ぶろぐのあたま

あともう一人である。
この一人は、実は、僕のよく知っている若手営業だ。
レスポンスの速いときもあるが、なかなか返事が来ないことが多い。
今どきの若い奴は、なにを考えているのだろう、と考えることが、ままあるタイプだ。

だが、ちょうど彼とは、その日の夜に、打ち上げで一緒になる予定があった。
メールの返事は、それまではないだろうから、会ったときに返事をするように言えばいいと考えていた。
そうすれば明日には、返事を待っていただいている、大学の秘書の方にも4人すべての人の送付先住所を連絡することができる。

実は、返金先の住所を確認して、返金する方法を採用すると聞いたときに、これは結構大変だろうと思っていた。
現金封筒にお金を入れて、処理するというのは、秘書の方の仕事であるが、いまどき現金封筒での送金処理は、はやらない。廃れた手法だ。
これは確実ではあるが、手数がかかりすぎる、面倒であるということから、廃れていったのだ。

まず、現金封筒を郵便局で購入する必要がある。
購入した封筒のなかに現金を入れる。
封筒を二重にしてハンコを押して、といういかにも昭和的な方法である。

それよりも、返金の代わりに、記念品であるマグカップを送る方が簡単ではないかと思った。
送付先住所を確認する作業は変わらないが、マグカップは、箱に入っているから、その箱に、宅配便の宛先伝票を張って、宅配便業者に来てもらえばいい。と考えたわけだ。

文面としては、“世界にだたひとつK先生の似顔絵入りマグカップ”“を、退職記念パーティを欠席された方にお送りします、ということになる。

そのようなやりとりを、秘書の方と始めた時だ。
なんと、4人目の普段は、反応の悪い若い営業君から返事が来たではないか。
17：23である。

依頼メール発信後、2時間も経過していない。
思わず、叫んでしまった。
「お前な、いつもこのくらい早く返信してこい！」

それにしても、返金キーワードのすごさである。
詐欺に使われる理由が分かったような気がする。

件名のなかに”返金“というキーワードを入れるのが、速い返信が必要なときには、いい方策かもしれない。
なんてことはないか。

ということで、返金処理は、わずか2時間で住所をすべて確認でき、大学で待っておられる秘書の方に連絡して、こちらの仕事は、完了である。