父からのカード
- 2015/12/24
- 00:00
12月は僕の誕生月だ。
誕生日には、父と母から、毎年カードが送られてくる。
いつの頃からか、記憶がさだかではないが、おそらく学生の頃からだろうか。
カードを開くと左に父の言葉、右に母の言葉が並ぶ。
それぞれ特徴のある筆跡だ。
今年の父の言葉には、
“これでおしまいのカードになろうかと思います”とある。
父は卒寿(90歳)を越えている。
あらためてこのように書かれると父自身が、自分の命の長さを自覚しているのだと思ってしまう。
いつかそのような時期が来ることは確かなことであるが、いつまでも来て欲しくないと思う。
命の火が消えたとしても、きっともうひとりの自分が自分を見ているように、父もきっと上のほうから、僕を見つめていてくれるのかもしれない。
M先生のことを急に思い出した。
M先生は数年前にお父さんを亡くされた。
お亡くなりになる前に、病院にしばしば行かれたという。
M先生は生物物理がご専門である。
生物を工学的な見地から見ておられる。
生き物への見識は当然非常に高い。
お父さんの身体を見ておられて、人が亡くなるのはカビであると考えられた。
それから、病院のベッドでお父さんの身体を拭かれたという。
お父さんは半年以上、長く生きられたという。
M先生にどうやって拭かれたのか、聞いてみよう。
なにかを買ってこられたと、言われていた。
今、僕のできることは、しっかり父のこと考えることだ。
誕生日には、父と母から、毎年カードが送られてくる。
いつの頃からか、記憶がさだかではないが、おそらく学生の頃からだろうか。
カードを開くと左に父の言葉、右に母の言葉が並ぶ。
それぞれ特徴のある筆跡だ。
今年の父の言葉には、
“これでおしまいのカードになろうかと思います”とある。
父は卒寿(90歳)を越えている。
あらためてこのように書かれると父自身が、自分の命の長さを自覚しているのだと思ってしまう。
いつかそのような時期が来ることは確かなことであるが、いつまでも来て欲しくないと思う。
命の火が消えたとしても、きっともうひとりの自分が自分を見ているように、父もきっと上のほうから、僕を見つめていてくれるのかもしれない。
M先生のことを急に思い出した。
M先生は数年前にお父さんを亡くされた。
お亡くなりになる前に、病院にしばしば行かれたという。
M先生は生物物理がご専門である。
生物を工学的な見地から見ておられる。
生き物への見識は当然非常に高い。
お父さんの身体を見ておられて、人が亡くなるのはカビであると考えられた。
それから、病院のベッドでお父さんの身体を拭かれたという。
お父さんは半年以上、長く生きられたという。
M先生にどうやって拭かれたのか、聞いてみよう。
なにかを買ってこられたと、言われていた。
今、僕のできることは、しっかり父のこと考えることだ。
