刑事コロンボのかみさん
- 2019/03/25
- 00:00
ピーター・フォーク演じる”刑事コロンボ“。
毎回、セリフのなかに登場する、「うちのかみさんが」という言葉。
でも、その“かみさん”は、画面に姿を現すことはない。
誰もが、どんな女性だろうと想像するのだが、コロンボの言葉から想像するしかないのだ。
久しぶりに、大学の先生の最終講義に参加した。
以前参加したときは、仕事でお付き合いのあった先生で、僕がこのブログでも紹介していたM先生だ。
僕としてはビジネスにつながることは、あまりなかったのだが、3か月に一度くらい、ご訪問しては、2時間くらい話をしていた。
今、思うとたいていが禅問答のようなものだった。
M先生が最終講義をされることを聞いて、新幹線に乗って、最終講義に参加するためだけに訪問した。
最終講義となると、大学の関係者や、研究を一緒にされている先生方が大勢おられて、僕のような立場の者は、M先生には、声をかけて、ひとことふたこと、言葉を交わすだけだった。
それが初めての最終講義で、今回は2回目の最終講義への参加である。
今回のK先生は、初めてお会いしたのは、30年以上前のことだ。まだK先生が企業におられたころである。
それからK先生が大学に移られてからは、企業におられた時以上に深いお付き合いとなった。
K先生のご自宅には行ったこともある。それは車に乗っていって、僕の車を置いて、K先生の車で一緒に出掛けるというためだった。
K先生とはいろいろな話をしたのだが、結構奥さんのことを話される。
ちょうど、刑事コロンボのかみさんと同じだ。話にはたびたび登場する。
ところがまだ一度もお会いしたことはなかった。
最終講義を終えた後、会場に来ていた人、全員が壇上にあがって、写真を撮ることになった。
K先生は、中央の最前列に立っておられる。全員立っている。椅子はない。
僕は、あつかましくも、K先生の斜め後ろに場所を移した。ここならばっちり写真に収まることは間違いない。
シャッターが2回切られて、写真撮影が終わる。
壇上の人たちが、ぞろぞろと左右の階段から降りていく。
僕は中央にいたので、ゆっくり降りようとしていた。
そのときだ。
K先生が後ろを振り向く。
当然、僕と目があう。
すでに来場したときに挨拶は済ませていたので、僕はなにか言ったのか、はっきりとは覚えていないが、何か言ったのだろう。
K先生の横に女性がおられて、後ろを振り向かれる。
大学の研究室の方かと一瞬思った。
そのとき、K先生が、妻ですと言われる。
僕は、えっと、驚きながら、いつもお世話になっていますと挨拶をする。
それだけの時間だったが、突然“刑事コロンボのかみさん“を紹介されたような気分になった。



毎回、セリフのなかに登場する、「うちのかみさんが」という言葉。
でも、その“かみさん”は、画面に姿を現すことはない。
誰もが、どんな女性だろうと想像するのだが、コロンボの言葉から想像するしかないのだ。
久しぶりに、大学の先生の最終講義に参加した。
以前参加したときは、仕事でお付き合いのあった先生で、僕がこのブログでも紹介していたM先生だ。
僕としてはビジネスにつながることは、あまりなかったのだが、3か月に一度くらい、ご訪問しては、2時間くらい話をしていた。
今、思うとたいていが禅問答のようなものだった。
M先生が最終講義をされることを聞いて、新幹線に乗って、最終講義に参加するためだけに訪問した。
最終講義となると、大学の関係者や、研究を一緒にされている先生方が大勢おられて、僕のような立場の者は、M先生には、声をかけて、ひとことふたこと、言葉を交わすだけだった。
それが初めての最終講義で、今回は2回目の最終講義への参加である。
今回のK先生は、初めてお会いしたのは、30年以上前のことだ。まだK先生が企業におられたころである。
それからK先生が大学に移られてからは、企業におられた時以上に深いお付き合いとなった。
K先生のご自宅には行ったこともある。それは車に乗っていって、僕の車を置いて、K先生の車で一緒に出掛けるというためだった。
K先生とはいろいろな話をしたのだが、結構奥さんのことを話される。
ちょうど、刑事コロンボのかみさんと同じだ。話にはたびたび登場する。
ところがまだ一度もお会いしたことはなかった。
最終講義を終えた後、会場に来ていた人、全員が壇上にあがって、写真を撮ることになった。
K先生は、中央の最前列に立っておられる。全員立っている。椅子はない。
僕は、あつかましくも、K先生の斜め後ろに場所を移した。ここならばっちり写真に収まることは間違いない。
シャッターが2回切られて、写真撮影が終わる。
壇上の人たちが、ぞろぞろと左右の階段から降りていく。
僕は中央にいたので、ゆっくり降りようとしていた。
そのときだ。
K先生が後ろを振り向く。
当然、僕と目があう。
すでに来場したときに挨拶は済ませていたので、僕はなにか言ったのか、はっきりとは覚えていないが、何か言ったのだろう。
K先生の横に女性がおられて、後ろを振り向かれる。
大学の研究室の方かと一瞬思った。
そのとき、K先生が、妻ですと言われる。
僕は、えっと、驚きながら、いつもお世話になっていますと挨拶をする。
それだけの時間だったが、突然“刑事コロンボのかみさん“を紹介されたような気分になった。


