突然思いだす場所(2) 水瓶座
- 2017/02/08
- 00:00
吉祥寺で早稲田の友人とよく行ったお店が「水瓶座」だ。
ママが一人でやっているお店。バーと呼ぶのが正しいのだろうか。
ママの誕生日が水瓶座にあたる。
お店は、カウンターと奥にボックス席がある。10数人も入ればいっぱいになるくらいの広さだ。
ママ一人では大変なので、若い男の子が手伝っていた。
あるとき、その男の子がやめて、急きょピンチヒッターに登場したのが、僕の早稲田の友人のW君だ。
W君は、物腰が柔らかい。出身が大阪というと、誰もが驚く。大阪のえげつない兄ちゃんとは全く正反対のイメージである。
W君が時々バイトで「水瓶座」で働き始める。
W君の住まいは吉祥寺だったので、バイトがしやすかったのだろう。
その頃の僕は、お酒はあまり飲めなかった。
せいぜい水割り一杯か二杯である。友達と話しているだけでも楽しかった。
あるとき、お店が貸切状態になったことがあった。
当時は定番だったギターを持ちこんで、何台かのギターで演奏しながら、ビートルズやら、日本のフォークやらを歌っていた。
ハーモニカを取り出してギターに合わせて吹く。
ビートルズの「恋する二人」だ。
出だしと途中にハーモニカが一小節くらい入る。
そこのところで僕がハーモニカを吹くと、ボブディランの大好きなO君がいいよった。
「めずらしくあっとるな」
O君は関西人ではないはずなのに、えらいつっこみをしよる。
「うるさい」と言いながら、曲は進んで行く。
今はあの店もないのだろう。
ママは、僕たちよりも10歳以上は年が上だったと思う。
きっと今、出会っても分からないだろう。
でも「水瓶座」のあった場所へもう一度行ってみたいとは思う。
吉祥寺は1970年代からはすっかり様変わりしているだろうから、「水瓶座」のあるあたりを歩いても、分からないかもしれないね。

ママが一人でやっているお店。バーと呼ぶのが正しいのだろうか。
ママの誕生日が水瓶座にあたる。
お店は、カウンターと奥にボックス席がある。10数人も入ればいっぱいになるくらいの広さだ。
ママ一人では大変なので、若い男の子が手伝っていた。
あるとき、その男の子がやめて、急きょピンチヒッターに登場したのが、僕の早稲田の友人のW君だ。
W君は、物腰が柔らかい。出身が大阪というと、誰もが驚く。大阪のえげつない兄ちゃんとは全く正反対のイメージである。
W君が時々バイトで「水瓶座」で働き始める。
W君の住まいは吉祥寺だったので、バイトがしやすかったのだろう。
その頃の僕は、お酒はあまり飲めなかった。
せいぜい水割り一杯か二杯である。友達と話しているだけでも楽しかった。
あるとき、お店が貸切状態になったことがあった。
当時は定番だったギターを持ちこんで、何台かのギターで演奏しながら、ビートルズやら、日本のフォークやらを歌っていた。
ハーモニカを取り出してギターに合わせて吹く。
ビートルズの「恋する二人」だ。
出だしと途中にハーモニカが一小節くらい入る。
そこのところで僕がハーモニカを吹くと、ボブディランの大好きなO君がいいよった。
「めずらしくあっとるな」
O君は関西人ではないはずなのに、えらいつっこみをしよる。
「うるさい」と言いながら、曲は進んで行く。
今はあの店もないのだろう。
ママは、僕たちよりも10歳以上は年が上だったと思う。
きっと今、出会っても分からないだろう。
でも「水瓶座」のあった場所へもう一度行ってみたいとは思う。
吉祥寺は1970年代からはすっかり様変わりしているだろうから、「水瓶座」のあるあたりを歩いても、分からないかもしれないね。
