おかしな部屋だね(2)
- 2017/02/28
- 00:00
IT系の会社で仕事をいていた頃、海外出張に行くことがある。
出張前には、会社が契約している旅行代理店が、航空券の手配から、ホテルの予約、トラベラーズチェックまで、海外旅行の定番的なものをすべて用意してくれる。
出張前に、それら一式を持ってオフィスまで来て渡してくれるという便利なシステムができあがっている。
ところが、あるときから、このやり方が変わった。変わったというのは、会社の経費節減のために、旅行代理店のサービス内容が下げられたのが理由ではない。旅行会社の契約は従来通りであったが、僕がやりかたを変えたのである。
航空券の手配は従来通りで、旅行代理店に手配してもらっていたが、それ以外のホテルやレンタカーの予約を自分でやるようになった。トラベラーズチェックは、カードを使うようになっていたので、必要なくなった。
海外出張の場合、ホテルの宿泊費は、定額ではなく、実費精算である。実費といっても、上限が決まっている。アメリカの場合、都市によるホテル代の格差が大きい。日本で考えるとそのあたりの差が、なぜそれほど大きいのか、分からないのだが、かなりの差がある。
上限までであれば、いいホテルに泊まればいいということになる。万一上限を越えざるを得ない場合、要は安いホテルが満杯のときは、やむなく高いホテルに泊まるということも、理由を書けば認められていた。
僕の場合、ほとんどがアメリカ出張であったが、アメリカに行くと、空港でレンタカーを借りる。ホテルはダウンタウンに取る。というのが一般的である。
ある年の出張で、大学の先生に同行して、ボストンに行くことになった。ボストンは、ホテル代の高いところだった。
出張の前に、先生に宿泊するホテルをお聞きすると、街からはずれたところの比較的安いホテルである。ボストンは、治安の悪い地域もあるが、そこを避ければ、問題ないそうだ。そのあたりは、海外出張の経験が豊富な先生であるので、詳しい。
大学の先生の場合、出張の費用は、自分の研究室の予算を使う。自分の会社を経営していて、予算を取ってくるのも、予算も使うのも、自分でやるというのと同じだ。
となると経費はできるだけ抑える必要がある。
経費のなかに占める交通費、宿泊費というのは、相当大きいはずである。海外出張の費用もできるだけ抑える。ホテルの宿泊費もある程度の内容が確保できるのであれば、安い方がよい。
そのときも、先生が予約されたのは、長期間泊まると安いホテル、1週間分の宿泊費がダウンタウンの著名なホテルの数日分というところである。
僕も同行するということから、同じホテルを予約する。
そのころは、インターネットも普及し始めていて、ネットから予約ができるようになっていた。
ダウンタウンのヒルトンやらシェラトンという定番のホテルのように名前は通っていないが、泊まってみると、これで十分である。
それからは、自分でネットで安いホテルを予約するようになった。
特に数日間連続して滞在するような場合は、格安である。
ボストンに行ってから、数年後、今度はアメリカカリフォルニア州のサンノゼに行くことになった。サンノゼの近くに研究所がある。そこの研究者を訪ねることなっていた。
しかも3日間連続ということだった。
その頃は習慣となっていた、連泊の安いホテルを探すことになった。
(つづく)
ボストンにて。

出張前には、会社が契約している旅行代理店が、航空券の手配から、ホテルの予約、トラベラーズチェックまで、海外旅行の定番的なものをすべて用意してくれる。
出張前に、それら一式を持ってオフィスまで来て渡してくれるという便利なシステムができあがっている。
ところが、あるときから、このやり方が変わった。変わったというのは、会社の経費節減のために、旅行代理店のサービス内容が下げられたのが理由ではない。旅行会社の契約は従来通りであったが、僕がやりかたを変えたのである。
航空券の手配は従来通りで、旅行代理店に手配してもらっていたが、それ以外のホテルやレンタカーの予約を自分でやるようになった。トラベラーズチェックは、カードを使うようになっていたので、必要なくなった。
海外出張の場合、ホテルの宿泊費は、定額ではなく、実費精算である。実費といっても、上限が決まっている。アメリカの場合、都市によるホテル代の格差が大きい。日本で考えるとそのあたりの差が、なぜそれほど大きいのか、分からないのだが、かなりの差がある。
上限までであれば、いいホテルに泊まればいいということになる。万一上限を越えざるを得ない場合、要は安いホテルが満杯のときは、やむなく高いホテルに泊まるということも、理由を書けば認められていた。
僕の場合、ほとんどがアメリカ出張であったが、アメリカに行くと、空港でレンタカーを借りる。ホテルはダウンタウンに取る。というのが一般的である。
ある年の出張で、大学の先生に同行して、ボストンに行くことになった。ボストンは、ホテル代の高いところだった。
出張の前に、先生に宿泊するホテルをお聞きすると、街からはずれたところの比較的安いホテルである。ボストンは、治安の悪い地域もあるが、そこを避ければ、問題ないそうだ。そのあたりは、海外出張の経験が豊富な先生であるので、詳しい。
大学の先生の場合、出張の費用は、自分の研究室の予算を使う。自分の会社を経営していて、予算を取ってくるのも、予算も使うのも、自分でやるというのと同じだ。
となると経費はできるだけ抑える必要がある。
経費のなかに占める交通費、宿泊費というのは、相当大きいはずである。海外出張の費用もできるだけ抑える。ホテルの宿泊費もある程度の内容が確保できるのであれば、安い方がよい。
そのときも、先生が予約されたのは、長期間泊まると安いホテル、1週間分の宿泊費がダウンタウンの著名なホテルの数日分というところである。
僕も同行するということから、同じホテルを予約する。
そのころは、インターネットも普及し始めていて、ネットから予約ができるようになっていた。
ダウンタウンのヒルトンやらシェラトンという定番のホテルのように名前は通っていないが、泊まってみると、これで十分である。
それからは、自分でネットで安いホテルを予約するようになった。
特に数日間連続して滞在するような場合は、格安である。
ボストンに行ってから、数年後、今度はアメリカカリフォルニア州のサンノゼに行くことになった。サンノゼの近くに研究所がある。そこの研究者を訪ねることなっていた。
しかも3日間連続ということだった。
その頃は習慣となっていた、連泊の安いホテルを探すことになった。
(つづく)
ボストンにて。
