楽な商売でんな
- 2015/12/26
- 00:00
IT系の会社に勤めているときは、役割は技術系であっても基本は営業である。
会社は営業系の組織と製造・研究系の組織の2つに分けられているので、技術であろうが、結局は営業であり、売れてなんぼの世界になる。
ただ、営業の方法については、いろいろな研修もあり、会社としては徹底して教育する。
研修部門の社内の掲示版には、当時は現在のようなインターネットというものがないので、メインフレーム系の社内システムを使っていたが、その掲示版を表示すると初めに出てくる言葉が、“教育に飽和点はない”という言葉だった。
その横には英語で同じ意味の文章が書かれている。
There is no saturation point in education. だったかな。
世界共通の標語でもあったのだ。
当時の営業はロジカルセリングといって、お客様へ論理的に提案活動を行うということが基本だった。いわゆる接待等に代表される感情的な人間関係による営業活動は、建前としては推奨していない。
ロジカルセリングの胆とも言える、お客様のことを考えた提案書を作成し、それをプレゼンしてお客様に提案を受け入れて頂くというやりかたを進める。
営業の厳しさは、このような活動のなかで感じていたが、ある日、冷水を浴びせられるような言葉を聞いた。
それは、信頼関係もできあがっているお客様への営業活動のなかで、お客様の関連会社の方を紹介されたのだが、その方は、プリンターの営業担当である。
名刺交換を済ませた後に、いきなり言われた。
「お宅さんらは、楽な商売をされていますな」
「えっ」と一瞬、どのように返事をすればよいのか、言葉に詰まった。
お客様の関連会社では、プリンターやスキャナー、ファクスの装置等の機械を製造販売している。
それらの機器の販売がその方の仕事である。
しかも、その方の担当しているお客様というのは小企業であった。
当時でも単にプリンターやスキャナーの機械を売るだけではなく、いわゆるソリューション販売という形で、お客様の仕事全体を考えて,効率的なオフィス環境を作るという提案をやっていたという。
そういうシステム全体を考えることは、大企業では、当然お客様の社内で問題意識をもって検討し、必要であれば予算化をし、お客様ご自身が導入先を検討していくことになる。
こういうケースでは、販売するほうは、提案しようとしているものの良さ、必要性をお客様はすでに認識し、理解されている。
買っていただくための初めの障壁はないのである。
そういう大企業相手と違い、その営業担当の方のお客様は小企業である。
町の商店街のお店を夫婦でやっているようなお客様もある。
そうなると、まずこのシステムを導入することよって、仕事がどのように変わっていき、どれだけの効果があるかというところから説明していかないといけない。
大企業が相手の場合は、すでにその部分はクリアしているのである。
その差がどれだけ大きいかが分かっているので、その担当営業の方は、言われたのである。
「お宅さんらは、すでに必要とされているお客さんのところに売りに行っている。とこらが、わてらは、それを何に使うんや、と言われるお客さんに売りに行っているんや。その差は大きいで」
というわけだ。
もちろん、大企業のお客様には、町の商店街のお店に売りに行くときにはない、障壁や山や谷があるので、一概に、お客様が大企業であれば、楽ということにはならない。
だが、どこから始めるかによって、営業の仕方も大きく変わってくることは間違いない。
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会社は営業系の組織と製造・研究系の組織の2つに分けられているので、技術であろうが、結局は営業であり、売れてなんぼの世界になる。
ただ、営業の方法については、いろいろな研修もあり、会社としては徹底して教育する。
研修部門の社内の掲示版には、当時は現在のようなインターネットというものがないので、メインフレーム系の社内システムを使っていたが、その掲示版を表示すると初めに出てくる言葉が、“教育に飽和点はない”という言葉だった。
その横には英語で同じ意味の文章が書かれている。
There is no saturation point in education. だったかな。
世界共通の標語でもあったのだ。
当時の営業はロジカルセリングといって、お客様へ論理的に提案活動を行うということが基本だった。いわゆる接待等に代表される感情的な人間関係による営業活動は、建前としては推奨していない。
ロジカルセリングの胆とも言える、お客様のことを考えた提案書を作成し、それをプレゼンしてお客様に提案を受け入れて頂くというやりかたを進める。
営業の厳しさは、このような活動のなかで感じていたが、ある日、冷水を浴びせられるような言葉を聞いた。
それは、信頼関係もできあがっているお客様への営業活動のなかで、お客様の関連会社の方を紹介されたのだが、その方は、プリンターの営業担当である。
名刺交換を済ませた後に、いきなり言われた。
「お宅さんらは、楽な商売をされていますな」
「えっ」と一瞬、どのように返事をすればよいのか、言葉に詰まった。
お客様の関連会社では、プリンターやスキャナー、ファクスの装置等の機械を製造販売している。
それらの機器の販売がその方の仕事である。
しかも、その方の担当しているお客様というのは小企業であった。
当時でも単にプリンターやスキャナーの機械を売るだけではなく、いわゆるソリューション販売という形で、お客様の仕事全体を考えて,効率的なオフィス環境を作るという提案をやっていたという。
そういうシステム全体を考えることは、大企業では、当然お客様の社内で問題意識をもって検討し、必要であれば予算化をし、お客様ご自身が導入先を検討していくことになる。
こういうケースでは、販売するほうは、提案しようとしているものの良さ、必要性をお客様はすでに認識し、理解されている。
買っていただくための初めの障壁はないのである。
そういう大企業相手と違い、その営業担当の方のお客様は小企業である。
町の商店街のお店を夫婦でやっているようなお客様もある。
そうなると、まずこのシステムを導入することよって、仕事がどのように変わっていき、どれだけの効果があるかというところから説明していかないといけない。
大企業が相手の場合は、すでにその部分はクリアしているのである。
その差がどれだけ大きいかが分かっているので、その担当営業の方は、言われたのである。
「お宅さんらは、すでに必要とされているお客さんのところに売りに行っている。とこらが、わてらは、それを何に使うんや、と言われるお客さんに売りに行っているんや。その差は大きいで」
というわけだ。
もちろん、大企業のお客様には、町の商店街のお店に売りに行くときにはない、障壁や山や谷があるので、一概に、お客様が大企業であれば、楽ということにはならない。
だが、どこから始めるかによって、営業の仕方も大きく変わってくることは間違いない。
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