京都殺人案内
- 2016/09/16
- 00:00
博多から地下鉄に乗って、そのまま実際はJRになるのだが、佐賀県の唐津まで行ったことを書いた。
それは30年くらい前の話だ。
佐賀県の唐津に出張に行ったことを思い出すと、芋づる式に記憶の奥底から出てくるものがある。
TVドラマの「京都殺人案内」だ。
主人公の京都の警察署の藤田まこと扮する刑事、音川音次郎、通称、音やんは、毎回必ず出張する。
それも遠距離出張である。
警察とは言え、出張については、予算もあり、上司は簡単には許可しない。
音やんは、今回の事件は、唐津まで行って、自分の足で調べないといけないと考えている。
出張申請を上司の課長、遠藤太津朗扮する捜査一課長にそろっと出す。
「音やん、えっ、佐賀まで出張かいな。どうしてもいかんといかんのか」
簡単には出張申請を認めない。
と言っても、音やんが出張申請を取り下げるとは思っていない。
渋々、申請書にハンコを押す。
「音やん、わかってるやろな。唐津やったら、唐津焼やで」
おみやげに唐津焼の陶器でも買ってこい、という半ば脅しである。
音やんは、わかってますわ、と言って、出張へ出かける。
佐賀での捜査を終えて、京都の警察署へ帰ってきた音やん。
早速課長に報告に行く。
報告を終えた後、それから、これこうてきましたわ、とお土産の唐津焼の茶碗を渡す。課長は、渡された包みをあけて、中から箱を取り出す。
箱のなかには、茶碗が一つ。
課長は、茶碗を手にとって眺める。
「おっ、音やん、ええもんこうて来てくれたんやな。結構したんと違うんか」と音やんをメガネ越しに見つめる。
音やんは、へぇと言って、片手を広げて、課長に見せる。
5本指だ。
「そんなにしたんか。それはおおきに。大事に使わせてもらうわ」と大事そうに茶碗を箱に戻す。
5万円と思ってはいないだろうが、5千円と思ったのだろう。
音やんは自席に戻る。
隣の同僚の刑事が言う。
「5千円もつかったんでっか。課長の土産に」と驚きながら言う。
音やんは、にやっと笑いながら、小さな声で言う。
「5百円や」
僕の30年前の記憶の中から、思い出した。
細かいところは大分違うかもしれないけどね。
大体こんな話だった。
音やんと課長、藤田まことと遠藤太津朗、いいコンビだった。

それは30年くらい前の話だ。
佐賀県の唐津に出張に行ったことを思い出すと、芋づる式に記憶の奥底から出てくるものがある。
TVドラマの「京都殺人案内」だ。
主人公の京都の警察署の藤田まこと扮する刑事、音川音次郎、通称、音やんは、毎回必ず出張する。
それも遠距離出張である。
警察とは言え、出張については、予算もあり、上司は簡単には許可しない。
音やんは、今回の事件は、唐津まで行って、自分の足で調べないといけないと考えている。
出張申請を上司の課長、遠藤太津朗扮する捜査一課長にそろっと出す。
「音やん、えっ、佐賀まで出張かいな。どうしてもいかんといかんのか」
簡単には出張申請を認めない。
と言っても、音やんが出張申請を取り下げるとは思っていない。
渋々、申請書にハンコを押す。
「音やん、わかってるやろな。唐津やったら、唐津焼やで」
おみやげに唐津焼の陶器でも買ってこい、という半ば脅しである。
音やんは、わかってますわ、と言って、出張へ出かける。
佐賀での捜査を終えて、京都の警察署へ帰ってきた音やん。
早速課長に報告に行く。
報告を終えた後、それから、これこうてきましたわ、とお土産の唐津焼の茶碗を渡す。課長は、渡された包みをあけて、中から箱を取り出す。
箱のなかには、茶碗が一つ。
課長は、茶碗を手にとって眺める。
「おっ、音やん、ええもんこうて来てくれたんやな。結構したんと違うんか」と音やんをメガネ越しに見つめる。
音やんは、へぇと言って、片手を広げて、課長に見せる。
5本指だ。
「そんなにしたんか。それはおおきに。大事に使わせてもらうわ」と大事そうに茶碗を箱に戻す。
5万円と思ってはいないだろうが、5千円と思ったのだろう。
音やんは自席に戻る。
隣の同僚の刑事が言う。
「5千円もつかったんでっか。課長の土産に」と驚きながら言う。
音やんは、にやっと笑いながら、小さな声で言う。
「5百円や」
僕の30年前の記憶の中から、思い出した。
細かいところは大分違うかもしれないけどね。
大体こんな話だった。
音やんと課長、藤田まことと遠藤太津朗、いいコンビだった。
