”への期待”のつづき
- 2016/02/02
- 00:00
“への期待“ということを考えてブログを書いた。
年始のキックオフミーティング、と言えば格好がいいが、決起集会的なものだ。
事業部の社員が全員大劇場に集う。
1000名近い参加者だ。
その会合での一番の人気の出し物がスキットである。
スキットには原稿がある。筋を考えるのは、副事業部長のYさんだ。
年末から空き時間があれば、原稿用紙に鉛筆を走らせている。
こういう話を書くときは、やはりワープロとかPCとかを使ってはいけない。
切れのある文章を小気味よく書き続けるには手書きである。
まずいと思ったら、大きく×を入れて書き直すのだ。
PCではそういう訳にはいかない。
PCでの作業は、大きな変更には向かない。細かいところにどんどん入っていってしまう。
精魂こめた原稿が出来上がっていくが、それにあわせてスキットでの準備が必要となる。
必要なものを買い出しに行ったり、作ったりする。
古着を買いに京都まで行ったり、小道具を探しにミナミの街を歩いたりしたものだ。
簡単なものは東急ハンズとかになる。
そうやって当日を迎える。
前半のトップマネジメントの挨拶や、ゲストスピーチは、スキット担当者はゆっくり聴いている暇はない。
後半のスキットに集中している。
劇場裏の楽屋では、殿や淀、大名連中が着替えをしている。
裃をうまく着られない部長もいる。
かつらを付けたのを見て、思わず吹き出してしまう部長もいる。
ようやく幕が上がる。
しーんと静まりかえる場内。
舞台の中央には、副事業部長の殿と、NHKのど自慢で選曲を失敗した歌唱力抜群の営業Mさん演じる淀の君。
スポットライトがあたる。
「殿、昨年はいろいろありましたが、無事目標達成おめでとうございます」
「うん、いろいろあったのう。数字もちゃんとできた。じゃが、去年の話はもう終わったことだ。今年をどうするかが大事なことだぞ」
ビジネスに絡めた話が続いていく。
Yさんの営業力は凄まじいところがある。以前上司である役員から言われたことがある。
「君は、スキージャンプで言うと、最長不倒距離をいつも出す。よう飛ぶところはすごい。でも飛型点は悪い。まぁ、距離がでればええのやけどな」
営業としての目標は大きくクリアする。だが、そのやり方は、ほめられんところもある、ということだ。
営業の目標達成というのは、一番重要なことで、これができれば、他のことには目をつぶってもらえることが多い。
舞台には、部長連中が登場してくる。
最後にでてきた部長が、いきなり川柳を言う。
しかも唐突なこと、この上ない。
への話だ。おならである。
ここで前回のブログは終わっている。
この後、どうなったのかと聞かれた。
いきなり、あほな川柳に殿は激怒したのか、あるいは。。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「かなしいかな、ズボンのおなら、右と左へ枝分かれ」
いきなり、川柳を放ったのである。
それを聞いた殿。
突然のことで怒り出すかと思いきや。
「今年はそうきたか。きっと年末からずぅっと、ここでなにを言うか考えておったんじゃろう」
「ははぁ、私、昨年は第4四半期に入りました頃より、今年の初登城の日のご挨拶を考えておりました」
「そうか、じゃが、今年の人事が決まったのは、昨年の末じゃ。昨年の10月から考えておったというのは、いささか気が早いのではないか」
「いえ、殿、お言葉を返すようではございますが、昨年は、領民の頑張りと、我が家来衆の奮闘によりまして、無事年貢を予定以上に納めることができました。今年も殿にこうしてお目通りできるものと信じておりました」
「そうか、確かにおぬしは、昨年はようやった。今年も儂のために頑張ってくれ。じゃがのう、あの川柳はまだまだじゃ。もっと腕をあげるよう励め」
ふたりのやりとりは台本にはない。すべてアドリブだ。
Iおなら川柳の部長は、無事こうしてキックオフミーティングを盛り上げて、役割を務めることができたのである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キックオフミーティングは、年始の定番行事として、他の事業部でも同じように開催されていた。
だが、このような大がかりで風変わりなスキットをやっているキックオフミーティングは社内でも珍しかった。
簡単なスキットはどこの地区でもやっている。
でもこれほど気合いの入ったものは、どこでもできるものではない。
強烈なリーダシップを持っているトップがいる。
そのトップの思いが部下に伝わる。
周りでは、それを懸命にやってやろうという意志を持った連中が動く。
仕事とは直接関係がないとか、これをやってどれだけ業績があがるとか、そういうことを考え出すとやってられないことだ。
ひとつのことをとことんやりきる、そうすれば、周りが動き、全体が変わっていくのである。
チームワークもこういうところから生まれて来るのだ。
僕自身は、このスキットの裏方であったが、できることはなんでもやる、ということを考えてやっていた。
