京都にて(5)
- 2016/10/28
- 00:00
京都のホテルに忘れ物を取りに行った後、お気に入りの道を歩く。
初めて来たときは、まだ暑い時だった。
川には、鴨が遊んでいた。今は秋も終わりのころ、水の流れも、あの時とは違う。
観光客のグループがいくつか、同じ方向に歩いている。
祇園饅頭のお店がある道に入る前に、橋がある。
そこから橋を渡らずに道なりに行くのがいつものパターンであるが、橋の方向を見てみる。
道の右手に看板が出ている。
近づくと、並河七宝記念館という名前が読める。
民家がそのまま記念館になっているようだ。
入口から中をのぞくと受付のようなところで、先客の年輩の人がいる。
かなり高齢にお見受けする二人である。
中に入ることにした。
入場料は600円である。結構高い気がしたが、見たこともない場所なので、入って見ることにした。
受付の向こうには、並河靖之という人のことを紹介している。
どうやら七宝焼きに生涯をかけた人のようだ。僕は全く知らなかった。
この建物のなかで、製作を続けたという。
七宝焼きは、一人で初めから最後までできるものではなく、何人もの人が作業を分担して一つの作品ができあがる。
この展示スペースは撮影禁止なので、作品の写真を撮ることはできない。
その展示室の奥には、扉をあけると、庭が見える。
庭は写真を撮ってよいとのことで、何枚かの写真を撮る。
庭の横にも、建屋があり、ひとつは作品を並べてあり、解説を読むことができる。
その建屋の反対側に庭を挟んで、並河靖之さんの家族が住んでいたという住居がある。
靴を脱いで上がることができる。
後で分かったのだが、ここまで入れるのは期間限定の公開日となっていたからで、普段は中には入れないそうだ。
庭には池があり、大きな鯉がゆったりと泳いでいる。
家のなかに入ると、恐ろしく古いモニターがあり、数分間の解説ビデオを見ることができる。
液晶モニターではなく、ブラウン管だ。
だが、それが七宝焼きの解説には、なぜかぴったりという感じがする。
気がつくと、次々に訪れる人が増えている。
まわりには10人以上の人がいるのだ。
やはり好きな人には、いつもは見られないところに入って、この目で直に見ることができるのが、たまらない魅力なのだろう。
30分足らずの時間だったが、街のなかの不思議な空間に入り込んだ印象である。
このような経験が簡単にできるのも京都ならではのことである。
橋から見ると、遠くに並河七宝記念館の看板がある。

並河靖之七宝記念館の入り口。

庭に入っていく。

池に泳ぐ鯉たち。

庭園としては広いものではないが、ひとつひとつが丁寧に作られている。


ガラス戸の向こう側が住居。
その手前にある、石の造作もかなりのものである。
これだけの庭を維持していくのは大変だろうなぁと下世話なことを考えてしまう。

初めて来たときは、まだ暑い時だった。
川には、鴨が遊んでいた。今は秋も終わりのころ、水の流れも、あの時とは違う。
観光客のグループがいくつか、同じ方向に歩いている。
祇園饅頭のお店がある道に入る前に、橋がある。
そこから橋を渡らずに道なりに行くのがいつものパターンであるが、橋の方向を見てみる。
道の右手に看板が出ている。
近づくと、並河七宝記念館という名前が読める。
民家がそのまま記念館になっているようだ。
入口から中をのぞくと受付のようなところで、先客の年輩の人がいる。
かなり高齢にお見受けする二人である。
中に入ることにした。
入場料は600円である。結構高い気がしたが、見たこともない場所なので、入って見ることにした。
受付の向こうには、並河靖之という人のことを紹介している。
どうやら七宝焼きに生涯をかけた人のようだ。僕は全く知らなかった。
この建物のなかで、製作を続けたという。
七宝焼きは、一人で初めから最後までできるものではなく、何人もの人が作業を分担して一つの作品ができあがる。
この展示スペースは撮影禁止なので、作品の写真を撮ることはできない。
その展示室の奥には、扉をあけると、庭が見える。
庭は写真を撮ってよいとのことで、何枚かの写真を撮る。
庭の横にも、建屋があり、ひとつは作品を並べてあり、解説を読むことができる。
その建屋の反対側に庭を挟んで、並河靖之さんの家族が住んでいたという住居がある。
靴を脱いで上がることができる。
後で分かったのだが、ここまで入れるのは期間限定の公開日となっていたからで、普段は中には入れないそうだ。
庭には池があり、大きな鯉がゆったりと泳いでいる。
家のなかに入ると、恐ろしく古いモニターがあり、数分間の解説ビデオを見ることができる。
液晶モニターではなく、ブラウン管だ。
だが、それが七宝焼きの解説には、なぜかぴったりという感じがする。
気がつくと、次々に訪れる人が増えている。
まわりには10人以上の人がいるのだ。
やはり好きな人には、いつもは見られないところに入って、この目で直に見ることができるのが、たまらない魅力なのだろう。
30分足らずの時間だったが、街のなかの不思議な空間に入り込んだ印象である。
このような経験が簡単にできるのも京都ならではのことである。
橋から見ると、遠くに並河七宝記念館の看板がある。

並河靖之七宝記念館の入り口。

庭に入っていく。

池に泳ぐ鯉たち。

庭園としては広いものではないが、ひとつひとつが丁寧に作られている。


ガラス戸の向こう側が住居。
その手前にある、石の造作もかなりのものである。
これだけの庭を維持していくのは大変だろうなぁと下世話なことを考えてしまう。
