伝えられること
- 2016/01/05
- 00:00
あるとき、息子さんが就職試験を受けるという話を聞いた。
1次試験は通って、次は面接で、学生時代に自分のやってきたことを説明するという試験だ。
僕自身が、就職試験の試験官をやった経験があるので、そのときのことを思い出して、こうすればいい、どうやって練習すればいいということを話した。
その話がそのまま受験をする息子さんに伝えられたかどうかは、知らなかった。
僕が試験官をやったときは、人事部の人間としてではなく、採用された人が仕事をする現場の人間として見てくれというものだった。
要は、この人だったら、一緒に仕事ができるかどうかという観点で判断するのだ。
一人の学生が部屋に入ってくる。こちらの試験官は2人いる。
学生の話を聞いて、判定をする。◯かXかをつけるわけである。
二人とも◯であれば問題なく、合格。
一人がXをつけると、失格ということになっていた。
一緒に試験官をやっていた人は、僕より社歴も長く、年齢も上だった。
こんな短時間で将来が決めるのは、大変なことですね。
もっと時間をかけて見てあげないと、というような話を先輩の試験官にした。
その先輩が言ったことは、むいていない人にははっきりとXを付けてあげる事が本人のためです、だった。
確かにその通りかもしれない。
僕がアドバイスをした時は、面接試験のときには、すでにプレゼンのためのPCを使っていた。
PCを持って行き、プロジェクターでスクリーンに投影して、説明するというスタイルだ。
僕が奨めた方法は、試験官のときの経験もあるが、むしろプレゼンの仕方に関するものが中心だった。
最近、講演会でプレゼンをやっている人を、撮影する機会が多い。
一番困るのは、話をしながら、自分のPCとスクリーンしか見ないという人だ。
しかも、こういう人が多い。
自分のPCのなかの資料を見る、そしてそれが投影されているスクリーンの資料を見る。
要は、自分の資料しか見ていないのだ。
聞いている人の顔を見て、説明出来る人が非常に少ない。
こういう人の写真を撮るのは、顔が前を向かないので、大変である。
こんなスタイルではプレゼンを聞いている人に話が伝わらない。
僕の好きなM先生は、全く反対のひとだった。
いつも前を向いている。
聞いている人の反応を見ながら話をする。
まるで自分が宝塚大劇場の大階段から降りてくるスターのように、表情豊かに、時には見振り手振りをつけて、話をされる。
難しい話が分かりやすい。
いい写真がたくさん撮れた。
プレゼンには練習が必要になる。
これは僕が研修を受けている時に教えられたことを、そのまま伝えた。
研修を受けている頃は僕も、プレゼンには全く慣れていなかったのであるが、そういう慣れない人が如何にすれば、プレゼンをしっかり出来るようになるかを教えてもらった。
その方法は、家で自分のプレゼンを聞いてもらえということだった。
恥ずかしくて、なかなかできないことであるが、研修の講師である営業経験者は、その方法を推した。
僕自身は、家でプレゼンの練習をすることはなかったが、会社の同僚や先輩の前では何度も繰り返し練習した。
試験が終わった後で聞いたのだが、僕のアドバイスは、そのまま就職試験を受ける学生君に伝えられて、家でも練習したという。素直な息子さんだったに違いない。
試験のために上京する新幹線のなかでも、プレゼンの練習のためにぶつぶつ言いながら2時間半を過ごしたという。
プレゼンの内容をしっかり覚えておかないと、前を見て説明できないということが伝わっていたのだろう。
必死で覚えようとしていたわけだ。
幸い隣の乗客がサラリーマンで、物わかりが良い人だった。
降りるときには、頑張ってと言われたという。
僕が経験してきたことを、こうやって僕より若い人達に伝えられるのは、嬉しいことだ。
もっと嬉しかったのは、その息子さんが希望とおり試験に合格したことだ。

1次試験は通って、次は面接で、学生時代に自分のやってきたことを説明するという試験だ。
僕自身が、就職試験の試験官をやった経験があるので、そのときのことを思い出して、こうすればいい、どうやって練習すればいいということを話した。
その話がそのまま受験をする息子さんに伝えられたかどうかは、知らなかった。
僕が試験官をやったときは、人事部の人間としてではなく、採用された人が仕事をする現場の人間として見てくれというものだった。
要は、この人だったら、一緒に仕事ができるかどうかという観点で判断するのだ。
一人の学生が部屋に入ってくる。こちらの試験官は2人いる。
学生の話を聞いて、判定をする。◯かXかをつけるわけである。
二人とも◯であれば問題なく、合格。
一人がXをつけると、失格ということになっていた。
一緒に試験官をやっていた人は、僕より社歴も長く、年齢も上だった。
こんな短時間で将来が決めるのは、大変なことですね。
もっと時間をかけて見てあげないと、というような話を先輩の試験官にした。
その先輩が言ったことは、むいていない人にははっきりとXを付けてあげる事が本人のためです、だった。
確かにその通りかもしれない。
僕がアドバイスをした時は、面接試験のときには、すでにプレゼンのためのPCを使っていた。
PCを持って行き、プロジェクターでスクリーンに投影して、説明するというスタイルだ。
僕が奨めた方法は、試験官のときの経験もあるが、むしろプレゼンの仕方に関するものが中心だった。
最近、講演会でプレゼンをやっている人を、撮影する機会が多い。
一番困るのは、話をしながら、自分のPCとスクリーンしか見ないという人だ。
しかも、こういう人が多い。
自分のPCのなかの資料を見る、そしてそれが投影されているスクリーンの資料を見る。
要は、自分の資料しか見ていないのだ。
聞いている人の顔を見て、説明出来る人が非常に少ない。
こういう人の写真を撮るのは、顔が前を向かないので、大変である。
こんなスタイルではプレゼンを聞いている人に話が伝わらない。
僕の好きなM先生は、全く反対のひとだった。
いつも前を向いている。
聞いている人の反応を見ながら話をする。
まるで自分が宝塚大劇場の大階段から降りてくるスターのように、表情豊かに、時には見振り手振りをつけて、話をされる。
難しい話が分かりやすい。
いい写真がたくさん撮れた。
プレゼンには練習が必要になる。
これは僕が研修を受けている時に教えられたことを、そのまま伝えた。
研修を受けている頃は僕も、プレゼンには全く慣れていなかったのであるが、そういう慣れない人が如何にすれば、プレゼンをしっかり出来るようになるかを教えてもらった。
その方法は、家で自分のプレゼンを聞いてもらえということだった。
恥ずかしくて、なかなかできないことであるが、研修の講師である営業経験者は、その方法を推した。
僕自身は、家でプレゼンの練習をすることはなかったが、会社の同僚や先輩の前では何度も繰り返し練習した。
試験が終わった後で聞いたのだが、僕のアドバイスは、そのまま就職試験を受ける学生君に伝えられて、家でも練習したという。素直な息子さんだったに違いない。
試験のために上京する新幹線のなかでも、プレゼンの練習のためにぶつぶつ言いながら2時間半を過ごしたという。
プレゼンの内容をしっかり覚えておかないと、前を見て説明できないということが伝わっていたのだろう。
必死で覚えようとしていたわけだ。
幸い隣の乗客がサラリーマンで、物わかりが良い人だった。
降りるときには、頑張ってと言われたという。
僕が経験してきたことを、こうやって僕より若い人達に伝えられるのは、嬉しいことだ。
もっと嬉しかったのは、その息子さんが希望とおり試験に合格したことだ。
