ぴーぴーだっしゅ
- 2015/02/11
- 00:00
学生のときは水泳部にいた。
夏は競泳。それ以外は水球をやっていた。
水球というのは、水中の格闘技でもある。当時は体重が軽かった僕には、向いている競技ではなかったかもしれない。
水中のバスケットボールに似ている。
ゴールの形からは、ハンドボールのほうが近いかもしれない。ハンドボールの場合は、攻撃の選手が入ることができる場所に制限があるが、水球の場合は、無制限である。
攻撃と守備は、1対1のマンツーマンとなる。
陸の上と違い、自分がマークをしている選手に離されると追いつくことは、水の中では、至難の業である。離された選手にボールがパスされると、得点が入る可能性は格段に高くなる。そのため自分がマークでついている選手からは、決して離されてはいけない。
審判はプールサイドにいて、目を光らせているが、なかなか水中まで目が届かないことがある。マークをしている選手の手首をつかんだり、場合によっては、水着をつかむこともある。見つかれば反則であるが、水の中で審判に分からないようにするわけだ。
その過激さのゆえに、水中の格闘技とも言われるのだ。女子にも水球競技がある。女子の場合は、水着を2枚つけるということを聞いたことがある。マークをしあっているときに、水着をつかんで、破ってしまうこともあるのだろう。
そんな話しが広まると、不謹慎ではあるが、女子だけ人気がでるかもしれない。
日本ではまだまだマイナーな競技である。
その水球の練習メニューに、ピーピーダッシュと呼んでいるものがあった。
水球では、急にダッシュをしたり、あるいは止まったり、方向を変えたりすることが必要になる。そのための練習だ。
まず、水中で腰を浮かせて,足を動かしながら浮力をつけ、上半身は前がかみになる。
もちろん、常に顔は水面に出していなければいけない。
その状態で止まっている。
練習では、プールサイドのコーチが,笛を鳴らすと、選手は、足を使って、ダッシュするのだ。出足というやりかたで、右足と左足で、水をはさむような感じだ。
スタートすると、顔をあげたまま、肘をまげて、短いストロークでピッチをあげて、泳ぐ。
泳ぎ方はクロールに似ているが、クロールではない。
顔を常に上げていること。肘を曲げて、短くかくこと。ピッチが速いこと。それがクロールと違う。
ある距離を泳ぐと、コーチの笛が鳴る。
せいぜい5メートルくらいだ。
そこで止まって、再び、水中で停止した状態で浮いている。
水球を知らない人は、プールの底に足がついていると思っている人が多いが、決してプールの底に足はつけない。
常に浮いているか、泳いでいるのだ。
再びコーチの笛が鳴ると、またダッシュをする。
この繰り返しだ。
結構きつい。
笛が鳴っては、ダッシュするので、これをピーピーダッシュと呼んでいた。
他のチームでも同じ呼び方をしていたかどうかは、分からない。
急にピーピーダッシュを思い出したのには、訳がある。
同僚がオフィスに来るのが遅れていた。
携帯電話が鳴った。
電車に乗って、座っていたら,急に便意を催したというのだ。
発車間際の電車から、慌てて飛び降りて、トイレに駆け込んだ。
お腹が収まるまで時間がかかって、薬局にも行ったので、遅れたということだった。
「そうか、大変だったな。ピーピーダッシュやな」と電話口で軽口をたたくと、彼は、
「はぁ?」とつぶやいた。
きょとんとしている顔が目に浮かぶ。

夏は競泳。それ以外は水球をやっていた。
水球というのは、水中の格闘技でもある。当時は体重が軽かった僕には、向いている競技ではなかったかもしれない。
水中のバスケットボールに似ている。
ゴールの形からは、ハンドボールのほうが近いかもしれない。ハンドボールの場合は、攻撃の選手が入ることができる場所に制限があるが、水球の場合は、無制限である。
攻撃と守備は、1対1のマンツーマンとなる。
陸の上と違い、自分がマークをしている選手に離されると追いつくことは、水の中では、至難の業である。離された選手にボールがパスされると、得点が入る可能性は格段に高くなる。そのため自分がマークでついている選手からは、決して離されてはいけない。
審判はプールサイドにいて、目を光らせているが、なかなか水中まで目が届かないことがある。マークをしている選手の手首をつかんだり、場合によっては、水着をつかむこともある。見つかれば反則であるが、水の中で審判に分からないようにするわけだ。
その過激さのゆえに、水中の格闘技とも言われるのだ。女子にも水球競技がある。女子の場合は、水着を2枚つけるということを聞いたことがある。マークをしあっているときに、水着をつかんで、破ってしまうこともあるのだろう。
そんな話しが広まると、不謹慎ではあるが、女子だけ人気がでるかもしれない。
日本ではまだまだマイナーな競技である。
その水球の練習メニューに、ピーピーダッシュと呼んでいるものがあった。
水球では、急にダッシュをしたり、あるいは止まったり、方向を変えたりすることが必要になる。そのための練習だ。
まず、水中で腰を浮かせて,足を動かしながら浮力をつけ、上半身は前がかみになる。
もちろん、常に顔は水面に出していなければいけない。
その状態で止まっている。
練習では、プールサイドのコーチが,笛を鳴らすと、選手は、足を使って、ダッシュするのだ。出足というやりかたで、右足と左足で、水をはさむような感じだ。
スタートすると、顔をあげたまま、肘をまげて、短いストロークでピッチをあげて、泳ぐ。
泳ぎ方はクロールに似ているが、クロールではない。
顔を常に上げていること。肘を曲げて、短くかくこと。ピッチが速いこと。それがクロールと違う。
ある距離を泳ぐと、コーチの笛が鳴る。
せいぜい5メートルくらいだ。
そこで止まって、再び、水中で停止した状態で浮いている。
水球を知らない人は、プールの底に足がついていると思っている人が多いが、決してプールの底に足はつけない。
常に浮いているか、泳いでいるのだ。
再びコーチの笛が鳴ると、またダッシュをする。
この繰り返しだ。
結構きつい。
笛が鳴っては、ダッシュするので、これをピーピーダッシュと呼んでいた。
他のチームでも同じ呼び方をしていたかどうかは、分からない。
急にピーピーダッシュを思い出したのには、訳がある。
同僚がオフィスに来るのが遅れていた。
携帯電話が鳴った。
電車に乗って、座っていたら,急に便意を催したというのだ。
発車間際の電車から、慌てて飛び降りて、トイレに駆け込んだ。
お腹が収まるまで時間がかかって、薬局にも行ったので、遅れたということだった。
「そうか、大変だったな。ピーピーダッシュやな」と電話口で軽口をたたくと、彼は、
「はぁ?」とつぶやいた。
きょとんとしている顔が目に浮かぶ。
