誰も見てへんて
- 2015/12/29
- 00:00
地下鉄の中、おばちゃん二人の会話がまた聞こえてくる。
横に座っているので、顔は見えない。
「内の息子いうたら、ひどいで」
「なにがひどいねん。ええ息子さんやないか」
「そんなことはあらへん。この前、急に外出することになったんや」
「それでどないしたんや」
「時間がないやろ。化粧もろくにしてなかったので、大きいマスクを出してきて、顔を隠して、慌てて出たんや」
「そんなところやろな」
「時間があったら、そんなことはせえへんのに。
こんな格好でええかなぁ、でも時間がないからしようがないわって、息子に言ったら、なんて言うた思う」
「息子さんが何を言ったんや」
「そんな心配せんでもええのに。誰も見てへん、とばっさりや」
「そうやな、本人が思う程、他人さんはあんたのことなんか、見てへんやろな」
「何言うてんねん。あんたまで」
後は、あははと自分から笑い出している。
こちらの睡眠を妨げるのはつらいけど、こんな話だったら、いくらでも聞いていたいね。
横に座っているので、顔は見えない。
「内の息子いうたら、ひどいで」
「なにがひどいねん。ええ息子さんやないか」
「そんなことはあらへん。この前、急に外出することになったんや」
「それでどないしたんや」
「時間がないやろ。化粧もろくにしてなかったので、大きいマスクを出してきて、顔を隠して、慌てて出たんや」
「そんなところやろな」
「時間があったら、そんなことはせえへんのに。
こんな格好でええかなぁ、でも時間がないからしようがないわって、息子に言ったら、なんて言うた思う」
「息子さんが何を言ったんや」
「そんな心配せんでもええのに。誰も見てへん、とばっさりや」
「そうやな、本人が思う程、他人さんはあんたのことなんか、見てへんやろな」
「何言うてんねん。あんたまで」
後は、あははと自分から笑い出している。
こちらの睡眠を妨げるのはつらいけど、こんな話だったら、いくらでも聞いていたいね。
