大河ドラマと地震
- 2016/12/25
- 00:00
今年学会の特別講演で、地震の話を聴いた。
名古屋大学の先生が講演者である。
地震の研究に関するいろいろな話を聴いたのだが、いくつか印象的なものがあった。
そのひとつは、今年のNHKの大河ドラマで地震のシーンが登場したということだ。
いままで大河ドラマでは、たとえその時代で大きな地震が起こっていても、そのような場面はドラマのなかでは描かなかったのだという。
それが今年は2回も描いていることが画期的なことであると言われる。
過去に発生した地震の真実を多くの人が知ることは、地震を他人事と思わずに、いつ何時自分の身に降りかかるかもしれないこととして、準備する、心構えを持つことになるので、大切なことである。
多くの視聴者が見る大河ドラマで描くことは、多くの人に知らしめるという点では意味があるのだ。
それがいままではあえて地震のシーンを大河ドラマでは避けてきたそうだ。
大河ドラマには、悲惨な災害シーンは不適切という、いわゆる”おかみ”の判断のようなものだ。
いままでNHKの大河ドラマで地震のシーンが全くなかったというのは、信じがたいところもある。
ところが、そういう事実がなかったことを証明するのは、容易ではない。
すべての作品を細かくチェックすることは時間的にできるものではない。
NHKに問い合わせれば、なんらかの回答がでてくるかもしれないが。
自分の記憶のなかでは、地震のシーンを大河ドラマの中で見たような気はするが、自信がない。
今年の「真田丸」のなかでは少なくとも2回地震のシーンがある。
これは今年の話でもあり、WEBを見れば、すぐに分かる。
自分の記憶とも一致する。
それは4月10日の14話「大阪」での天正地震と7月24日の29話「異変」での伏見地震である。
天正地震は、1586年1月に、伏見地震は1596年9月に起こっている。
天正地震は、M8クラスの地震が3つ以上同じ日に発生している。岐阜県、愛知県の断層の活動だ。
伏見地震は、慶長年間のことだが、慶長伊予地震、慶長豊後地震につづき、発生している。5日間で3つの大地震が起きたというからすさまじい。
講演のなかでは、これだけ地震が頻発する日本であるが、地盤の強いところ、弱いところというのがある、名古屋では、テレビ塔は、最も地盤の固いところに立っているが、スカイツリーは、とんでもなく地盤の弱いところに立てられているという話をされた。
強度計算も実施し、どれだけの地震には耐えられるということを確認したうえで設計を進めているはすだ。建造物が倒れることはないだろうが、建物は崩壊することはなくても、そのなかに人がいる場合は、大変なことになるだろう。
講演者は、大阪府の知事が橋下さんだったときに、当時の府の建築物の件で地震の観点から意見を求められて説明に行ったそうだ。話を聴いて、橋下さんは即座に計画を変更したという。
こういう話を聴いていると、このような国には原子力発電所を造っていいのだろうかと考えてしまう。
建造を決定する人たちは、きっと自分の身には災害が降りかからない、自分だけは大丈夫だと思っているのだろう。どうせ自分の住んでいる場所からは遠く離れたところに建てられるのだから、万一のことがあっても自分は大丈夫という考えを持っているのではないだろうか。
今回の講演を聴いてから、日本に起こった大地震を調べると、地震に遭わないのが不思議なくらい数多くの地震が発生している。
僕自身も、阪神・淡路大震災を近くで経験している。このときの被害も大きかったが、まだ地震だけだった。ところが2011年の東日本大震災は、地震の被害だけではない。津波に加え、原子力発電所の事故が大きな追い打ちをかけている。
いつ起こるか分からない地震のことをいつも考えながら生きることは面白くない。
どうしても後ろ向きな生き方に思えるが、自分でもそれなりの覚悟を持っておくことが必要だ。
そして、原子力発電所だけは、これ以上増やさない、すべての原子力発電所をなくす方向に進めることに、努めないといけない。
