手帳
- 2016/03/23
- 00:00
IT会社に勤務していたときは、会社の手帳を毎年使い続けていた。
毎年使っていると、すっかりこのタイプの手帳に慣れてしまう。
25年以上使っていたことになる。
退職してからも、手に入れるのは難しいことではない。
在籍している連中からもらうのである。
ところが、ある年から会社が手帳を作らなくなってしまった。
会社の方針変更である。
もともとこういう手帳やカレンダーというのは、会社がお客様への記念品として用意するものである。
営業用の経費といえば、必要かもしれないが、日本独特の慣習のようだ。
カレンダーや手帳を、ある会社のものを使えば、その会社に愛着を感じて、製品を選ぶときに、親近感のあるので買ってくれるということがあるかもしれないが、割り切って考えると、それは甚だあやしいものである。
無駄な経費と言えるかもしれない。
特に外資系の会社では、トップに日本の事情に理解を示さない外国人がやってくると、ばっさりと予算を切られる対象となる。
長年使っていた手帳には、使いやすさが一番でこれからも使い続けたかったが、それもできなくなったわけだ。
新しい手帳を選ばなければいけない。
これは悩むものである。
今まで長年慣れ親しんだタイプがあるので、それとぴったり同じものがあればよいのだが、なかなか同じものはないのだ。
結局いろいろ選んで新しい手帳を購入した。
いままでよりもサイズは大きいが、結構気に入った。
基本的なカレンダーのレイアウトは、左のページに1週間の予定を書き、右のページがメモ書きができるというものだ。
サイズが大きいので、いつもスーツの内ポケットに入れるということはなかったが、鞄のなかに入れて、毎日持ち歩いていた。
どこかに行って行方不明になったりすることもなかった。
以前の会社の手帳はサイズが小さいせいか、たまにどこかに家出をしたように、所在が分からなくなることがあった。
それでも、数日もすると戻ってくるのだが、行方不明の期間中は、面倒である。
今度の手帳は、サイズが大きいせいだろう。
姿を隠すことはなかった。
大きいことはそういうメリットもある。
外側のカバーは、皮革で高級感もあるが、肌触りがよかった。
1年間使い、翌年も同じものを買おうと思って、年末に文具屋に行って探してみる。
ところが、どこの文房具屋に行っても、大型書店の手帳のコーナーに行ってもないのである。
メーカー名は、分かっているので、WEBで調べてみたが、どうやら同じタイプの手帳は製造を中止したようだ。
評判が悪かったのか、やや高めの価格設定で売れなかったのか、理由は分からないが、メーカーのホームページを見ても同じ型番のものがない。
WEBからの問い合わせサイトがあったので、質問を送ることにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昨年12月に貴社の手帳を購入し、1年間使ってきました。
非常に気に入っていまして、来年も使いたいと思って、探していますが、見つかりません。
表紙に”The Diary factory 14" と書いてあります。
サイズは、160x98x10 です。
前年12月から翌年の3月まで使用可能なものです。
生産を今年は止めたのでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この手帳の気にいったところはいくつかあるのは、前述したとおりであるが、手帳の書ける範囲が前年の12月から翌年の3月までというところも、そのひとつである。
年末が近づくと、翌年の予定も入ってくるので、翌年の3月まで書くことができるのは、便利である。
返事は2日後に来た。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
平素はダイゴー製品をご愛顧いただき、誠に有難うございます。
また、この度弊社製品をご支持いただき感謝いたします。
CONNECT GRAPHIC へのお問い合わせをいただき有難うございます。
ご指摘いただきました
”The Diary factory 14" と表紙にデザインされている
「CONNECT GRAPHIC B7N 」サイズ(155×91mm)のバリエーションは
誠に勝手ではございますが
2014年度1月版をもちまして廃盤とさせていただきました。
製品をご愛用いただいておりましたお客様には ご迷惑とご不便をおかけします事
お詫び申し上げます。
製品へのご支持を頂き、重ねて御礼申し上げます。
ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。
今後とも弊社製品をご愛用いただきますようお願いいたします。
敬具
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
僕が初めて使い始めた年の1月には、すでに廃盤となっていたとある。
手帳とは違うが、名著と言われいてる本、特に専門書は、売れないために絶版になることがある。
それと似ているようなところがある。
折角返事をもらったので、さらに返事を書いた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ご回答ありがとうございます。
貴社製品で近いものを探したのですが、見つかりませんでしたので、残念ながら他社の手帳を購入しました。
気に入ったのは、以下の点です。
1.表紙カバーがよい。
感触、高級感、色合いがよかったです。これに匹敵するものはないのではないでしょうか。
2.サイズ
縦長。1週間分を縦長で左ページに余裕を持って書き込める。
3.翌年の3月まで書き込める
来年復活しましたら、教えてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さすがにこれには返事がなかった。
一消費者の意見など相手にしていては、ビジネスはまわらないのだろう。
結局、お気に入りの手帳が手に入らなかった年は、いろいろ探した結果、サイズだけは近いが、表紙の肌触りは全く違うものになってしまった。
その次の年は、せめて肌触りの近いものということで、お気に入りに近い感じのものにした。
これはこれで、カバーの感触を気にいっている。
でも、2年前に手にした、あの手帳を超えるのは無理だ。
いつかあのお気に入りが復活することを、期待せずに待つことにしよう。
左から2016年、2015年、2014年の手帳

