髪、切りましたか
- 2016/08/17
- 00:00
時々、昼飯を買うコンビニがある。
野菜をできるだけ取るために、サラダとサンドイッチ、それとおにぎりを一つ買う。
一人分のときもあるが、二人分を買うこともある。
昼時には、いつも若い体格のいい兄さんがレジの中にいる。
大柄で、ひげも濃い。
およそ小回りが利くタイプではない。
体が大きい分、他の女性のパートの店員に比べると、レスポンスが悪い。
籠のなかの量に関係なく、箸は一膳でよろしいですか、と聞いてくる。
二人分を買ったときなので、絶対に一人分には見えないはずだ。
あんたは、これだけの量を一人で食べるかもしれないが、僕は、大食漢ではない。
そんなに食べるはずないだろう。
ところが、毎回同じことを言ってくる。
箸は一膳でよろしいですか。
いい加減覚えんかい、と言いたくなる。
しばらく行くことがなく、久しぶりに立ち寄った。
レジに、いつもの小太りの兄ちゃんがいる。
今日はコンビニでの振り込み処理である。
通常の買い物よりも、長い時間がかかる。
処理が終わって、レシートをしまおうとしたときだ。
「髪を切られましたか」と言う。
これには、返事をせずに、笑ってしまった。
女性店員から聞かれたら、愛想良く、返事をしたのに違いないが、こいつがこんなことを質問するのか、と意外な一撃に一瞬たじろいでしまった。
しかも、こういう質問をするというのは、僕のことを覚えているのだ。
コンビニのカウンターのなかで仕事をしたことはないので、店に来る客の顔をどれだけ覚えられるのか、こちらとしては分からない。
だが、この若い兄ちゃんは、明らかに覚えているのだ。
気持ち悪さが先にたって、そそくさと店を後にしてしまった。
今度行くときは、どんな顔をしようかと思った。
確かに、最近散髪に行ったので、髪は短めになっているが、よく見ないと分からない程度である。
この兄ちゃんが、そこまで見ていたのも気持ちが悪くなった。
この年で、男色好きに狙われることはないだろうが、よけいなことまで想像してしまった。
ああ、気持ちわるい。

(この写真と本文とは関係ありません)
野菜をできるだけ取るために、サラダとサンドイッチ、それとおにぎりを一つ買う。
一人分のときもあるが、二人分を買うこともある。
昼時には、いつも若い体格のいい兄さんがレジの中にいる。
大柄で、ひげも濃い。
およそ小回りが利くタイプではない。
体が大きい分、他の女性のパートの店員に比べると、レスポンスが悪い。
籠のなかの量に関係なく、箸は一膳でよろしいですか、と聞いてくる。
二人分を買ったときなので、絶対に一人分には見えないはずだ。
あんたは、これだけの量を一人で食べるかもしれないが、僕は、大食漢ではない。
そんなに食べるはずないだろう。
ところが、毎回同じことを言ってくる。
箸は一膳でよろしいですか。
いい加減覚えんかい、と言いたくなる。
しばらく行くことがなく、久しぶりに立ち寄った。
レジに、いつもの小太りの兄ちゃんがいる。
今日はコンビニでの振り込み処理である。
通常の買い物よりも、長い時間がかかる。
処理が終わって、レシートをしまおうとしたときだ。
「髪を切られましたか」と言う。
これには、返事をせずに、笑ってしまった。
女性店員から聞かれたら、愛想良く、返事をしたのに違いないが、こいつがこんなことを質問するのか、と意外な一撃に一瞬たじろいでしまった。
しかも、こういう質問をするというのは、僕のことを覚えているのだ。
コンビニのカウンターのなかで仕事をしたことはないので、店に来る客の顔をどれだけ覚えられるのか、こちらとしては分からない。
だが、この若い兄ちゃんは、明らかに覚えているのだ。
気持ち悪さが先にたって、そそくさと店を後にしてしまった。
今度行くときは、どんな顔をしようかと思った。
確かに、最近散髪に行ったので、髪は短めになっているが、よく見ないと分からない程度である。
この兄ちゃんが、そこまで見ていたのも気持ちが悪くなった。
この年で、男色好きに狙われることはないだろうが、よけいなことまで想像してしまった。
ああ、気持ちわるい。

(この写真と本文とは関係ありません)