東北の震災前の、岩手のきれいな海。
いまはどうなっているのだろう。

名古屋大学の先生が講演者である。
地震の研究に関するいろいろな話を聴いたのだが、いくつか印象的なものがあった。
そのひとつは、今年のNHKの大河ドラマで地震のシーンが登場したということだ。
いままで大河ドラマでは、たとえその時代で大きな地震が起こっていても、そのような場面はドラマのなかでは描かなかったのだという。
それが今年は2回も描いていることが画期的なことであると言われる。
過去に発生した地震の真実を多くの人が知ることは、地震を他人事と思わずに、いつ何時自分の身に降りかかるかもしれないこととして、準備する、心構えを持つことになるので、大切なことである。
多くの視聴者が見る大河ドラマで描くことは、多くの人に知らしめるという点では意味があるのだ。
それがいままではあえて地震のシーンを大河ドラマでは避けてきたそうだ。
大河ドラマには、悲惨な災害シーンは不適切という、いわゆる”おかみ”の判断のようなものだ。
いままでNHKの大河ドラマで地震のシーンが全くなかったというのは、信じがたいところもある。
ところが、そういう事実がなかったことを証明するのは、容易ではない。
すべての作品を細かくチェックすることは時間的にできるものではない。
NHKに問い合わせれば、なんらかの回答がでてくるかもしれないが。
自分の記憶のなかでは、地震のシーンを大河ドラマの中で見たような気はするが、自信がない。
今年の「真田丸」のなかでは少なくとも2回地震のシーンがある。
これは今年の話でもあり、WEBを見れば、すぐに分かる。
自分の記憶とも一致する。
それは4月10日の14話「大阪」での天正地震と7月24日の29話「異変」での伏見地震である。
天正地震は、1586年1月に、伏見地震は1596年9月に起こっている。
天正地震は、M8クラスの地震が3つ以上同じ日に発生している。岐阜県、愛知県の断層の活動だ。
伏見地震は、慶長年間のことだが、慶長伊予地震、慶長豊後地震につづき、発生している。5日間で3つの大地震が起きたというからすさまじい。
講演のなかでは、これだけ地震が頻発する日本であるが、地盤の強いところ、弱いところというのがある、名古屋では、テレビ塔は、最も地盤の固いところに立っているが、スカイツリーは、とんでもなく地盤の弱いところに立てられているという話をされた。
強度計算も実施し、どれだけの地震には耐えられるということを確認したうえで設計を進めているはすだ。建造物が倒れることはないだろうが、建物は崩壊することはなくても、そのなかに人がいる場合は、大変なことになるだろう。
講演者は、大阪府の知事が橋下さんだったときに、当時の府の建築物の件で地震の観点から意見を求められて説明に行ったそうだ。話を聴いて、橋下さんは即座に計画を変更したという。
こういう話を聴いていると、このような国には原子力発電所を造っていいのだろうかと考えてしまう。
建造を決定する人たちは、きっと自分の身には災害が降りかからない、自分だけは大丈夫だと思っているのだろう。どうせ自分の住んでいる場所からは遠く離れたところに建てられるのだから、万一のことがあっても自分は大丈夫という考えを持っているのではないだろうか。
今回の講演を聴いてから、日本に起こった大地震を調べると、地震に遭わないのが不思議なくらい数多くの地震が発生している。
僕自身も、阪神・淡路大震災を近くで経験している。このときの被害も大きかったが、まだ地震だけだった。ところが2011年の東日本大震災は、地震の被害だけではない。津波に加え、原子力発電所の事故が大きな追い打ちをかけている。
いつ起こるか分からない地震のことをいつも考えながら生きることは面白くない。
どうしても後ろ向きな生き方に思えるが、自分でもそれなりの覚悟を持っておくことが必要だ。
そして、原子力発電所だけは、これ以上増やさない、すべての原子力発電所をなくす方向に進めることに、努めないといけない。
東北の震災前の、岩手のきれいな海。
いまはどうなっているのだろう。
