高岡にて(6)
- 2017/11/24
- 00:00
乗り込んだサンダーバードは、指摘席も満席ではなかった。土曜日の夜に大阪に移動する人は、それほど多くはないのだろうか。
8分程度の混みようで、僕の席は運よく、空いている。
30秒で出きあがったコーヒーを飲む。
PCは電源が十分ではないが、まだ残っているので、PCを立ち上げる。
僕のPCは、調子が悪く、スリープ機能が働いていない。いままでは、使っていないときはふたを閉めるだけ、あるいはきちんとスリープモードにして、ふたを閉じると電源容量が減ることはないが、今は、使っていなくても、どんどん減っていく。
そのために毎回シャットダウンをすることになる。
そして再開するときに再起動という、時間の無駄が毎回発生している。
電源コンセントが近くにないと、長時間の仕事は無理である。
PCを開いたまま、ついうとうとと寝入ってしまう。
サンダーバードは快調に走っていくが、外は真っ暗で、吹雪いている感じだ。
やはり湖西線は強風で、列車の走行は危険なので、北陸本線周りになったという放送が流れる。
窓の外を眺める。
と言っても暗くてよく見えないのだが、たまに駅を通り過ぎる。
駅名を目をこらして探そうとするが、小さな駅だとそれもできない。
プラットフォームが僕の席と反対側にある駅もある。
しばらくすると、駅名がはっきりと見えた。
「木ノ本(きのもと)」だ。
30年以上も前のことだが、冬の時期に大雪が積もった中を、駅から通常は徒歩10分くらいのお客様へ行ったことがある。長靴を履いているわけもなく、積雪のなかに、靴をつっこみながら、ゆっくり一歩ずつ進んで行った。10分のところ、30分くらいはかかった。
駅名から古い昔のことを思い出す。
おかしな記憶だけが簡単に出てくる。
もっと大事な情報は、ひもが切れたように出てこないのに、不思議だ。
列車は、米原駅に近づく。
放送が流れる。
「米原には、予定より35分遅れて到着します」
おかしなことを言うものだ。
もともと予定では、米原は通らないのだから、予定などないはずではないか。
なにかおかしなこと、自分の考えとずれている場合には、すぐ突っ込みたくなる。
けっしてよい癖ではない。でも治そうとは思わない。
米原を過ぎると、出てくる駅もある程度の大きさになり、駅名も読むことができる。
しかも馴染みのある駅たちだ。
近江八幡、守山、草津、石山、、、、大津。もうすぐ京都だ。
(つづく)
木ノ本ではないが、彦根に行った時の大雪。



8分程度の混みようで、僕の席は運よく、空いている。
30秒で出きあがったコーヒーを飲む。
PCは電源が十分ではないが、まだ残っているので、PCを立ち上げる。
僕のPCは、調子が悪く、スリープ機能が働いていない。いままでは、使っていないときはふたを閉めるだけ、あるいはきちんとスリープモードにして、ふたを閉じると電源容量が減ることはないが、今は、使っていなくても、どんどん減っていく。
そのために毎回シャットダウンをすることになる。
そして再開するときに再起動という、時間の無駄が毎回発生している。
電源コンセントが近くにないと、長時間の仕事は無理である。
PCを開いたまま、ついうとうとと寝入ってしまう。
サンダーバードは快調に走っていくが、外は真っ暗で、吹雪いている感じだ。
やはり湖西線は強風で、列車の走行は危険なので、北陸本線周りになったという放送が流れる。
窓の外を眺める。
と言っても暗くてよく見えないのだが、たまに駅を通り過ぎる。
駅名を目をこらして探そうとするが、小さな駅だとそれもできない。
プラットフォームが僕の席と反対側にある駅もある。
しばらくすると、駅名がはっきりと見えた。
「木ノ本(きのもと)」だ。
30年以上も前のことだが、冬の時期に大雪が積もった中を、駅から通常は徒歩10分くらいのお客様へ行ったことがある。長靴を履いているわけもなく、積雪のなかに、靴をつっこみながら、ゆっくり一歩ずつ進んで行った。10分のところ、30分くらいはかかった。
駅名から古い昔のことを思い出す。
おかしな記憶だけが簡単に出てくる。
もっと大事な情報は、ひもが切れたように出てこないのに、不思議だ。
列車は、米原駅に近づく。
放送が流れる。
「米原には、予定より35分遅れて到着します」
おかしなことを言うものだ。
もともと予定では、米原は通らないのだから、予定などないはずではないか。
なにかおかしなこと、自分の考えとずれている場合には、すぐ突っ込みたくなる。
けっしてよい癖ではない。でも治そうとは思わない。
米原を過ぎると、出てくる駅もある程度の大きさになり、駅名も読むことができる。
しかも馴染みのある駅たちだ。
近江八幡、守山、草津、石山、、、、大津。もうすぐ京都だ。
(つづく)
木ノ本ではないが、彦根に行った時の大雪。


