父 逝く
- 2017/11/28
- 00:00
父は、毎年僕の誕生日にはカードを送ってくれていた。
ある年のカードに、これが最後になるでしょうと書かれていた。
僕の誕生日は12月である。
父としては、後1年以内の命と思っていたのだろう。
それでも、次の年の僕の誕生日にも命は続いていた。
そして新しい年の正月は、最後の正月になるので、できるだけ豪華な
おせち料理を揃えてほしいと、必要な予算を僕に渡した。
そして、正月は本当にそれが最後の正月となった。
男性としては、平均寿命を10年以上越えている。
胃を全摘したのは、15年も前のことだ。
6年前には脳梗塞で倒れた。
その直後には、口からよだれを垂らしていたが、見事に立ちなおり、元通りの健康を取り戻した。
胃の全摘手術の後、父は病院のベッドの上で、痛みに耐えながら寝ていた。
それを見て、言葉を交わさなくても、僕は、強い生命力を感じていた。
父に感謝するところは大きい。
素晴らしい人生を、95年間の人生を、生き抜いた、と思う。
今は、安らかに眠りにつかれるよう、祈るだけである。
父からもらった最後の誕生日のカード

ある年のカードに、これが最後になるでしょうと書かれていた。
僕の誕生日は12月である。
父としては、後1年以内の命と思っていたのだろう。
それでも、次の年の僕の誕生日にも命は続いていた。
そして新しい年の正月は、最後の正月になるので、できるだけ豪華な
おせち料理を揃えてほしいと、必要な予算を僕に渡した。
そして、正月は本当にそれが最後の正月となった。
男性としては、平均寿命を10年以上越えている。
胃を全摘したのは、15年も前のことだ。
6年前には脳梗塞で倒れた。
その直後には、口からよだれを垂らしていたが、見事に立ちなおり、元通りの健康を取り戻した。
胃の全摘手術の後、父は病院のベッドの上で、痛みに耐えながら寝ていた。
それを見て、言葉を交わさなくても、僕は、強い生命力を感じていた。
父に感謝するところは大きい。
素晴らしい人生を、95年間の人生を、生き抜いた、と思う。
今は、安らかに眠りにつかれるよう、祈るだけである。
父からもらった最後の誕生日のカード
