大学での試験(1)
- 2015/02/28
- 00:00
大学時代には、豪傑のような連中が多くいた。
当時は授業料も安かったので、1年くらい余分にいてもバイトで授業料分は十分稼げる時代だった。
僕の同期に、入学したときから卒業するまで同じ釜の飯を食べたような奴がいた。
E君だ。
彼は、僕よりも戸籍上の年齢は1つ上。
卒業する2年前に結婚して、最終学年のときには、子供まで作っていた。
一緒に受けている授業のなかで古英語というものがあった。
中学から習っている英語とは、かなり異なるものである。それを一般教養として勉強しても意味があるのだろうかと思うのだが、必修だったので、僕も彼も受けていた。
期末試験のときのことだ。
古英語というのは、場合によっては専攻していたドイツ語よりも意味を類推できない単語がある。全く意味不明なのだ。
彼は僕の横に座っていた。
いくら考えても知恵が出てこなかったのだろう。
とうとう机のなかにある、辞書を取り出して、膝の上で一生懸命調べている。
と、運悪く、教官が静かに彼の背後から近づいてきたのだ。
もうだめだ。
見つかる。
と思ったとき、実際見つかってしまったのであるが、教官が一言言い放った。
「辞書見ても、載ってないよ」
そう古英語は、専門の辞書でないと載っていないのである。
通常使っている英語の辞書には、単語も載ってないということだ。
先生に見つかって、ばつが悪そうに、E君は、机の中に戻した。
その結果、E君はおとがめを受けることもなく、無事進級できた。
先生もゆったり構えていた、おおらかな時代だったのかもしれない。

当時は授業料も安かったので、1年くらい余分にいてもバイトで授業料分は十分稼げる時代だった。
僕の同期に、入学したときから卒業するまで同じ釜の飯を食べたような奴がいた。
E君だ。
彼は、僕よりも戸籍上の年齢は1つ上。
卒業する2年前に結婚して、最終学年のときには、子供まで作っていた。
一緒に受けている授業のなかで古英語というものがあった。
中学から習っている英語とは、かなり異なるものである。それを一般教養として勉強しても意味があるのだろうかと思うのだが、必修だったので、僕も彼も受けていた。
期末試験のときのことだ。
古英語というのは、場合によっては専攻していたドイツ語よりも意味を類推できない単語がある。全く意味不明なのだ。
彼は僕の横に座っていた。
いくら考えても知恵が出てこなかったのだろう。
とうとう机のなかにある、辞書を取り出して、膝の上で一生懸命調べている。
と、運悪く、教官が静かに彼の背後から近づいてきたのだ。
もうだめだ。
見つかる。
と思ったとき、実際見つかってしまったのであるが、教官が一言言い放った。
「辞書見ても、載ってないよ」
そう古英語は、専門の辞書でないと載っていないのである。
通常使っている英語の辞書には、単語も載ってないということだ。
先生に見つかって、ばつが悪そうに、E君は、机の中に戻した。
その結果、E君はおとがめを受けることもなく、無事進級できた。
先生もゆったり構えていた、おおらかな時代だったのかもしれない。