一番お気に入りの2014年の手帳

毎年使っていると、すっかりこのタイプの手帳に慣れてしまう。
25年以上使っていたことになる。
退職してからも、手に入れるのは難しいことではない。
在籍している連中からもらうのである。
ところが、ある年から会社が手帳を作らなくなってしまった。
会社の方針変更である。
もともとこういう手帳やカレンダーというのは、会社がお客様への記念品として用意するものである。
営業用の経費といえば、必要かもしれないが、日本独特の慣習のようだ。
カレンダーや手帳を、ある会社のものを使えば、その会社に愛着を感じて、製品を選ぶときに、親近感のあるので買ってくれるということがあるかもしれないが、割り切って考えると、それは甚だあやしいものである。
無駄な経費と言えるかもしれない。
特に外資系の会社では、トップに日本の事情に理解を示さない外国人がやってくると、ばっさりと予算を切られる対象となる。
長年使っていた手帳には、使いやすさが一番でこれからも使い続けたかったが、それもできなくなったわけだ。
新しい手帳を選ばなければいけない。
これは悩むものである。
今まで長年慣れ親しんだタイプがあるので、それとぴったり同じものがあればよいのだが、なかなか同じものはないのだ。
結局いろいろ選んで新しい手帳を購入した。
いままでよりもサイズは大きいが、結構気に入った。
基本的なカレンダーのレイアウトは、左のページに1週間の予定を書き、右のページがメモ書きができるというものだ。
サイズが大きいので、いつもスーツの内ポケットに入れるということはなかったが、鞄のなかに入れて、毎日持ち歩いていた。
どこかに行って行方不明になったりすることもなかった。
以前の会社の手帳はサイズが小さいせいか、たまにどこかに家出をしたように、所在が分からなくなることがあった。
それでも、数日もすると戻ってくるのだが、行方不明の期間中は、面倒である。
今度の手帳は、サイズが大きいせいだろう。
姿を隠すことはなかった。
大きいことはそういうメリットもある。
外側のカバーは、皮革で高級感もあるが、肌触りがよかった。
1年間使い、翌年も同じものを買おうと思って、年末に文具屋に行って探してみる。
ところが、どこの文房具屋に行っても、大型書店の手帳のコーナーに行ってもないのである。
メーカー名は、分かっているので、WEBで調べてみたが、どうやら同じタイプの手帳は製造を中止したようだ。
評判が悪かったのか、やや高めの価格設定で売れなかったのか、理由は分からないが、メーカーのホームページを見ても同じ型番のものがない。
WEBからの問い合わせサイトがあったので、質問を送ることにした。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
昨年12月に貴社の手帳を購入し、1年間使ってきました。
非常に気に入っていまして、来年も使いたいと思って、探していますが、見つかりません。
表紙に”The Diary factory 14" と書いてあります。
サイズは、160x98x10 です。
前年12月から翌年の3月まで使用可能なものです。
生産を今年は止めたのでしょうか。
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この手帳の気にいったところはいくつかあるのは、前述したとおりであるが、手帳の書ける範囲が前年の12月から翌年の3月までというところも、そのひとつである。
年末が近づくと、翌年の予定も入ってくるので、翌年の3月まで書くことができるのは、便利である。
返事は2日後に来た。
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平素はダイゴー製品をご愛顧いただき、誠に有難うございます。
また、この度弊社製品をご支持いただき感謝いたします。
CONNECT GRAPHIC へのお問い合わせをいただき有難うございます。
ご指摘いただきました
”The Diary factory 14" と表紙にデザインされている
「CONNECT GRAPHIC B7N 」サイズ(155×91mm)のバリエーションは
誠に勝手ではございますが
2014年度1月版をもちまして廃盤とさせていただきました。
製品をご愛用いただいておりましたお客様には ご迷惑とご不便をおかけします事
お詫び申し上げます。
製品へのご支持を頂き、重ねて御礼申し上げます。
ご不明点等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。
今後とも弊社製品をご愛用いただきますようお願いいたします。
敬具
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僕が初めて使い始めた年の1月には、すでに廃盤となっていたとある。
手帳とは違うが、名著と言われいてる本、特に専門書は、売れないために絶版になることがある。
それと似ているようなところがある。
折角返事をもらったので、さらに返事を書いた。
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ご回答ありがとうございます。
貴社製品で近いものを探したのですが、見つかりませんでしたので、残念ながら他社の手帳を購入しました。
気に入ったのは、以下の点です。
1.表紙カバーがよい。
感触、高級感、色合いがよかったです。これに匹敵するものはないのではないでしょうか。
2.サイズ
縦長。1週間分を縦長で左ページに余裕を持って書き込める。
3.翌年の3月まで書き込める
来年復活しましたら、教えてください。
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さすがにこれには返事がなかった。
一消費者の意見など相手にしていては、ビジネスはまわらないのだろう。
結局、お気に入りの手帳が手に入らなかった年は、いろいろ探した結果、サイズだけは近いが、表紙の肌触りは全く違うものになってしまった。
その次の年は、せめて肌触りの近いものということで、お気に入りに近い感じのものにした。
これはこれで、カバーの感触を気にいっている。
でも、2年前に手にした、あの手帳を超えるのは無理だ。
いつかあのお気に入りが復活することを、期待せずに待つことにしよう。
左から2016年、2015年、2014年の手帳

一番お気に入りの2014年の手帳
