すべらない話(2)
- 2016/02/08
- 00:00
以前、会合の後の懇親会で、その中でも一番の若手メンバーに、すべらない話をやってみて、と言った。
ところが、指名された若手は、とんでもない内容の話をして、同席していたシニアなメンバーも途中から苦り切っていたので、途中で話を止めたことがある。
そのくだりは、このブログに書いている。
最近、その若手メンバーであるT君と一緒に仕事をすることになった。
お客様のオフィスに移動中。
時間も余裕がある。
以前のことを覚えていたのか、T君が突然言い出した。
「すべらない話をしましょうか」
「なんや、突然に」
僕は答えながらも、以前のすべった話のことを思い出していた。
きっとT君は、あのときのリベンジのつもりかもしれない。
T君が話し出した。
この前、スタバに寄ったときのことなのですがね。
注文を受けるところに並んでいたのです。
僕の前には、結構年輩のおばさん。
そのひとつ前には、女子大生が並んでおったのです。
どうやら女子大生は、先に席取りをしている女子大生のグループの代表で注文をするために並んでいたのです。
店の奥の方のソファには、20人近い女子大生が集まって、結構賑やかに話をしています。
僕も好きな方ですから、注文に並んでいる彼女とその友人達の集団に目をやりながら、にやにやしていました。
すると彼女は、「レイコー 18」と注文したのです。
レイコー、そうです、アイスコーヒーを関西ではレイコ-と言うでしょ。
アイスコーヒーを18個頼んだのですね。
次に、僕のひとつ前のおばさんの番です。
おばさんは、どうやらスタバに並んで注文するのに慣れていないのか、壁に書いてあるメニューをきょろきょろしながら、見ていったのです。
「よしみ、54」
分かりますか、とT君は誇らしげに僕の方を見ています。
「当たり前や、分かるわ。おばさんは、前の女子大生のレイコーと言ったのを、名前のレイコと勘違いしたのだろう。
注文する時には、名前と年をいわなあかんと思って、自分の名前のよしみ、と年齢54を言ったわけだ。
そんなのはすべらない話とは言わんやろ」
T君は僕がそういうと不満そうな表情をした。
「それはギャグみたいなもんや。
以前こんな話があったけど、それに近い話や。
村田英雄って知っているか」
「いえ、知りませんね」
「なんや,知らんのか。三波春夫と同じころの演歌歌手だ。王将という歌がヒットしたのやけどな」
「ああ、三波春夫は知っています」
「まあ、三波春夫でもええんやけど、話の筋としては、豪快な村田英雄にぴったりな話や。
村田英雄が海外公演でアメリカに行ったときのことや。
アメリカの空港について、通関をするときに、質問されたんや。
SEX?と英語で言われた。
通関でそんな質問をするのもおかしいかもしれないが、質問されたわけだ。
MALE or FEMALE,
男性か、女性かって、見れば分かるのにね。
それで村田英雄は堂々と胸を張って答えたんだ。
日本男子として、アメリカの通関の役人に小馬鹿にされてはいけない。
“週1回”ってね」
「それ、面白いですね」
「まぁ、面白いけど、瞬間芸のようなネタだね」
笑いの道は奧が深い。
精進あるのみ。

ところが、指名された若手は、とんでもない内容の話をして、同席していたシニアなメンバーも途中から苦り切っていたので、途中で話を止めたことがある。
そのくだりは、このブログに書いている。
最近、その若手メンバーであるT君と一緒に仕事をすることになった。
お客様のオフィスに移動中。
時間も余裕がある。
以前のことを覚えていたのか、T君が突然言い出した。
「すべらない話をしましょうか」
「なんや、突然に」
僕は答えながらも、以前のすべった話のことを思い出していた。
きっとT君は、あのときのリベンジのつもりかもしれない。
T君が話し出した。
この前、スタバに寄ったときのことなのですがね。
注文を受けるところに並んでいたのです。
僕の前には、結構年輩のおばさん。
そのひとつ前には、女子大生が並んでおったのです。
どうやら女子大生は、先に席取りをしている女子大生のグループの代表で注文をするために並んでいたのです。
店の奥の方のソファには、20人近い女子大生が集まって、結構賑やかに話をしています。
僕も好きな方ですから、注文に並んでいる彼女とその友人達の集団に目をやりながら、にやにやしていました。
すると彼女は、「レイコー 18」と注文したのです。
レイコー、そうです、アイスコーヒーを関西ではレイコ-と言うでしょ。
アイスコーヒーを18個頼んだのですね。
次に、僕のひとつ前のおばさんの番です。
おばさんは、どうやらスタバに並んで注文するのに慣れていないのか、壁に書いてあるメニューをきょろきょろしながら、見ていったのです。
「よしみ、54」
分かりますか、とT君は誇らしげに僕の方を見ています。
「当たり前や、分かるわ。おばさんは、前の女子大生のレイコーと言ったのを、名前のレイコと勘違いしたのだろう。
注文する時には、名前と年をいわなあかんと思って、自分の名前のよしみ、と年齢54を言ったわけだ。
そんなのはすべらない話とは言わんやろ」
T君は僕がそういうと不満そうな表情をした。
「それはギャグみたいなもんや。
以前こんな話があったけど、それに近い話や。
村田英雄って知っているか」
「いえ、知りませんね」
「なんや,知らんのか。三波春夫と同じころの演歌歌手だ。王将という歌がヒットしたのやけどな」
「ああ、三波春夫は知っています」
「まあ、三波春夫でもええんやけど、話の筋としては、豪快な村田英雄にぴったりな話や。
村田英雄が海外公演でアメリカに行ったときのことや。
アメリカの空港について、通関をするときに、質問されたんや。
SEX?と英語で言われた。
通関でそんな質問をするのもおかしいかもしれないが、質問されたわけだ。
MALE or FEMALE,
男性か、女性かって、見れば分かるのにね。
それで村田英雄は堂々と胸を張って答えたんだ。
日本男子として、アメリカの通関の役人に小馬鹿にされてはいけない。
“週1回”ってね」
「それ、面白いですね」
「まぁ、面白いけど、瞬間芸のようなネタだね」
笑いの道は奧が深い。
精進あるのみ。
