高岡にて(5)
- 2017/11/23
- 00:00
自由席は、わずかに乗客が座っているが、よくすいている。
ひと駅で降りるので、扉に近い席にすわる。
目の前にコンセントがあるので、PCを早速充電する。
電源は命綱のようなものだ。
後ろの席を見ると、各席の窓側の足元に電源のコンセントがある。
さすがに最近作られた車両は、電源を一列ごとに窓際に一個ずつ用意しているのだ。
サンダーバードは、作られたのが古いせいか、電源は扉に近い席にだけ用意されている。
電源のもちの悪い、僕のPCでは、大阪―金沢間で電源はなくなってしまう。
もっとも、この区間は、WiFiも通じない区間が結構多いので、ネットでの仕事には向いていない。
PCの電源メーターを確認しながら、PCでの処理をしていると、車内放送が流れる。
サンダーバードの運行状況について話し始める。
強風のため、湖西線の運行はできないので、琵琶湖の東側の北陸本線から米原経由で京都に向かうことになるという放送である。
これにより30分から40分は予定より大阪への到着が遅れるということだ。
天候がかなり悪いのだろう。
今日はほとんど終日会場のなかにいたので気が付かなかったが、外は昼間でも暗い雲におおわれており、風もきつかったようだ。
30分程度の遅れであれば、大阪に着いた後の乗換も、問題はない。
ただ、長い時間の列車の移動は、疲れた体にには、気持ちのよいものではない。
北陸新幹線、「はくたか」は、予定とおり金沢に到着。
サンダーバードへの乗り換えも、新幹線の改札口を通るのだが、すぐ隣と言ってもよいような距離である。
ただ、人の数は、やはり高岡の比ではない。
荷物を持ってエスカレーターに乗る人も多い。
サンダーバードのプラットフォームに上がったときには、出発5分前だ。
これほど人が多いと、8分間でみどりの窓口まで走って行って、切符をもらって、サンダーバードに乗り込むというのは、もともとできないことだったのだ。
Mission Impossibleだ。
乗り込む前に水とコーヒーを買おうと思う。
売店のなかに入ると、講演会に同じく関西から来ていたNさんに出くわす。
Nさんは神戸の西の方まで戻らないといけない。
サンダーバードが予定より遅れることで、帰りの列車を気にされている。
予定では、新大阪から「こだま」に乗って新神戸で降りて、それから地下鉄で一本という予定だったのだろう。
「今日中に帰ることができるかな」と心配を口にされる。
水のペットボトルを持って、レジに向かう。
レジの横にあるコーヒーマシンを見て、「コーヒー買っている時間があるかな。後3分だ」と売り子のおばちゃんに言う。
即座に「大丈夫。これは30秒でできるからね」という返事が返ってくる。
「じゃ、コーヒー、もらうわ」と言って、コーヒーカップを受け取って、コーヒーメーカーに置く。
30秒くらいで、確かに出来上がる。
ペットボトルとコーヒーカップと荷物を抱えて、サンダーバードに駆け足で行く。
Nさんは4号車、僕は2号車だ。
4号車に乗りこんで、それでは、お疲れさまでした、お気をつけて、とお互いに言葉を交わして、別れる。
やっと自分の席にたどり着いて、キャリングケースを上の棚に置く。
椅子に座ってほっとする。
これでやっと大阪へ向かうことができる。
(つづく)
ひと駅で降りるので、扉に近い席にすわる。
目の前にコンセントがあるので、PCを早速充電する。
電源は命綱のようなものだ。
後ろの席を見ると、各席の窓側の足元に電源のコンセントがある。
さすがに最近作られた車両は、電源を一列ごとに窓際に一個ずつ用意しているのだ。
サンダーバードは、作られたのが古いせいか、電源は扉に近い席にだけ用意されている。
電源のもちの悪い、僕のPCでは、大阪―金沢間で電源はなくなってしまう。
もっとも、この区間は、WiFiも通じない区間が結構多いので、ネットでの仕事には向いていない。
PCの電源メーターを確認しながら、PCでの処理をしていると、車内放送が流れる。
サンダーバードの運行状況について話し始める。
強風のため、湖西線の運行はできないので、琵琶湖の東側の北陸本線から米原経由で京都に向かうことになるという放送である。
これにより30分から40分は予定より大阪への到着が遅れるということだ。
天候がかなり悪いのだろう。
今日はほとんど終日会場のなかにいたので気が付かなかったが、外は昼間でも暗い雲におおわれており、風もきつかったようだ。
30分程度の遅れであれば、大阪に着いた後の乗換も、問題はない。
ただ、長い時間の列車の移動は、疲れた体にには、気持ちのよいものではない。
北陸新幹線、「はくたか」は、予定とおり金沢に到着。
サンダーバードへの乗り換えも、新幹線の改札口を通るのだが、すぐ隣と言ってもよいような距離である。
ただ、人の数は、やはり高岡の比ではない。
荷物を持ってエスカレーターに乗る人も多い。
サンダーバードのプラットフォームに上がったときには、出発5分前だ。
これほど人が多いと、8分間でみどりの窓口まで走って行って、切符をもらって、サンダーバードに乗り込むというのは、もともとできないことだったのだ。
Mission Impossibleだ。
乗り込む前に水とコーヒーを買おうと思う。
売店のなかに入ると、講演会に同じく関西から来ていたNさんに出くわす。
Nさんは神戸の西の方まで戻らないといけない。
サンダーバードが予定より遅れることで、帰りの列車を気にされている。
予定では、新大阪から「こだま」に乗って新神戸で降りて、それから地下鉄で一本という予定だったのだろう。
「今日中に帰ることができるかな」と心配を口にされる。
水のペットボトルを持って、レジに向かう。
レジの横にあるコーヒーマシンを見て、「コーヒー買っている時間があるかな。後3分だ」と売り子のおばちゃんに言う。
即座に「大丈夫。これは30秒でできるからね」という返事が返ってくる。
「じゃ、コーヒー、もらうわ」と言って、コーヒーカップを受け取って、コーヒーメーカーに置く。
30秒くらいで、確かに出来上がる。
ペットボトルとコーヒーカップと荷物を抱えて、サンダーバードに駆け足で行く。
Nさんは4号車、僕は2号車だ。
4号車に乗りこんで、それでは、お疲れさまでした、お気をつけて、とお互いに言葉を交わして、別れる。
やっと自分の席にたどり着いて、キャリングケースを上の棚に置く。
椅子に座ってほっとする。
これでやっと大阪へ向かうことができる。
(つづく)