大腸内視鏡検査ふたたび(2)
- 2016/12/04
- 00:00
トイレに行くと、さすがに便は水に近い。
トイレをする前に、便の状態を見るので、流すなと看護師さんに言われる。
トイレを出て、看護師さんを呼ぶ。
看護師さんは個室のなかに入って、便の状態を見る。
といっても塊はなく、便器に残っている液体の部分の色を見るのである。
そのなかに小さな便がある。
「まだ残ってますね」と言われる。
「けいしつがありますね」
「えっ、けいしつってなんですか」
憩室というのは、腸のなかの溝のようなもので、そこに便が残りやすいのです。
と説明される。
便器のなかの小さな便を見て、その憩室ってところに溜まっていたものが出てきたものと考えたのだろう。
ベテランの看護師さんで、安心である。
元いたベッドに横になっていると、別の看護師さんが来て、これを飲んでくださいと、小さな液体の入った試験管のようなものを渡される。
下剤なのだろう。
それを飲んでベッドに横になる。
当然のごとく、しばらくすると再び便意がくる。
看護師さんに伝えて、さきほどのトイレに入る。
もう何も出てこない。水だけが一回ぴしゃっと出る。
看護師さんにもういちど便を見てもらおうと思って、試験管を渡した看護師さんに言うと、さきほど便を見た看護師さんを呼びに行く。
同じ人が見ないと違いが分からないということなのだろう。
随分連携が取れている。
患者が多い医院で、看護師さんや男性の医療担当者がいつもせわしく走り回っている医院であるが、肝心なことはきちんと情報共有しているのか。たいしたものだ。
トイレを出ると、別のベッドに案内される。
ここで待つようにということだ。
しばらくうとうとする。
目が覚める。
時計を見るともう2時を過ぎている。
なかなか検査が始まらない。
それから30分くらいして、ようやく検査室に案内される。
ベッドに横になる。
なにか薬を飲まされる。
目をつぶっていると、自然と意識がなくなっていく。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
気がつくと、検査室に入る前のベッドに寝ている。
時計を見ると4時半をまわっている。
検査の時間は30分くらいのはずだ。
検査が終わってから1時間以上はたっぷりと寝ていたことになる。
検査室から、このベッドまでどうやってきたのだろう。
しばらく目をあけたままベッドにいると、看護師さんがやってくる。
「起きられますか」
「はい、大丈夫です」
起き上がりながら、答える。
まだ、頭がぼうっとしている。
「検査の後、どうやってここまで来たのですか」と尋ねる。
「歩いてこられましたよ」
自分では全く記憶がなかった。
きっと看護師さんに手を持って誘導されたのだろう。
それにしても何の痛みもない検査だった。
意識のある状態の検査も、ある意味、面白いところがあるが、やはりこちらのほうがいい。
「先生が説明をされますので、こちらに来てください」と診察室にゆっくりとゆっくりと、入っていく。
(つづく)

トイレをする前に、便の状態を見るので、流すなと看護師さんに言われる。
トイレを出て、看護師さんを呼ぶ。
看護師さんは個室のなかに入って、便の状態を見る。
といっても塊はなく、便器に残っている液体の部分の色を見るのである。
そのなかに小さな便がある。
「まだ残ってますね」と言われる。
「けいしつがありますね」
「えっ、けいしつってなんですか」
憩室というのは、腸のなかの溝のようなもので、そこに便が残りやすいのです。
と説明される。
便器のなかの小さな便を見て、その憩室ってところに溜まっていたものが出てきたものと考えたのだろう。
ベテランの看護師さんで、安心である。
元いたベッドに横になっていると、別の看護師さんが来て、これを飲んでくださいと、小さな液体の入った試験管のようなものを渡される。
下剤なのだろう。
それを飲んでベッドに横になる。
当然のごとく、しばらくすると再び便意がくる。
看護師さんに伝えて、さきほどのトイレに入る。
もう何も出てこない。水だけが一回ぴしゃっと出る。
看護師さんにもういちど便を見てもらおうと思って、試験管を渡した看護師さんに言うと、さきほど便を見た看護師さんを呼びに行く。
同じ人が見ないと違いが分からないということなのだろう。
随分連携が取れている。
患者が多い医院で、看護師さんや男性の医療担当者がいつもせわしく走り回っている医院であるが、肝心なことはきちんと情報共有しているのか。たいしたものだ。
トイレを出ると、別のベッドに案内される。
ここで待つようにということだ。
しばらくうとうとする。
目が覚める。
時計を見るともう2時を過ぎている。
なかなか検査が始まらない。
それから30分くらいして、ようやく検査室に案内される。
ベッドに横になる。
なにか薬を飲まされる。
目をつぶっていると、自然と意識がなくなっていく。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
気がつくと、検査室に入る前のベッドに寝ている。
時計を見ると4時半をまわっている。
検査の時間は30分くらいのはずだ。
検査が終わってから1時間以上はたっぷりと寝ていたことになる。
検査室から、このベッドまでどうやってきたのだろう。
しばらく目をあけたままベッドにいると、看護師さんがやってくる。
「起きられますか」
「はい、大丈夫です」
起き上がりながら、答える。
まだ、頭がぼうっとしている。
「検査の後、どうやってここまで来たのですか」と尋ねる。
「歩いてこられましたよ」
自分では全く記憶がなかった。
きっと看護師さんに手を持って誘導されたのだろう。
それにしても何の痛みもない検査だった。
意識のある状態の検査も、ある意味、面白いところがあるが、やはりこちらのほうがいい。
「先生が説明をされますので、こちらに来てください」と診察室にゆっくりとゆっくりと、入っていく。
(つづく)