何事にもそういう気持を持ってやり続けていきたいね。

年始のキックオフミーティング、と言えば格好がいいが、決起集会的なものだ。
事業部の社員が全員大劇場に集う。
1000名近い参加者だ。
その会合での一番の人気の出し物がスキットである。
スキットには原稿がある。筋を考えるのは、副事業部長のYさんだ。
年末から空き時間があれば、原稿用紙に鉛筆を走らせている。
こういう話を書くときは、やはりワープロとかPCとかを使ってはいけない。
切れのある文章を小気味よく書き続けるには手書きである。
まずいと思ったら、大きく×を入れて書き直すのだ。
PCではそういう訳にはいかない。
PCでの作業は、大きな変更には向かない。細かいところにどんどん入っていってしまう。
精魂こめた原稿が出来上がっていくが、それにあわせてスキットでの準備が必要となる。
必要なものを買い出しに行ったり、作ったりする。
古着を買いに京都まで行ったり、小道具を探しにミナミの街を歩いたりしたものだ。
簡単なものは東急ハンズとかになる。
そうやって当日を迎える。
前半のトップマネジメントの挨拶や、ゲストスピーチは、スキット担当者はゆっくり聴いている暇はない。
後半のスキットに集中している。
劇場裏の楽屋では、殿や淀、大名連中が着替えをしている。
裃をうまく着られない部長もいる。
かつらを付けたのを見て、思わず吹き出してしまう部長もいる。
ようやく幕が上がる。
しーんと静まりかえる場内。
舞台の中央には、副事業部長の殿と、NHKのど自慢で選曲を失敗した歌唱力抜群の営業Mさん演じる淀の君。
スポットライトがあたる。
「殿、昨年はいろいろありましたが、無事目標達成おめでとうございます」
「うん、いろいろあったのう。数字もちゃんとできた。じゃが、去年の話はもう終わったことだ。今年をどうするかが大事なことだぞ」
ビジネスに絡めた話が続いていく。
Yさんの営業力は凄まじいところがある。以前上司である役員から言われたことがある。
「君は、スキージャンプで言うと、最長不倒距離をいつも出す。よう飛ぶところはすごい。でも飛型点は悪い。まぁ、距離がでればええのやけどな」
営業としての目標は大きくクリアする。だが、そのやり方は、ほめられんところもある、ということだ。
営業の目標達成というのは、一番重要なことで、これができれば、他のことには目をつぶってもらえることが多い。
舞台には、部長連中が登場してくる。
最後にでてきた部長が、いきなり川柳を言う。
しかも唐突なこと、この上ない。
への話だ。おならである。
ここで前回のブログは終わっている。
この後、どうなったのかと聞かれた。
いきなり、あほな川柳に殿は激怒したのか、あるいは。。。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「かなしいかな、ズボンのおなら、右と左へ枝分かれ」
いきなり、川柳を放ったのである。
それを聞いた殿。
突然のことで怒り出すかと思いきや。
「今年はそうきたか。きっと年末からずぅっと、ここでなにを言うか考えておったんじゃろう」
「ははぁ、私、昨年は第4四半期に入りました頃より、今年の初登城の日のご挨拶を考えておりました」
「そうか、じゃが、今年の人事が決まったのは、昨年の末じゃ。昨年の10月から考えておったというのは、いささか気が早いのではないか」
「いえ、殿、お言葉を返すようではございますが、昨年は、領民の頑張りと、我が家来衆の奮闘によりまして、無事年貢を予定以上に納めることができました。今年も殿にこうしてお目通りできるものと信じておりました」
「そうか、確かにおぬしは、昨年はようやった。今年も儂のために頑張ってくれ。じゃがのう、あの川柳はまだまだじゃ。もっと腕をあげるよう励め」
ふたりのやりとりは台本にはない。すべてアドリブだ。
Iおなら川柳の部長は、無事こうしてキックオフミーティングを盛り上げて、役割を務めることができたのである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
キックオフミーティングは、年始の定番行事として、他の事業部でも同じように開催されていた。
だが、このような大がかりで風変わりなスキットをやっているキックオフミーティングは社内でも珍しかった。
簡単なスキットはどこの地区でもやっている。
でもこれほど気合いの入ったものは、どこでもできるものではない。
強烈なリーダシップを持っているトップがいる。
そのトップの思いが部下に伝わる。
周りでは、それを懸命にやってやろうという意志を持った連中が動く。
仕事とは直接関係がないとか、これをやってどれだけ業績があがるとか、そういうことを考え出すとやってられないことだ。
ひとつのことをとことんやりきる、そうすれば、周りが動き、全体が変わっていくのである。
チームワークもこういうところから生まれて来るのだ。
僕自身は、このスキットの裏方であったが、できることはなんでもやる、ということを考えてやっていた。
何事にもそういう気持を持ってやり続けていきたいね。
