ええところに電話してくれたわ
- 2015/12/13
- 00:00
Iさんには逸話が多い。
今では個人でほとんどの人が携帯電話を持っているだろう。
会社の電話でも、机の上に固定電話が置かれることもなく、内線電話を兼用できる携帯電話を持っている。
携帯電話は普及する前は、会社では机の上に固定電話が置かれている。
社外との電話での会話が多いところでは、社員ひとりひとりが電話番号を持っていることもある。
IT系の会社にいるときは、全員が電話番号を持っていた。
その前の製造業の会社では、課にひとつ電話番号がある。
そこに電話がかかってくると、子機が2台あり、合計3台の電話のどれかを取れば会話が出来る仕組みだ。
こういう場合は、仕事以外の用件で社外から電話が入ることは、ほとんどない。
ところが一人1台の電話番号を持つとなると、その電話番号が分かると、誰でも外から電話がかけることができる。
ある時期、やたらと勧誘の電話がかかってくることがあった。
どこで電話番号を調べたのか、僕だけではなく、社員全員がセールスの電話に悩まされていた。
そんな電話はすぐに切ればいいではないかと言われるが、簡単にそれで片付くものではない。
変な切り方をすると、嫌がらせのように何度も電話がはいってくる。
単に、今は忙しいからという理由もだめだ。
時間をあけて、日をあけて、暇になりましたかとか、時間が取れるようになりましたか、と言って電話をしてくる。
もう二度と電話をかける言質を与えずに、しかも、相手を傷つけることなく、やんわりと切る。
何度も対応していると、その方法が分かってくる。
そんな話をIさんとしていたときだ。
Iさんは、全く別の方法で対応したという。
勧誘の電話の多くは、投資マンションとか、投資すると儲かるという話で、金額的にも毎月十万円単位の規模が多い。
多少余裕があれば、投資しようかという金額である。
相手もそのくらいの腹づもりでいる。
Iさんは、それを逆手に取ったのである。
「いい投資物件があるのですが」といつもの調子で電話が入る。
Iさんは、
「おっ、ええときに電話してくれたわ。
ちょうど、先月親の遺産が入ったんや。
まとまった金額や。
寝かせておくのももったいないので、ええ投資先をさがしておったところや。
○億円ほどあるんやけど、すぐに来てくれへんか」
相手はそれを聞いて、丁重に断ってきたそうだ。
Iさんの話がどこまで本当かは分からないが、Iさんであれば、本当にありそうだと思わせるところが、いかにもIさんらしいのだ。
今では個人でほとんどの人が携帯電話を持っているだろう。
会社の電話でも、机の上に固定電話が置かれることもなく、内線電話を兼用できる携帯電話を持っている。
携帯電話は普及する前は、会社では机の上に固定電話が置かれている。
社外との電話での会話が多いところでは、社員ひとりひとりが電話番号を持っていることもある。
IT系の会社にいるときは、全員が電話番号を持っていた。
その前の製造業の会社では、課にひとつ電話番号がある。
そこに電話がかかってくると、子機が2台あり、合計3台の電話のどれかを取れば会話が出来る仕組みだ。
こういう場合は、仕事以外の用件で社外から電話が入ることは、ほとんどない。
ところが一人1台の電話番号を持つとなると、その電話番号が分かると、誰でも外から電話がかけることができる。
ある時期、やたらと勧誘の電話がかかってくることがあった。
どこで電話番号を調べたのか、僕だけではなく、社員全員がセールスの電話に悩まされていた。
そんな電話はすぐに切ればいいではないかと言われるが、簡単にそれで片付くものではない。
変な切り方をすると、嫌がらせのように何度も電話がはいってくる。
単に、今は忙しいからという理由もだめだ。
時間をあけて、日をあけて、暇になりましたかとか、時間が取れるようになりましたか、と言って電話をしてくる。
もう二度と電話をかける言質を与えずに、しかも、相手を傷つけることなく、やんわりと切る。
何度も対応していると、その方法が分かってくる。
そんな話をIさんとしていたときだ。
Iさんは、全く別の方法で対応したという。
勧誘の電話の多くは、投資マンションとか、投資すると儲かるという話で、金額的にも毎月十万円単位の規模が多い。
多少余裕があれば、投資しようかという金額である。
相手もそのくらいの腹づもりでいる。
Iさんは、それを逆手に取ったのである。
「いい投資物件があるのですが」といつもの調子で電話が入る。
Iさんは、
「おっ、ええときに電話してくれたわ。
ちょうど、先月親の遺産が入ったんや。
まとまった金額や。
寝かせておくのももったいないので、ええ投資先をさがしておったところや。
○億円ほどあるんやけど、すぐに来てくれへんか」
相手はそれを聞いて、丁重に断ってきたそうだ。
Iさんの話がどこまで本当かは分からないが、Iさんであれば、本当にありそうだと思わせるところが、いかにもIさんらしいのだ。
