びりではない!
- 2016/04/08
- 00:00
高校のころは、一学年に200人くらいの生徒が在籍していた。
通知簿には試験の点数が、100点満点の数字がそのまま書かれている。
60点未満は赤点であり、通知簿には、見事な朱色のインクを使って書かれる。
ちなみに全部の数値は、担任の先生が手書きをされている。
考えてみれば、これは大変な作業だ。
もちろん鉛筆ではなく、万年筆で書くことになるので、間違えて書くと、それは大変だ。
大変というか修正しようがないので、当時は、カミソリで書いた数字を削って消したのだろうか。
幸い、僕の通知簿にはそのような痕跡はなかった。
ひとクラス50人の点数を手書きするのだ。
今なら、プリンターで印刷できるから、簡単だ。
おそらく丸一日かけて、仕上げたはずだ。
いくら先生でも、書き間違えないはずがないと思う。
各教科の点数が全部100点満点で書かれている。
期末試験の後になると10個以上の教科の合計点が計算されて、その点数で学年の席次が決まる。
1番から200番くらいまでの数字が書き込まれるのである。
あまり成績の良くない生徒がいた。
A君としよう。
友人のB君もどっこいどっこいの成績だ。
春休みに入る前の学年末の終業式の日。
二人は通知簿を受け取った。
こっそりと二人だけで話をしている。
A君「よかったわ、どべにはならなかったわ」
B君「そうか、俺もどうにかビリにはならなかったぞ」
二人は安心した顔で笑いあった。
その年は、201人の生徒が在籍していた。
お互いに席次は言わなかったが、二人とも201番ではなかったのだ。
お互いに席次を言わなかったのは、本当によかったことだった。
A君、200番。
B君も200番だったのだ。
そう二人は同点だったのだ。
ということは、通知簿に201番と書かれた者はいなかったのである。
二人がそろって最下位の成績だったのだ。
二人とも、ビリではないと思ったのも当然なことだが、実は、二人ともが同点でビリだったのだ。

通知簿には試験の点数が、100点満点の数字がそのまま書かれている。
60点未満は赤点であり、通知簿には、見事な朱色のインクを使って書かれる。
ちなみに全部の数値は、担任の先生が手書きをされている。
考えてみれば、これは大変な作業だ。
もちろん鉛筆ではなく、万年筆で書くことになるので、間違えて書くと、それは大変だ。
大変というか修正しようがないので、当時は、カミソリで書いた数字を削って消したのだろうか。
幸い、僕の通知簿にはそのような痕跡はなかった。
ひとクラス50人の点数を手書きするのだ。
今なら、プリンターで印刷できるから、簡単だ。
おそらく丸一日かけて、仕上げたはずだ。
いくら先生でも、書き間違えないはずがないと思う。
各教科の点数が全部100点満点で書かれている。
期末試験の後になると10個以上の教科の合計点が計算されて、その点数で学年の席次が決まる。
1番から200番くらいまでの数字が書き込まれるのである。
あまり成績の良くない生徒がいた。
A君としよう。
友人のB君もどっこいどっこいの成績だ。
春休みに入る前の学年末の終業式の日。
二人は通知簿を受け取った。
こっそりと二人だけで話をしている。
A君「よかったわ、どべにはならなかったわ」
B君「そうか、俺もどうにかビリにはならなかったぞ」
二人は安心した顔で笑いあった。
その年は、201人の生徒が在籍していた。
お互いに席次は言わなかったが、二人とも201番ではなかったのだ。
お互いに席次を言わなかったのは、本当によかったことだった。
A君、200番。
B君も200番だったのだ。
そう二人は同点だったのだ。
ということは、通知簿に201番と書かれた者はいなかったのである。
二人がそろって最下位の成績だったのだ。
二人とも、ビリではないと思ったのも当然なことだが、実は、二人ともが同点でビリだったのだ。
