病院のエレベータ
- 2016/04/29
- 00:00
IT会社で仕事をしているときに、お客様として大学を担当している時期が長かった。
大学のなかには、医学部もあり、大学病院もある。
大学病院のビジネスは、規模も大きく、4年や5年での更新となるが、営業活動を始めると結構長期間の仕事となる。
大学病院を専門に担当しているベテランの営業の人がいた。
Hさんという。
Hさんとは、10年以上も前に、一度一緒にお客様を訪問したことがある。
当時は病院担当ではなかったが、大阪のおっさんらしいノリで、お客様とリレーションを作っていた。
Hさんは病院担当に変わってからも、ほぼ毎年大きな仕事をやっていた。
この世界は、他のお客様とは違う、独特のやりかたがあり、若い営業がいきなり担当してもうまくいくことはない。
Hさんと大学病院を訪問したときのことだ。
地方の大学で、泊まりでの出張となった。
Hさんお薦めのホテルに泊まる。
このホテルのユニークなところは、ビジネスホテルでありなが、部屋に付いている風呂が家庭風呂と同じように、浴槽の外で体を洗えることだ。
翌日、いよいよ大学病院に入る。
Hさんは、何度も訪問しているが、僕は初めての訪問となる。
エレベーターに乗り込む。
エレベータに乗り、行先の階のボタンを押す。
Hさんの指先がなにか違う。
僕が不思議そうにHさんの手を見ていると、Hさんは誇らしげに言うのだ。
「病院でなにかを触るときは手の甲のほうで触らんとあかんのや。
いつものように、こうやって指先で押したりすると、感染しやすいのや」
そう断言されると、なるほど手の内側、指先の内側の皮膚の柔らかいところで触ると、菌が体に入ってくるのかという気になる。
だが、指に傷がなければ、そんなことはないだろう。
傷があれば、手の甲であっても、感染するのではないか。
でも、そう考えたのは、ずっと後になってからで、Hさんに、こういうふうに触るんだとハッキリと言われたときは、なるほどと思っていたのだ。
その道の先輩の言うことがなんでも正しいとは限らないのだ。

大学のなかには、医学部もあり、大学病院もある。
大学病院のビジネスは、規模も大きく、4年や5年での更新となるが、営業活動を始めると結構長期間の仕事となる。
大学病院を専門に担当しているベテランの営業の人がいた。
Hさんという。
Hさんとは、10年以上も前に、一度一緒にお客様を訪問したことがある。
当時は病院担当ではなかったが、大阪のおっさんらしいノリで、お客様とリレーションを作っていた。
Hさんは病院担当に変わってからも、ほぼ毎年大きな仕事をやっていた。
この世界は、他のお客様とは違う、独特のやりかたがあり、若い営業がいきなり担当してもうまくいくことはない。
Hさんと大学病院を訪問したときのことだ。
地方の大学で、泊まりでの出張となった。
Hさんお薦めのホテルに泊まる。
このホテルのユニークなところは、ビジネスホテルでありなが、部屋に付いている風呂が家庭風呂と同じように、浴槽の外で体を洗えることだ。
翌日、いよいよ大学病院に入る。
Hさんは、何度も訪問しているが、僕は初めての訪問となる。
エレベーターに乗り込む。
エレベータに乗り、行先の階のボタンを押す。
Hさんの指先がなにか違う。
僕が不思議そうにHさんの手を見ていると、Hさんは誇らしげに言うのだ。
「病院でなにかを触るときは手の甲のほうで触らんとあかんのや。
いつものように、こうやって指先で押したりすると、感染しやすいのや」
そう断言されると、なるほど手の内側、指先の内側の皮膚の柔らかいところで触ると、菌が体に入ってくるのかという気になる。
だが、指に傷がなければ、そんなことはないだろう。
傷があれば、手の甲であっても、感染するのではないか。
でも、そう考えたのは、ずっと後になってからで、Hさんに、こういうふうに触るんだとハッキリと言われたときは、なるほどと思っていたのだ。
その道の先輩の言うことがなんでも正しいとは限らないのだ。
