日本史のT先生(1)
- 2015/12/18
- 00:00
中学生のころだ。
1月の初め、3学期の授業が始まる。
日本史のT先生が教室に入ってくる。
縄文式土器や弥生式土器が一番の得意分野の先生だ。
多くの中学生には理解しにくい、面白くないテーマである。
当時は、古墳や土器を発掘するという作業が、とんでもなく退屈だと思っていた。
それを研究テーマにしているT先生である。
いつも難しい顔をして、楽しくない授業をされる。
その日本史のT先生が、今日はいつも以上に機嫌が悪いのか、暗い雰囲気である。
怒っているのかもしれない。
いきなり切り出した。
私の名前は、はしごではない、と言う。
なにを言っているか、分からなかった。
黒板にチョークで字を書いた。
梯子と書く。
はしごは、木偏だ。
私の名前は、悌(てい)だ。
立心偏を木偏に間違えると梯子の梯(てい)になる。
確かに偏を間違えるだけで、全く意味が変わってしまう。
T先生の名前には、悌が使われていた。
悌と書くべきところを、梯子の梯と間違って書いた生徒がいたのだ。
年賀状での間違いだとT先生は言われる。
その生徒にしてみれば、先生に年賀状を出すということは、普段教えていただいたお礼の気持をこめていたはずだ。
ところが、とんでもない誤字を書いてしまい、全くの逆効果になってしまったのだ。
くれぐれも人の名前を書くときは注意しないといけないね。

1月の初め、3学期の授業が始まる。
日本史のT先生が教室に入ってくる。
縄文式土器や弥生式土器が一番の得意分野の先生だ。
多くの中学生には理解しにくい、面白くないテーマである。
当時は、古墳や土器を発掘するという作業が、とんでもなく退屈だと思っていた。
それを研究テーマにしているT先生である。
いつも難しい顔をして、楽しくない授業をされる。
その日本史のT先生が、今日はいつも以上に機嫌が悪いのか、暗い雰囲気である。
怒っているのかもしれない。
いきなり切り出した。
私の名前は、はしごではない、と言う。
なにを言っているか、分からなかった。
黒板にチョークで字を書いた。
梯子と書く。
はしごは、木偏だ。
私の名前は、悌(てい)だ。
立心偏を木偏に間違えると梯子の梯(てい)になる。
確かに偏を間違えるだけで、全く意味が変わってしまう。
T先生の名前には、悌が使われていた。
悌と書くべきところを、梯子の梯と間違って書いた生徒がいたのだ。
年賀状での間違いだとT先生は言われる。
その生徒にしてみれば、先生に年賀状を出すということは、普段教えていただいたお礼の気持をこめていたはずだ。
ところが、とんでもない誤字を書いてしまい、全くの逆効果になってしまったのだ。
くれぐれも人の名前を書くときは注意しないといけないね。
