない。
相手の言っていることが分からないときは、黙って相手の顔を見る。
しばらく何も言わずに、相手の顔を見つめる。
できれば、なにをアホなことを言っているんだという顔をして、見つめる。
すると、相手のほうが、おかしなことを言ったのでないかと思って、もう一度分かりやすく、ゆっくりと話してくれるという。
確かにそういう流れは、さもありそうだ。
日本人はややもすると、特に欧米人には、英語で話をされると、卑下してしまって、下手に出すぎることがある。
僕が、転職したIT系の会社では、外資系なので、海外の人がいるときは、電話会議を英語でやることがあった。
英語で話すという点で、一般的には、日本人は不利である。
ネイティブスピーカーは、英語を簡単に話すことができ、聞くことができるだけで圧倒的に優位になる。
話している内容は、どう考えてもたいしたことでないことが多いのだ。
僕の上司のマネジャーは、英語で電話会議をするときは、決して適当にYESと言ってはいけないといつも話していた。
当たり前の話ではあるが、電話会議のなかで、相づちのように言ってしまったYESのお陰で、後でとんでもないことをやらざるを得ないことになったことがあったのだ。
日本人がもっと英語に強くなれば済む話ではあるが、日本人にとっては日本語が公用語であり、英語のスキルをあげることには限界もある。
ある自動車メーカーのお客様を訪問したときのことだ。
こちらは日本人が数名とアメリカから来ている技術者数名で訪問した。
お客様も同程度の人数の日本人技術者が参加している。
ただし、お客様には同時通訳の女性がいる。
アメリカの技術者が話す英語は、その場で日本語に訳す。
お客様の技術者は英語も話すが、日本語も話す。日本語で話すときは、それを通訳がその場で英語にして話すのだ。
技術者にとっては、英語が必須とはいえ、本来の彼らの役割は、いい車を作ることだ。
英語を勉強する時間があったら、本来のスキルを向上させる時間に使うほうが、良い選択になるのだろう。
そのうち、自動通訳ロボットができて、少なくとも会議では、ロボットがすべて英語を日本語に、日本語を英語に翻訳して話してくれる時代が来るのだろう。
ロボットと言っても、それはソフトウェアなので、ノートPCのなかにそのソフトウェアが入っていれば済む話だけどね。
