弘前にて(5)
- 2016/11/08
- 00:00
弘前城に車が近づく。
9年前に来た時は、講演会を弘前城の前にある弘前文化センターで行った。
季節は今と同じ秋だったが、1ヶ月くらい遅かった。
弘前城の紅葉が見事だったことを記憶している。
あの時は、弘前城を見てから、津軽まで足を伸ばし、太宰治の斜陽館にも行った。
今回は、帰りの便が早いこともあり、そこまで行く時間がない。
前回は、弘前文化センターの近くの門である、東門からはいり、石橋を渡り、天守閣に行き、北門(亀甲門)から城を出た。
今回も入った門は、東門である。東門の外で、Uさんとは別れた。
ちょうど弘前城では、「菊と紅葉まつり」をやっている。
菊の見事な花が並ぶ。
菊の花には、中学の遠足のときのバスに酔ったイメージが重なり、その匂いが好きになれなかったのであるが、今日の菊の花の匂いは、おだやかだ。
その理由を考えて見た。遠足の時に見た菊は、大型の菊人形である。これでもかというくらいに大量の菊が使われている。
今日の菊の花は、大きな塊ではない。それぞれが控え目に遠慮しながら、咲いている。
そのつつましやかな咲き方が、僕にとってはおだやかな匂いになったのだろう。
東門を入って行く。



紅葉が盛りの樹木もある。
弘前城は、春は桜の名所である。紅葉よりもむしろ桜の花が満開のときの写真が、弘前城の顔である。その桜の木々が秋には、紅く色づく。


中濠のあたりの眺めが一番好きだ。
紅葉と水面とのバランスがいい。


ここには石橋がかかっている。
城内で唯一の石の橋だそうだ。橋と言っても長さは短い。
石橋を渡ると、東内門が出てくる。




東内門には、傘立用に鋳物の大きな甕(かめ)が置いてある。
甕の表には、七つ葉の杏葉牡丹という津軽家の家紋がつけてある。


このころには、はっきりと晴れ間が出てきた。
だが、温度はかなり低い。手足の先までしびれるような感覚である。
関西ならば、これは真冬である。

下乗橋を渡り、天守閣に向かう。
今、天守閣は工事中である。本丸の石垣修理である。
そのため、天守閣を並行移動したというから、大がかりな工事である。
だが、城としては、どうも殺風景であり、以前見たような風格がない。
前回は、観光客もまばらだったが、今回はたくさんの人が訪れている。
日本人が最も多いのだが、中国から来ているグループにも出会った。
橋のところで集団写真を撮っていたのであるが、大きな声で話をしていたので、すぐに中国の人であることが分かる。
みなさん、かなりの厚着をしている。正解だ。




天守閣を出た後、来た時と同じ下乗橋を通ったので、南内門から外に出ることになった。
こちら側から出ると植物園があり、花たちが寒い中できれいに咲いている。
城を出て、タクシーでバスターミナルに行こうか思ったが、時間もあるので、Gさんと一緒に歩くことにした。
歩けば20分くらいの距離である。
城の濠に沿って歩く。

街中を歩いていると、地方都市ではよくあることだが、歩いている地元の人には殆ど会わない。
見かけるのは、クラブに行く恰好をした中学生や高校生である。
さすがに中心部に近づくと、歩いている大人を見る。
でもそれは地元の人というより仕事で他の街から来ているような人だ。
荷物を抱えている。
ようやくバスターミナルに到着する。



9年前に来た時は、講演会を弘前城の前にある弘前文化センターで行った。
季節は今と同じ秋だったが、1ヶ月くらい遅かった。
弘前城の紅葉が見事だったことを記憶している。
あの時は、弘前城を見てから、津軽まで足を伸ばし、太宰治の斜陽館にも行った。
今回は、帰りの便が早いこともあり、そこまで行く時間がない。
前回は、弘前文化センターの近くの門である、東門からはいり、石橋を渡り、天守閣に行き、北門(亀甲門)から城を出た。
今回も入った門は、東門である。東門の外で、Uさんとは別れた。
ちょうど弘前城では、「菊と紅葉まつり」をやっている。
菊の見事な花が並ぶ。
菊の花には、中学の遠足のときのバスに酔ったイメージが重なり、その匂いが好きになれなかったのであるが、今日の菊の花の匂いは、おだやかだ。
その理由を考えて見た。遠足の時に見た菊は、大型の菊人形である。これでもかというくらいに大量の菊が使われている。
今日の菊の花は、大きな塊ではない。それぞれが控え目に遠慮しながら、咲いている。
そのつつましやかな咲き方が、僕にとってはおだやかな匂いになったのだろう。
東門を入って行く。



紅葉が盛りの樹木もある。
弘前城は、春は桜の名所である。紅葉よりもむしろ桜の花が満開のときの写真が、弘前城の顔である。その桜の木々が秋には、紅く色づく。


中濠のあたりの眺めが一番好きだ。
紅葉と水面とのバランスがいい。


ここには石橋がかかっている。
城内で唯一の石の橋だそうだ。橋と言っても長さは短い。
石橋を渡ると、東内門が出てくる。




東内門には、傘立用に鋳物の大きな甕(かめ)が置いてある。
甕の表には、七つ葉の杏葉牡丹という津軽家の家紋がつけてある。


このころには、はっきりと晴れ間が出てきた。
だが、温度はかなり低い。手足の先までしびれるような感覚である。
関西ならば、これは真冬である。

下乗橋を渡り、天守閣に向かう。
今、天守閣は工事中である。本丸の石垣修理である。
そのため、天守閣を並行移動したというから、大がかりな工事である。
だが、城としては、どうも殺風景であり、以前見たような風格がない。
前回は、観光客もまばらだったが、今回はたくさんの人が訪れている。
日本人が最も多いのだが、中国から来ているグループにも出会った。
橋のところで集団写真を撮っていたのであるが、大きな声で話をしていたので、すぐに中国の人であることが分かる。
みなさん、かなりの厚着をしている。正解だ。




天守閣を出た後、来た時と同じ下乗橋を通ったので、南内門から外に出ることになった。
こちら側から出ると植物園があり、花たちが寒い中できれいに咲いている。
城を出て、タクシーでバスターミナルに行こうか思ったが、時間もあるので、Gさんと一緒に歩くことにした。
歩けば20分くらいの距離である。
城の濠に沿って歩く。

街中を歩いていると、地方都市ではよくあることだが、歩いている地元の人には殆ど会わない。
見かけるのは、クラブに行く恰好をした中学生や高校生である。
さすがに中心部に近づくと、歩いている大人を見る。
でもそれは地元の人というより仕事で他の街から来ているような人だ。
荷物を抱えている。
ようやくバスターミナルに到着する。


