花巻空港にて(1)
- 2017/04/23
- 00:00
3日間の盛岡滞在最後の日。
東北に来る時、帰りの便は、土曜日の午後の遅い時間の飛行機を予約する。
午前中から午後の適当な時間まで、東北の土地をまわることにしている。
今回は、岩手県であるが、岩手には、もう10回くらい来ている。
初めてきたときは、盛岡からさらに北にある県立大学に行った。
当時、同じIT系の会社の研究所に勤務していた人が、会社を辞めて、大学に転籍したのである。
彼は、たまたま僕の高校の後輩でもあった。
K君だ。
K君と同じ会社に勤務していたときは、営業部門にいた僕は、セミナーでの社内講師として、K君に大阪まで来てもらったことが何度かある。K君自身が大阪でのエンジニアの経験もあり、そのときは、僕と同じ仕事をしていたこともあるが、僕の依頼には、いつも快諾いただき、大阪まで話をしに来てくれた。
K君とは、岩手から別の大学に変わってからも、いまだに付き合いがある。それは仕事の上での付き合いが中心ではあるが、プライベートの部分までも、お互いに話ができる関係にある。
初めて岩手に来てから、15年以上の時間が過ぎている。
東北6県は、僕にとっては、遠い日本の中の土地であったが、10年くらい前からは年に2回、講演会を開催するために来るようになってからは、随分と身近な存在になってきた。
花巻空港に早めに到着した。
盛岡―花巻間は、バスで移動するのだが、搭乗する飛行機にあわせて、バスは盛岡駅を出発する。
1台早いバスに乗ったのである。
空港に到着すれば、ラウンジがあって、そこでは、電源も使用でき、ぎりぎりまでパソコンも使える、飲み物のサービスもある、そのつもりだった。
1台早いバスで到着すると、空港の中は、まだ閑散としている。
ラウンジを探す。
ところが、以前はあったはずのラウンジがない。
いくら探しても見つからない。
空港ビルは3階建てで、最上階には展望デッキがある。
実質は、2階建てのようなものだ。ラウンジを見落とすわけがない。
どうやら、乗降客が少なくて、なくなったようだ。
しようがないので、ゲートのなかに入ることにした。
ゲートの前の荷物チェックのところで、ケースにPCや携帯電話や小銭入れをいれて、前に進んだ。
大阪空港では長蛇の列が出来ているが、さすがこの時間の花巻空港のゲートには、搭乗客は一人も並んでいない。
チケットのシートをICリーダに載せる。
すると、係の人から、「大阪行きは1時間前でないとゲートの中には入れません」と中に入るのを拒まれる。
それでは、待合室に戻らなければと、踝を返して、元来た方向に向かう。
すると、前から年輩のおじさんが僕の方向に進んでくる。
手には荷物もない。
僕に向かって質問をする。
「札幌まではいくらでいけますか」
えっと思わず、返す言葉に詰まる。
「それは、いろいろですので、下のカウンターで聞いてください」
確かに、札幌行きの便が、もうすぐ出るはずだ。
それでも、いきなりゲートにやってきて、見も知らぬ人に、搭乗券の値段を聞くとは、どういうつもりなのだろう。
まぁ、いろいろな人もいるものだ。
まだ出発までには、2時間ちかくある。
どうやって時間をつぶすか。
レストランに入るのが、よいのかもしれないが、入口から中をのぞくと、電源のコンセントが用意されているようでもない。
今使っているPCの電池は大分へたっている。2時間もつかどうか、というところだ。
電源がないとなると、PCも使えなくなる。
このレストランには、以前一度、入った記憶はある。
地方空港ではあるが、やはり空港のレストランなので、値段はそこそこする。
しばらく考えだが、結局、レストランに入ることにした。
(つづく)
花巻空港のゲートにつけられている飛行機。

午前中は、雨もぱらついていたが、今はすっかり天気も回復している。

青空が気持ちがいい。

東北に来る時、帰りの便は、土曜日の午後の遅い時間の飛行機を予約する。
午前中から午後の適当な時間まで、東北の土地をまわることにしている。
今回は、岩手県であるが、岩手には、もう10回くらい来ている。
初めてきたときは、盛岡からさらに北にある県立大学に行った。
当時、同じIT系の会社の研究所に勤務していた人が、会社を辞めて、大学に転籍したのである。
彼は、たまたま僕の高校の後輩でもあった。
K君だ。
K君と同じ会社に勤務していたときは、営業部門にいた僕は、セミナーでの社内講師として、K君に大阪まで来てもらったことが何度かある。K君自身が大阪でのエンジニアの経験もあり、そのときは、僕と同じ仕事をしていたこともあるが、僕の依頼には、いつも快諾いただき、大阪まで話をしに来てくれた。
K君とは、岩手から別の大学に変わってからも、いまだに付き合いがある。それは仕事の上での付き合いが中心ではあるが、プライベートの部分までも、お互いに話ができる関係にある。
初めて岩手に来てから、15年以上の時間が過ぎている。
東北6県は、僕にとっては、遠い日本の中の土地であったが、10年くらい前からは年に2回、講演会を開催するために来るようになってからは、随分と身近な存在になってきた。
花巻空港に早めに到着した。
盛岡―花巻間は、バスで移動するのだが、搭乗する飛行機にあわせて、バスは盛岡駅を出発する。
1台早いバスに乗ったのである。
空港に到着すれば、ラウンジがあって、そこでは、電源も使用でき、ぎりぎりまでパソコンも使える、飲み物のサービスもある、そのつもりだった。
1台早いバスで到着すると、空港の中は、まだ閑散としている。
ラウンジを探す。
ところが、以前はあったはずのラウンジがない。
いくら探しても見つからない。
空港ビルは3階建てで、最上階には展望デッキがある。
実質は、2階建てのようなものだ。ラウンジを見落とすわけがない。
どうやら、乗降客が少なくて、なくなったようだ。
しようがないので、ゲートのなかに入ることにした。
ゲートの前の荷物チェックのところで、ケースにPCや携帯電話や小銭入れをいれて、前に進んだ。
大阪空港では長蛇の列が出来ているが、さすがこの時間の花巻空港のゲートには、搭乗客は一人も並んでいない。
チケットのシートをICリーダに載せる。
すると、係の人から、「大阪行きは1時間前でないとゲートの中には入れません」と中に入るのを拒まれる。
それでは、待合室に戻らなければと、踝を返して、元来た方向に向かう。
すると、前から年輩のおじさんが僕の方向に進んでくる。
手には荷物もない。
僕に向かって質問をする。
「札幌まではいくらでいけますか」
えっと思わず、返す言葉に詰まる。
「それは、いろいろですので、下のカウンターで聞いてください」
確かに、札幌行きの便が、もうすぐ出るはずだ。
それでも、いきなりゲートにやってきて、見も知らぬ人に、搭乗券の値段を聞くとは、どういうつもりなのだろう。
まぁ、いろいろな人もいるものだ。
まだ出発までには、2時間ちかくある。
どうやって時間をつぶすか。
レストランに入るのが、よいのかもしれないが、入口から中をのぞくと、電源のコンセントが用意されているようでもない。
今使っているPCの電池は大分へたっている。2時間もつかどうか、というところだ。
電源がないとなると、PCも使えなくなる。
このレストランには、以前一度、入った記憶はある。
地方空港ではあるが、やはり空港のレストランなので、値段はそこそこする。
しばらく考えだが、結局、レストランに入ることにした。
(つづく)
花巻空港のゲートにつけられている飛行機。

午前中は、雨もぱらついていたが、今はすっかり天気も回復している。

青空が気持ちがいい。
