コンベンション(5)
- 2020/05/20
- 00:00
明日は、帰国の日である。
はじめて、用意されているツアーに参加することにした。
向かいの部屋の二人と一緒に行動することになる。
同じ仕事をすることが多い二人で気心は知れている。
実は、毎晩一緒に会食している仲間である。
たまたま同じグループに随分偉い人も参加していたが、気さくな人なので、傍に来られても気を張ることはあまりない。
名前をさんで呼ぶ会社だ。
社長とか、会長とかいう必要はないのである。
船に乗るツアーだった。
狭い船の中で、経済界の団体のトップの仕事もやることになった、当時のトップマネジメントが横を通っても、○○さん、こんにちは、とニコッと笑えばいいのである。
何年か前のコンベンションの部門朝食会のことだ。
僕はなぜか司会を指名された。
その仕事のなかで、一番気を使ったのが、社長が各部門を順番に回ってきて、短いスピーチをして、隣の部屋に移動していく時間である。
時間にして、5分から10分くらいだ。
10近くある部門を回っていくので、なかなか予定とおりには社長はやってこない。
ようやくわが部門に社長が来られる。
会場には100人以上の部門参加者が朝食をとりながら、待っている。
僕は、すかさず、○○さんが来られました、とマイクを手にもって言った。
自ら拍手をして、全員の拍手を促す。
社長の短いスピーチが始まり、終わる。
終るとすぐに、僕が、お礼を言う。
”○○さん、激励のメッセージ、ありがとうございます。
この後も、お時間の許す限り、この会場にいていただければ、大変嬉しいです”
と部屋の真ん中を急ぎ足で歩いていく社長にマイクで声をかける。
一応礼儀だ。
すると、○○さんはすぐに大きな声で、一言返事をされる。
“許さん”
確かにお時間の許す限りと声掛けをしたのだから、その答えは”許さん“で間違ってはいない。
なぜか、そんなことを思い出しながら、船のデッキですれ違う○○さんを見ていた。
羊が人より多い国。画面の中の白っぽいのは羊だ。






夜、入ったお店

はじめて、用意されているツアーに参加することにした。
向かいの部屋の二人と一緒に行動することになる。
同じ仕事をすることが多い二人で気心は知れている。
実は、毎晩一緒に会食している仲間である。
たまたま同じグループに随分偉い人も参加していたが、気さくな人なので、傍に来られても気を張ることはあまりない。
名前をさんで呼ぶ会社だ。
社長とか、会長とかいう必要はないのである。
船に乗るツアーだった。
狭い船の中で、経済界の団体のトップの仕事もやることになった、当時のトップマネジメントが横を通っても、○○さん、こんにちは、とニコッと笑えばいいのである。
何年か前のコンベンションの部門朝食会のことだ。
僕はなぜか司会を指名された。
その仕事のなかで、一番気を使ったのが、社長が各部門を順番に回ってきて、短いスピーチをして、隣の部屋に移動していく時間である。
時間にして、5分から10分くらいだ。
10近くある部門を回っていくので、なかなか予定とおりには社長はやってこない。
ようやくわが部門に社長が来られる。
会場には100人以上の部門参加者が朝食をとりながら、待っている。
僕は、すかさず、○○さんが来られました、とマイクを手にもって言った。
自ら拍手をして、全員の拍手を促す。
社長の短いスピーチが始まり、終わる。
終るとすぐに、僕が、お礼を言う。
”○○さん、激励のメッセージ、ありがとうございます。
この後も、お時間の許す限り、この会場にいていただければ、大変嬉しいです”
と部屋の真ん中を急ぎ足で歩いていく社長にマイクで声をかける。
一応礼儀だ。
すると、○○さんはすぐに大きな声で、一言返事をされる。
“許さん”
確かにお時間の許す限りと声掛けをしたのだから、その答えは”許さん“で間違ってはいない。
なぜか、そんなことを思い出しながら、船のデッキですれ違う○○さんを見ていた。
羊が人より多い国。画面の中の白っぽいのは羊だ。






夜、入ったお店
