盛岡にて(5)
- 2017/04/29
- 00:00
土曜日。盛岡での最終日である。
昨夜泊まった旅館から盛岡市内を目指して移動する。いつもなら一緒に来ていた東北の方の車に便乗して送ってもらうのだが、今回は、車の台数が少ないこともあり、バスを使うことにした。
旅館から5分も歩けば、バス停がある。
旅館を出て、例によってコロコロを引きながら、歩いていく。
すぐに坂道になるのだが、天気も快晴とは言えないが、なにしろ山の中の自然、気持ちがいい。
店の看板は出ているが、商売をやっているのか、よく分からない、古い商店の前を通り、歩いていく。
すれ違う車がたまにあるが、土曜日の朝、人影はない。
しばらく行くと、バス停が見える。
観光案内所があり、その前が駐車場のスペースになっている。ここにバスが入ってくるのだ。
トイレを探す。
観光案内所の横に公衆トイレがある。
観光案内所のなかは、照明がくらい。節電なのだろうか。
それでも、中で働いている人の声がする。
バスの切符を買おうと思って、よく見ると、ここではバスの切符は売っていません、という注意書きがある。観光で来る人の考えることは同じなのだ。
しばらくバス停で待つ。
座るところもないが、周りの景色を見ているだけで心がなごむ。
大きな看板があり、旅館や民宿の場所が分かるようになっている。
ところどころ欠番がある。番号があるが、宿の名前が消されているのだ。
廃業したのだろう。
看板は、それぞれの宿のイメージがわかるように描かれている。
名前のない番号の宿の場所を見ると、結構大きな洒落たコテージ風の建物である。
開業したときは、人気の宿だったのだろう。
観光客が減ってきて、成り立たなくなったのだろうか。
商売は難しい。
そうこうするうちにバスがやってくる。
中に乗り込む。
運転手が一人。
荷物が多いので、一番後ろの長い席に座る。
どのくらい混むのか、分からない。
「ここは始発ですか」と席に座ってから、運転手さんに聞く。
えっ、という声が返ってくる。
質問が聞こえなかったようだ。
もう一度、大きな声で聞く。
そうだ、と言う答えである。
愛想のない答え方である。
そのような質問は想定していなかったのだろう。しようがないか。
バスは予定時間を少し回ったころに動き出す。
盛岡市内までは40分くらいの予定だ。
宿泊した部屋からの眺め。
サスペンスドラマに出てきそうな景色。

坂道を登っていく。お店はいくつかあるのだが、やっているのかどうか、分からない。

郵便局の前を通る。今日は休みである。

温泉街のマップ。旅館や民宿の場所が分かる。

バスの時刻表。1時間に1本、あるかないかだ。

バス停がある駐車場。
外には人は誰もいない。
