天敵登場
- 2016/01/14
- 00:00
天敵というのは、自然界にはいろいろな組み合わせで存在している。
それは自然界のバランスを保つために、生まれてきた関係なのだろう。
人間の世界でも天敵というのがあるというのはよく聞く話だ。
例えばプロ野球でも、強打者であってもあのピッチャーが出てくると全く打てないということもある。もちろんその反対の組合せもある。
そういうことを分かっていても、自分のまわりではそのようなことは見聞きすることはないと思っていた。
ところが一組だけだが、そういう組合せを見たことがある。
全く相性が悪い、一方が相手に完全優位に立つというケースだ。
IT系の会社は外資系ということもあり、女性が男性と差別されることなく、仕事ができる環境があった。
仕事ができる女性は、どんどん活用されている、いやむしろ女性であるがゆえに、活用され昇進していくということもあった。
僕よりも若い女性だったが、言いたいことはずばずばという威勢のよい女性がいた。
彼女の仕事は企画の仕事だった。
本社部門にいてある製品のセミナーの企画をする仕事が多かった。
ある時期、僕も同じ製品を担当していたので、仕事の接点があった。
彼女は東京にオフィスがあるのだが、イベントがあると大阪にも来ることがしばしばあった。
彼女の企画するセミナーは、なかなか面白いところもあった。
関西でのセミナーの名前を決めるときに、製品名を織り込んで、「こりゃいいプロイー」とか「おいでやすアイデアズ」という名前をつけた。
プロイーとかアイデアズというのは、ソフトウェアの名称であり、ワークステーションを売るために必要なソフトウェアだった。
そのセミナー名を聞いたときに、彼女は関西人ではないのだが、関西では受けまっせと一発で快諾した。
ところが、同じ内容のセミナーを東京で開催するときには、ごくごく平凡な「ワークステーションセミナー」のようなものになったという。
東京では、そんなふざけた名前を付けることは、許されなかったと言うではないか。
当時は、まだ関西の芸人が東京で活躍することも少なかったのかもしれない。
穏便さを優先すれば、セミナー名もそうなるのだろう。
そのアイデアウーマンの彼女が、大阪に来た。
仕事が終わると同僚と一緒にオフィスの近くの居酒屋に繰り出す。
結構盛り上がったころに、関西で営業をしている男性が居酒屋に入ってきた。
彼も同僚と一緒である。
ところが、彼女を見つけると、僕たちと同じ席に一人だけ入って来た。
僕も含め、こちらの席のメンバーは全員、彼のことを知っている。
聞けば、彼は彼女とは同期という。
彼が席についてからは、なぜか彼女の勢いがなくなっている。
それと反対に彼はますます元気になる。
話の内容も、だんだんと彼女を責める言葉が多くなってくる。
同期の仲なので、おそらく研修も一緒に受けたはずだ。
僕は、彼の話を止めることもないので、話すがままに任せていた。
彼は直接彼女に向かって、びしばしと彼女の悪いところをついている。
話が止まらない。
「だいたい、おまえの企画は全然現場のことが分かっていない」
「分かっていないのに、出しゃばりすぎなんだ」
「そんなことだから、男にも逃げられるのだ」
。。。。。。
普段はあれほど男性に対しても負けずに発言する彼女がまるでおとなしい。
後で聞くと、彼は彼女の天敵だというのは、仲間内ではよく知られた話だという。
彼があれほどの口調で男性でも女性でも話していることを見たことがないので、僕は途中からは、呆然と見ていたところがある。
人間界にも天敵は存在するのである。

それは自然界のバランスを保つために、生まれてきた関係なのだろう。
人間の世界でも天敵というのがあるというのはよく聞く話だ。
例えばプロ野球でも、強打者であってもあのピッチャーが出てくると全く打てないということもある。もちろんその反対の組合せもある。
そういうことを分かっていても、自分のまわりではそのようなことは見聞きすることはないと思っていた。
ところが一組だけだが、そういう組合せを見たことがある。
全く相性が悪い、一方が相手に完全優位に立つというケースだ。
IT系の会社は外資系ということもあり、女性が男性と差別されることなく、仕事ができる環境があった。
仕事ができる女性は、どんどん活用されている、いやむしろ女性であるがゆえに、活用され昇進していくということもあった。
僕よりも若い女性だったが、言いたいことはずばずばという威勢のよい女性がいた。
彼女の仕事は企画の仕事だった。
本社部門にいてある製品のセミナーの企画をする仕事が多かった。
ある時期、僕も同じ製品を担当していたので、仕事の接点があった。
彼女は東京にオフィスがあるのだが、イベントがあると大阪にも来ることがしばしばあった。
彼女の企画するセミナーは、なかなか面白いところもあった。
関西でのセミナーの名前を決めるときに、製品名を織り込んで、「こりゃいいプロイー」とか「おいでやすアイデアズ」という名前をつけた。
プロイーとかアイデアズというのは、ソフトウェアの名称であり、ワークステーションを売るために必要なソフトウェアだった。
そのセミナー名を聞いたときに、彼女は関西人ではないのだが、関西では受けまっせと一発で快諾した。
ところが、同じ内容のセミナーを東京で開催するときには、ごくごく平凡な「ワークステーションセミナー」のようなものになったという。
東京では、そんなふざけた名前を付けることは、許されなかったと言うではないか。
当時は、まだ関西の芸人が東京で活躍することも少なかったのかもしれない。
穏便さを優先すれば、セミナー名もそうなるのだろう。
そのアイデアウーマンの彼女が、大阪に来た。
仕事が終わると同僚と一緒にオフィスの近くの居酒屋に繰り出す。
結構盛り上がったころに、関西で営業をしている男性が居酒屋に入ってきた。
彼も同僚と一緒である。
ところが、彼女を見つけると、僕たちと同じ席に一人だけ入って来た。
僕も含め、こちらの席のメンバーは全員、彼のことを知っている。
聞けば、彼は彼女とは同期という。
彼が席についてからは、なぜか彼女の勢いがなくなっている。
それと反対に彼はますます元気になる。
話の内容も、だんだんと彼女を責める言葉が多くなってくる。
同期の仲なので、おそらく研修も一緒に受けたはずだ。
僕は、彼の話を止めることもないので、話すがままに任せていた。
彼は直接彼女に向かって、びしばしと彼女の悪いところをついている。
話が止まらない。
「だいたい、おまえの企画は全然現場のことが分かっていない」
「分かっていないのに、出しゃばりすぎなんだ」
「そんなことだから、男にも逃げられるのだ」
。。。。。。
普段はあれほど男性に対しても負けずに発言する彼女がまるでおとなしい。
後で聞くと、彼は彼女の天敵だというのは、仲間内ではよく知られた話だという。
彼があれほどの口調で男性でも女性でも話していることを見たことがないので、僕は途中からは、呆然と見ていたところがある。
人間界にも天敵は存在するのである。
